松濤明の作品一覧
「松濤明」の「新編 風雪のビヴァーク」「一つのエチケット」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
学生と社会人の、登山への考え方の違いを論じた部分(p443/563 S23.7)が印象的だった。
自分で働いて(稼いでから)山に行く人間は、初めから権利の概念が強い。汽車賃だって、、、みな俺が稼いだものだ。わずかな暇を盗んで山に行くのは俺自身の努力でかちえた当然の権利だ。・・・どうしても享楽的になる。・・・楽しいということが第一になる。 (順番は逆だが)学生で親の脛を齧って山に行く奴は、山に行けば行くほど良心がとがめる。・・・せめて遊びに終わらないようにと考え、やり甲斐のある登り方、文化的意義のある登山をしようと努力する。そこに登山の進歩が生まれる。・・・(以上引用)とあった。
自分の登山も、社会人の考え方にたがわず金に物言わせてとりあえず、一日で縦走するために手段を選ばない、、というところが無きにしも非ずであり、また、仕事でも、とにかく金に物を言わせてなんとかする、、、ということが行われがちであったことに気付かされ、自分が登山で何を求めているのか、仕事で何がやりたかったのか、またそれができているのか?など、自分を見つめなおすきっかけを与えてくれた。
本書は、最後の遺書の部分があまりに有名な様だが、途中、途中で会誌などによせている寄稿文も私は多く気に入った。昭和初期の文化人というか、自由に理想を想い、観念を述べた文章が私にお気に入りとなった。