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ホームズのもとに届いた暗号の手紙。解読するも、時同じくして、サセックス州の小村にある館の主が殺害された!事件の背後にはモリアーティ教授の影。捜査に乗り出したホームズは、過去に事件の鍵を見出す。
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Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズ長編。黒幕にモリアーティ教授がいるので作品内時系列としては『最後の事件』より前の出来事となる。おそらく「ロンドンの悪の黒幕!」であるモリアーティ教授の出番がほとんどないので、後付けで書いたんでしょう・笑
【第1部】
シャーロック・ホームズは、モリアーティ教授を「ロンドンの悪の黒幕」と狙っている。そしてモリアーティ教授の部下でポーロックという暗号名の男を情報屋としていた。
ある朝ポーロックから暗号文が届いた。どうやらある本のあるページを参照すると文章になるらしく、次の手紙で本を指定してくるのだろう。だがポーロックから「教授にバレそうなので、暗号のことは忘れてください」との手紙が届いた。…現在でもパスワード付き文章と、パスワードのメールは分けるからね・笑
ホームズは、数字だけの暗号文から、参照用の本を当てて暗号も解読する!どうやら「バールストン館のダグラスに危険が差し迫っている」という知らせらしい。
そこへロンドン警視庁のマクドナルド警部がやって来た。警部は今ホームズが解読した文章を見て驚く。まさにバールストンに住むジョン・ダグラス殺害事件の相談に来たというのだ。
ホームズ、ワトスン、マクドナルド警部は現地に向かう。
殺されたジョン・ダグラスの家族は若い妻セシルだけ。友人はアメリカにいた頃の友人セシル・パーカー氏。他には信頼のできる使用人がいる。ダグラスは何かを警戒していたらしい。中世の古城のような屋敷を買い取り、夜には堀の跳ね橋をあげて不審者侵入を防ぐという徹底ぶり。
だがそのダグラスが書斎で射殺された。そして指からは結婚指輪が抜き取られていた。
妻のセシルに話を聞くと「夫がアメリカにいた頃のことは知らないが、”恐怖の谷”というところにいて、そこから抜け出しても何かの組織に追われていたようだ」と語る。
やがてホームズは事件を解明するために「罠」を仕掛ける。その罠にはまったのは…。
【第2部】
第1部で起きた事件の元となった20年前の出来事。
ヴァーミッサ渓谷の炭鉱の町に30歳くらいジャック・マクマードがやってきた。彼は気っ風がよく度胸も良い。人とのコミュニケーションもうまい。どうやらシカゴで偽金作りと殺人を起こして逃げてきたらしい。彼は福祉と協力の「自由民団」の団員だった。しかしここの民団は「スコウラーズ」と呼ばれる荒くれ者集団で、ボスのマギンティ議員の元みかじめ料を要求し、少しでも逆らうものは脅迫、暴力、殺人で黙らせてきた。
このヴァーミッサ渓谷は、「恐怖の谷」と恐れられるようになっていた。
マクマードは、下宿の娘
と恋に落ちるが、彼女のことは別の団員ボールドウィンが目をつけて「俺のものにならないとひどい目に合わす」という状態だった。
そこでマクマードは、スコウラーズのマギンティ議員に挨拶に行き、入団儀式を行う。そしてみるみるうちに頭角を現す。
このマクマードが、第一部のバールストン館のダグラスだ。
恐怖の谷でなにがあったのか、なぜ殺人が起きたのか。
そしてすべてを知ったホームズの出した結論は…。
2部構成ということで、ホームズたちが出てくる1部のほうが楽しいだろうなあと思いながら読んでいったんですが、2部の「恐怖の谷」の暴力組織のなか強かに生きる若者の過去話も十分面白かった。
(ちょっとネタバレ)
マクマードがいいやつだったので、最後は残念だなあ。モリアーティ教授の強さの表現だからしかたないけどさ。
Posted by ブクログ
謎めいた暗号文
古くからある洋館
密室での惨殺事件
物語の前半は探偵ホームズのミステリーに相応しい設定で、見事に謎を解き明かす。
ところが後半、ガラリと違う雰囲気の物語が始まる。
前半の事件のアメリカの炭鉱町で、20年前に起こったある出来事が語られていく。
そこにはホームズとワトソンは登場しないが、前半の事件のいきさつが明らかになる。
タイトル「恐怖の谷」はそこにあった。
18〜19世紀の産業革命がもたらしたのは、過酷な労働、貧富の格差で、ゆえに労働者の団結、社会主義の台頭が始まる。
20世紀初頭、世界大戦と大恐慌で急激に増加した労働者集団の中には、物語にあるように「なんだかわからない恐ろしい集団」と感じられるものもあったかもしれない。
物語の本筋ではないが、執筆当時の世相を垣間見ることもできた。
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