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「忘れる」ことは決して悪いことではない! 「覚える」より、「忘れろ」! 人間の記憶は膨大な情報を捨て去ることによって、整理され構造化され、思考力と問題解決能力が高まるメカニズムになっている。忘れて脳を活性化し、脳力と仕事力をUPする方法を、気鋭の学者で慶応大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授が解き明かす。忘却力を活用し、仕事や人生の様々な局面で成功することを解説した注目の書。
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Posted by ブクログ
880 先ほど私は、「受験の数学は暗記科目である」と言ったが、本来、学問としての数学や 物理学では極めて高い創造力が必要される。もちろんそのための基礎学力としての記憶力も必要だが、それ以上に必要なのは創造力である。受験の数学は、「解き方のパターン」 さえわかっていれば、それを記憶して、引き出すこと...続きを読むで答えを導くことができるが、本来問は「解き方のパターン」すらわかっていない未知の問題を解くことであり、場合によっては「何が問題か」を発見するところからスタートする必要がある。 よく私たちは「運動神経がいい」という言い方をするが、それは自分の身体をどう動かしたらどうなるかということを非宣言的記憶として覚えるのがうまい、ということを意味している。つまり、英単語を覚えるのが早い人のことを「あの人は記憶力がいい」と言い、 スポーツが得意な人のことを「あの人は運動神経がいい」と言うが、実際にはどちらも 「記憶力がいい」のであり、前者は「意味記憶がすぐれている」のに対し、後者は「非宣言的記憶がすぐれている」ということなのだ。 非宣言的記憶は何もスポーツなどに限らない。たとえば「あの人はスピーチが上手だ」 とか「あの人はリーダーシップがある」「あの人は営業センスがある」といった身体以外の技能の習熟も、脳がやり方を覚える非宣言的記憶といえる。スピーチに必要な単語を覚えることは「意味記憶」だが、うまく話すためのスキルは「非宣言的記憶」だ。もっと言えば、問題発見力や問題解決力も、そのやり方を身体で覚えるという意味では、広い意味での非宣言的記憶だといえる。 非宣言的記憶は主に身体を使った練習の繰り返しや、経験を重ね場数を踏むことによって「スキル」として習得されるものが多い。そこで、本書では、これから先は、「非宣言的記憶」という表現の代わりに、「スキルの記憶」という表現を用いることにする。厳密に言えば、「スキルの記憶」が「非宣言的記憶」のすべてではないのだが、「意味記憶」 「エピソード記憶」との対比がわかりやすいと思うので、本書では、「スキルの記憶」という言葉を使わせていただきたい。 私の場合、仕事柄、数学や物理、英語は、今も使っているため、学力はさほど衰えていないように思う。一方、日頃使わない化学の知識はほとんど覚えていない。もともと苦手だった国語や地理、歴史となるとさらに悲惨だ。では、それで社会生活に支障がいうと、ほとんど困ることはない。 ところが、現在の受験システムは、記憶力は悪いが、ほかの能力に秀でた人たちをスポイルする傾向がある。今の日本の入試制度は、いわば記憶力のテストのようなものだ。最近では大学によっていろんな工夫もされてはいるが、それでも記憶力のいい人間の方が有利な傾向に変わりはない。一流大学に入るためには記憶力の良さが重要であり、ほかの能力にいくら秀でていても、記憶力の悪い人間が一流大学と呼ばれる大学に入るのは難しいのが現状だ。 一流大学の学生や出身者は、記憶力という点では一流だが、だからといって、社会で必要となるほかの能力をひっくるめて一流ということではない。私はこれまでに記憶力だけがいい人をたくさん見てきたが、彼らの多くは抽象的思考力や創造力に劣っている傾向があるように思える。そのような人は、知識は豊富なのだが、記憶力に頼った類推をするため、創造性を発揮しにくい。また、システム思考が苦手であり、大局観を描く能力に欠けいる傾向もある。しかも、たちが悪いことに、なまじっかたくさんの知識をだけに、大きなビジョンを描けないという自分の欠点を自覚しにくい。 実際、ある心理学者による興味深実験結果がある。「物事を大局的に見ることのでき は、記憶力が悪い傾向がある」というのだ。どうやら、記憶力がすぐれてそれと引き換えに、思考力、リーダーシップ、創造性のような、大局的な能力が劣っている可能性があるのだ。スキルの記憶も、全体的・大局的な能力だ。したがって、意味記憶やエピソード記憶が得意な人は、これからの時代に必要とされるスキルの記憶能力が劣っているのかもしれないのだ。 つまり、記憶力第一主義的な選抜法は、なんと、全体的・大局的な思考力のある人をスポイルしている可能性があるのだ。 これからの時代に求められる、大局的に考える力。もう少しわかりやすく言うと、世の中に氾濫している情報の中から、必要なものとそうでないものをきちんと取捨選択することと、たくさんの情報が織りなす構造を俯瞰して、自分の頭でしっかり考えるということだろう。これは記憶重視の勉強からは得られない能力だ。
自分の中で フィードバック(復習)をすることによって 「身体的記憶を高める!!」 とってお大きなチャンスのある時代。 だけど、見落としている人が多い。 それは自分の中を通すこと。 いやなことをそのまま/先送りにしておくと むしろ、忘れず、大きな荷物を背負いながら生きていくことになる。
記憶という切り口から思考整理術を説く本。 歳を取るごとに記憶力が衰え、支障をきたすことは誰の身にも覚えがあることだと思うが、怖がらずに忘れるべき!という論旨で情報整理術を述べるのは斬新だと感じた。 記憶の種類には大別して2つあるそうだ。 ① 宣言的記憶 ・意味記憶 ・エ...続きを読むピソード記憶 ② 非宣言的記憶 ・スキルの記憶 自分が覚えようと思って意識をもって覚えるのが宣言的記憶で、受験勉強で問われるのはこちらの記憶。 それに対して、体で覚えてしまうことにより無意識に覚えてしまうものが非宣言的記憶という。 こちらは運動だったり、理解する早さだったりする。 よく何かにつけて「センスが良い・筋が良い」という人間が持ち合わせる能力で、これを「スキルの記憶」の賜物である。 学生時代に培った意味記憶至上主義は捨て、スキルの記憶を磨く方が良いという。 現代では記憶を代行する手段が多々あり、すべてを記憶する必要がなくなっている。 記憶の5Sを推進し、不要な記憶はどんどん忘れ、記憶することに傾注するよりも物事を俯瞰できる大局的思考力をつける方が肝要とのこと。 記憶が重要という前提を覆し、思考術の本質を掘り下げた良書と思う。
思考には3つに分別出来、意味記憶、エピソード記憶、スキルの記憶の中で、意味記憶とエピソード記憶はネット等に外部化されていき、スキルの記憶が今後さらに重要視されていく、という話でした。 スキルの記憶は簡単に言語化出来ない為、それがその人の世の中を渡って行く武器になる、またあとの2つの記憶は脳の仮付け記...続きを読む憶装置であるPCやスマートフォンに置き換えが進むというのは強く同意出来ました。
・次はこうする で 忘れよう。 フィードバック制御 フィードフォワード制御 テニスなら思った通りの場所にボールを打つために、何度も誤差を感じながらスキルの記憶を修正して記憶していく。 同じように、新しいスキルもフィードバックとフィードフォワードで学習できる。 思い通りの動きができるまで何度も...続きを読む忘れる。 次はこうする 次はこうする 次はこうする ・書いて忘れよう 書くと安心して忘れられる。 紹介されている方法では、gmailがあった。 ただこれが出版されたのは2009年なので。 今はEvernoteでも、メモアプリでも好きなものを使って書きまくればいい。 ただし、「次はどうするか」を考えて導き出す作業机として使って安心して忘れるようにしよう。
東大・京大で一番読まれた本として有名なこの本。 Ⅰ章の1項目目「グライダー」からすでに興味を惹かれた。 われわれ現代人は、自力で飛ぶことのできる「飛行機」ではなく「グライダー」だという。 自分で物事を決めることが出来ない。やるべきことを決めてもらうことで初めて動くことが出来る。 部下を持つように...続きを読むなって感じることであるが、特に最近のいわゆる「ゆとり世代」はその傾向が強いように思う。 自分も最近までは「グライダー」そのものであったと思うと、人のことは言えないが。。。 この本においては、思考の「醗酵」「カクテル」などが面白い。 しかし、実体験と照らし合わせてみると、朝目覚めたときに悩んでいたことが解決できた、ということは確かに多い。 「朝飯前」が一番脳が働くというのもうなづける。著者のように一度昼寝をすることで「朝飯前」を一日に二度迎えることはできないが、夜型より朝型の方が脳にとっても健康にとってもいいということは自分でも実証している。 今は、夜型に近くなってしまっているが、また朝型人間に変えてみようと思う。 この本が書かれたのは1986年ということで、パソコンが一般に出回る前の話であるため、ノートの使い方の重要性が説かれているが。 情報のメタ化、スクラップなど今でもノートは重要であるが、それをスマートフォンに読みかえて読んでみた。 私も常にスマホでメモをし、考えをまとめることにしているが、この本で自分のやり方に自信がもてた。 三上(馬上・枕上・厠上)は過去の人々の経験知からのものであるが、確かにその通りであると思う。 「見つめるなべは煮えない」とあわせてかみ締めた言葉である。 これからも新しい知識を吸収し、人生に活化していきたいと考える私にとって、自分の考えを見つめ直すきっかけになった。
今の世の中、インターネットの普及で、知識を記憶することは、コンピューターに勝てるわけが無い。だからと いって、勉強で基礎を学び、受験で知識を記憶することが、無駄なわけではない。知識の記憶があってこそ、創 造力がうまれる。 私達は、記憶力が大切と教えられたけど、時には忘れる技術も必要。悲しい記...続きを読む憶や、つらい記憶が消えないのは 、問題が解決されていず、役目を終えていないから。記憶を整理整頓することで、心が軽くなったり、必要ない と思えたり、無関心になれる。 また、思考が前にすすまずに、「どうしよう」の状態で、あれもこれもと焦り、どれをやればいいのか解らない 、ああすればよかったの後悔ばかりで、がんじがらめの状態。そんな時にも、いちど白紙になって考えてみる。 記憶を、整理、分析、分類して、引き出しにしまいなおすことで、解決策が見えてくる。 (記憶を整理すると、違うものや、気が付かなかったことが見えてくる。脱思い込みには、記憶のクリアは試し てみるのはかなりいいかも) 社会に出てから必要なことは、その知識や情報の記憶をもとに、どこに問題があるかを発見して、その問題をど うすれば解決できるのかを、自分で考える力を磨くこと。そして、問題の解決に向けて、みんなの力を借りるた めの対人能力、みんなを巻き込んで実行するコミュニケーションの力がとても大切。 仕事とは、解答の無い問題集に挑むようなもの。自分で考えて行動しようとしないと、常に正解を探し続け、そ の正解は、誰かが教えてくれれば無駄な時間がないと考えがち。仕事が上手くいかないのは、上司の指導のせい と、人のせいにしてばかりになる。 (確かに、仕事に正解はない。自分だけの力では何も出来ない、自分も良し、相手も良しの仕事がいい。やらさ れてる、だれかのせい、って思っていたら、成長できないし、いつも不満だらけで楽しくない。とりあえずやっ てみて、好きになってみて、やるからには頑張るのがいいのかも) 記憶力の低下を嘆く必要は無い。経験を積むと、新しいことを記憶する必要性がだんだん小さくなる。記憶が低 下するのは、衰えたからではなく、記憶をする必要が無いほど、たくさんの知恵やスキルを身につけた証しだと 思えば良い。蓄えた知恵やスキルをつかって、どう生きるか人生を豊かにする。 (そうかそうか、すぐ忘れる!思い出せない!って思うけど、その前に、記憶してない=記憶する必要が無いっ てことだ。そう考えれば楽) 漠然としたものを、なんとなく把握する。曖昧なことを、理解してツボをおさえる。情報の取捨選択をして、全 体的な構造を理解して、それをもとに自分の頭で考える-大局的に考える力が必要 (経験という武器があるんだから、小さいことは気にしないこと) 様々な記憶の意味がつながり、その人なりの世界観が構築され、さらに思考と記憶をつなぐと、すべての記憶が 意味として繋がる時が来る -腑に落ちる- 経験を重ね、記憶や欲への執着を自然に捨て去った時に、その時は来る。 (まさ悟りの境地。いつかそんな時がきて、その感覚を感じるために、自分で考えるようにしようと思う) 確かに、考え方が整理された。たぶん、オトナになった今だから実感できること。
独創的な思考や、創造的な思考に頭を切り替えるとき、記憶は足を引っ張る 宣言的記憶(陳述記憶) 文章や言葉を使って表せる記憶 意味記憶:ものの意味を記憶する場合 ex. リンゴとは何か? 愛とは何か? エピソード記憶:頭の中の日記やアルバム 非宣言的記憶 身体で覚えている、スキルの記憶 スキ...続きを読むルの記憶 ex. プレゼンテーション能力 自信がありそうに堂々と立つこと、指し棒は素早く力強く動かし、指したところにピタッと止めること、手はまっすぐに伸ばし、自信ありそうに見せること フィードバック制御 反射 原因から結果へ時間が流れる順方向 フィードフォワード制御 結果から原因を逆方向に推定する働き フィードバック誤差学習 失敗は簡単に忘れるのではなく、「なぜ」と問いかけてから忘れるべき 情報が溢れている時代に大切なのは、インターネットで簡単に入手できる意味記憶をたくさん溜め込むことではなく、膨大な情報を駆使して考える力を発揮できることや、考えたことを実現するために周囲の人を動かしていくことのできる力だ 余分な意味記憶は忘れてシェイプアップする一方、スキルの記憶をしっかりと脳の中に記憶として刻み込み、あたかも身体が覚えているかのように意識せずとも使えるようにすることが大切。記憶は覚えるものではなく、実践の場で使えるものであることが重要 いやなことやつらいことをそのままにしておくと不満や愚痴になる 問題を解決すれば、つらい記憶や悲しい記憶は消えて行くのに対し、問題が解決できないままに先送りをしていると、悲しい記憶やつらい記憶は消えないどころか、記憶の中でより大きなものへと変化を遂げていく。しかも、過去のつらい記憶、悲しい記憶を放置すると、時間の経過とともに、さらに、解決が難しくなっていく 「明日と自分を変えることはできるが、過去と他人を変えるのは難しい」 失敗の原因を悔やんだり、忘れたりするのではなく、失敗の原因を「なぜ」と追求し、「次にどうすればうまくいくか」を考えること。フィードバック誤差学習だ。そして、次に上手くいけば、失敗もただの笑い話、懐かしい思い出、ないしは美談となる 多すぎる知識や経験が、新しいアイデアの邪魔をすることもある。このため、記憶を溜め込むよりもむしろ余計な記憶を捨て去った方がいい 積極的に忘れるために 記憶の5S 整理 整頓 清掃 清潔 しつけ 断片的な知識をいくら詰め込んでも、考える力にはつながらない。考えるためには、断片的な知識を整理して、体系化・構造化していく作業が欠かせない 成功の喜びはただのエピソード記憶だが、「こうすれば成功する」という成功の手順を身につけることができれば、それはスキルの記憶として身体に刻み込まれることになる 失敗にしろ、成功にしろ、そこに反省がなければ、それはただのエピソード記憶に過ぎない。そこに「なぜ」という視点が加わると、記憶の全体としての構造が体系化され、スキルの記憶へと変わるから、エピソード記憶自体は覚えていてもいなくてもどちらでもよいものとなる。どちらでもいいようなものは、当然、忘れることになる まぐれ当たりは忘れなさい。さもないと運任せの気分屋ゴルファーに転落しますよ(ナンシー・ロペス) 成功の記憶にとらわれ過ぎない エピソード記憶をスキルの記憶へと転化すること、外部に記憶しておくことが有効 知識や経験はある程度詰め込んだら、記憶の5Sで思い切って捨て、そこから体系的・俯瞰的に考えることによって、初めて独創的なアイデアが生まれてくる 個別の記憶への執着を捨てれば、思考や思想は全体へ向かい、システム思考力や、大局的俯瞰力や、他人の気持ちに立つ力、幸せに生きる力を手に入れることができる 記憶をお金や若さや自我に読みかえることもできる
フィードフォワード制御(こうやったら、ああなるだろう。やってみたらこうだったから、今度はこうしてみよう。)を目指す学習のための記憶。ああすればよかった、ここでこう選んでいればの後悔はそれなりに有効な思考実験。 記憶に関しても、5S、整理、整頓、清掃(排出する)、清潔、躾(共有・習慣化)。嫌な記憶外に...続きを読む出して5Sの対象にする。マインドマップ、KJ法を使う。 失敗の可視化と共有方法としての、ブログ。 岐路に立ったとき、なるべく早い時点で、どの道を選ぶかを自分の頭で(全体構造を)俯瞰的に考え、自分の責任で選び、納得する必要がある。そのうえでやっていることを好きになる。 スキャナで取りこんで誰かわかる方は訳してください。とブログにあげておく。 変化を知覚する(それを伝えられる形にする)力が重要 幸福になるフェーズ3つ 不幸を忘れること、そのために問題を解決すること。高い目標に向かい成長する。記憶の意味がつながり全体システムがシステムとして腑に落ちる状態。やさしく朗らかで、自分勝手ではなく、楽天的で、親切で、いつも微笑んでいる。人の気持ちがよくわかり、おもんぱかることができ、貢献する、自己犠牲的な人。
「忘却」についてプログラム工学の立場から詳しく書かれており、記憶を外部(PC)に移し、覚えたらなかなか忘れない記憶スキルの使い方を多く身につけられるようにする、というアイデアは面白かった。 あえて忘却を大事にすることで脳内の整理がつきやすい、というものだった。 しかし言っていることは繰り返しが多く、...続きを読む単調な印象をもった。
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前野隆司
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