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かつて子役だった沙良は、芸能界で伸び悩み、流されるように結婚をしたものの、どこか満たされない気持ちを抱えていた。自分のことをまったく知らない人間に出会いたい─そんな折に、偶然出会った柏木という男。愛に似て、愛とは呼べない関係を描き出す、直木賞作家の野心作。文庫化に際して、書き下ろし短編を新たに収録。《解説・松居大悟》
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Posted by ブクログ
毎月新刊買おうかな〜と思って 手に取ってみた1冊 共感という言葉が失礼に感じるほど 人間の感情とか 匂いが 全部伝わってきた 好きとか愛を見定めて 綺麗に受け取ったり託したりするのは 親の影響が大きく作用すると思っていて 幼い頃から無条件に愛されることや 無条件に愛していいことを教えてくれないと...続きを読む 相手を好きになった理由とか 損得勘定で物事を考えちゃうのかな 柏木さんも、素敵な男性で 一言一言が小説のようで(小説なんだけど) 彼が話すと違う世界に来たみたいに美しい だけど絶対に近づくことはできなくて 近づいたら壊れてしまいそうで 何も触れたくなくなる、余裕があるからかな 紗良の見られている気がする気持ちとか 女性ならではの扱いとか、全部、わかるなあって 緊迫した状態から抜け出せたのかな 幸せになってくれているといいな
名前は知ってたけど読んだことなかった作家さん。本屋で装幀が目について、その場でパラパラとめくって、レジに持って行きました。大人っぽくて、水のような、酒のような小説。やばい、好きかも。
島本さんの小説を読むたびに思うのは、私が1番好きな作家さんだ、と安心する思いで、物語は激しく切ないのに、なぜか落ち着くような感じがする。 相手の男性の欠点までも愛おしく思ってしまう、そんな描写がすごく好きだ。最後に柏木の写真をすべて撮り、消していくところに胸を打たれた。
物語の核心にあるのは、他者に向ける「かわいそう」という感情――すなわち「憐憫」の危うさです。「優しさの正体を突きつけられるようで怖い」という感覚。綺麗な言葉で綴られるからこそ、そこに潜む毒が深く浸透してくる感覚を覚えました。 ただ、主人公の沙良については、どうしても素直に共感しきれない部分が残り...続きを読むます。彼女が抱える空虚さや、他者に依存しながらもどこか冷ややかな視線は、読み手によっては「理解しがたい」「自分勝手だ」と感じさせてしまう危うさがあるのかもしれません。 私自身も、彼女の選択や心の揺れに寄り添いきれないもどかしさを感じながら読み進めていました。 しかし、その「共感できない」という違和感こそが、作者の狙いなのではないかとも感じます。 以前拝読した作品でも感じましたが、島本理生さんの比喩表現の巧みさは唯一無二です。触れれば壊れてしまいそうな危うい関係性が、五感を刺激する瑞々しい言葉で表現されており、今回もその圧倒的な文章力には脱帽するばかりでした。 愛と呼ぶには鋭く、憐れみと呼ぶには重い。読み終えた後、自分の中にある「憐憫」という感情を、二度と以前と同じようには見られなくなる。そんな余韻を残す作品です。
島本理生さんの小説に出てくる男の人って、なぜか魅力的で読んでるこっちまで惹かれてるような感覚になる。 文章は読みやすくて話も面白いんだけど、感想を書くのが難しい。疑問は残ったまま理解出来ないところもある。
言葉一つひとつに対してしっかりと向き合い、向き合ったそれらを文章にして物語を作り出している島本理生さんの作品がどれも好き。そして、少し考えさせられるような題材を投げかけてくれるところも良いなと感じる。
文字が大きめ?でサラッと読み終えました。島本さんらしい主人公と男性陣とのやりとり、楽しく読めました。 芸能関係には興味がないのですが、この作品を読んで、色々考えさせられました。現実世界でも十分にあり得ることで、身震いしました。 有名になるって大変な事ですよね。
読み終えた後に“憐憫”の意味を調べてみた。意味が分かるとまた違った思考で考察をする事ができる。私は、沙良と柏木はお互いがお互いを哀れみ同情し合っている気がした。そして2章目は、比奈が柏木の第一印象で若干の哀れみを感じ、比奈は自分自身を哀れんでいる。“憐憫”の意味を知る前と知った後で作品の印象が変わる...続きを読む面白さを感じた。
幸せをつかんでいるはずなのに ふらっととんでっていってしまいそうな不安定さ ひとはよわいってことを改めて教えられる作品だった 真実をしってもずっと続けばいいのにとどこかで願ってしまう そんな物語だった
憐憫とは 「他人の不幸や苦しみを気の毒に思い、同情や哀れみの情を抱くこと」 読めるし聞いたことはあるけど、自分では発したことがないコトバのタイトルに惹かれて購入。 恋愛というよりは、家族への不信感から全てにおいて満たされず、周りに認められたい感情にも自らも気付けていない主人公の人間として幸せになるた...続きを読むめの通過点の部分の物語だと思った。 「そのままの自分を受け入れてくれる」人や場所は、通常一番身近な家族がほとんどであるけど、主人公の沙良も不倫相手の柏木もそうではなかったから、お互いに穴埋めするように一緒に居たのだろう。 自分達でも一緒にいる意味が理解できずに、つい恋人のようなことをぶつけてしまいやがて終わりを迎える。 一緒にいる意味=憐憫 通過点の少しの情景を浮かび上げる描き方は、さすが恋愛小説の名手だと思った。
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