田嶋幸三の作品一覧
「田嶋幸三」の「「言語技術」が日本のサッカーを変える」「体育会系の研究 ――その強さと弱さ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
昨日は、試合が久しぶりに休校日にあたったので、大分トリニータのホームゲームを観戦してきました。対戦相手は、コンサドーレ札幌。結果は0-1…。札幌の攻撃陣の質の高さが目立った試合でした。しかし、トリニータの選手にも、何人か光る選手がいました。中でも光っていたのは、背番号33番。オレンジのスパイクの選手です。
それは、幸野志有人選手。後半途中から出場した彼のプレイは、18歳(高校3年生!)とは、思えないほど落ち着いていて、守備を攻撃をつなぐために常に最適のポジションを選択し、決定的な見事なパスを供給し、時には自ら敵陣深く切り込んでいました。彼のプレイは、そのすべてが考えられており、危機意識の低さ、相手のプレッシャーにあわてる動き、ただがむしゃらな無駄な動きはありません。よく首を振って、周囲の状況を常に把握し、チームメイトに対して、まず自分にボールを寄越せと要求する。そして、周囲の選手にもポジションを指示するなど、その高度な動きとリーダーシップは、世界水準を感じさせるものでした。彼は、この本の著者が創設した「JFAアカデミー福島」の1期生です。◆海外の選手に比べ、日本の選手は、自分で考え自分で決断することが苦手だとよく言われます。逆に、なぜ外国の選手たちは、重要な場面で、ベンチの監督を見なくとも自分だちで判断することができるのか。それは「言語技術」の違いにあると、JFAアカデミーのスクール・マスターである著者は力説します。そして、身体運動としての側面と「精神論」ばかりを重視してしまい、思考力や判断力、また、コミュニケーション能力を養成することが、日本のスポーツ教育に欠けているためだと言うのです。◆このことは、サッカーだけでなく、日本人全般に言えることです。知識偏重の「学力」ばかりを追い求め、現実社会が求める力、必要な力を養成することに未だ目覚めない、そういう教育が大半を占める中にあって、この本の示唆するところは大きいはずです。(K)
紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2008年4月号掲載