作品一覧

  • カンタヴィルの幽霊/スフィンクス

    カンタヴィルの幽霊/スフィンクス

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,078円 (税込)
    結婚を控え、手相占いに翻弄される「アーサー・サヴィル卿の犯罪」。生真面目で頑張り屋の幽霊が棲みつくお屋敷をアメリカ公使一家が買って一騒動の「カンタヴィルの幽霊」。知る人ぞ知るあの長詩「スフィンクス」ほかワイルドの短篇4作に、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家が当時のワイルドの様子を綴る「回想」を含む佳作を収録。ワイルドのことがますます、好きになる短篇集。
  • 幸福な王子/柘榴の家

    幸福な王子/柘榴の家

    小説・文芸

    4.1
    1巻968円 (税込)
    町の中心部に高く聳え立ち、自らの宝石や体を覆っている金箔を貧しい人々に差し出す王子像とそれを運ぶ燕。王子のひたむきな愛と思いやりを描く「幸福な王子」ほか、恋する学生に身を捧げる「小夜啼き鳥と薔薇」、わがままな男と子どもたちとの交流を描く「身勝手な大男」、愛の行きつく果てを示す「漁師とその魂」など全9篇収録。大人のために訳したビターな味わいのワイルド童話集。
  • まじめが肝心/レイディ・ウィンダミアの扇

    まじめが肝心/レイディ・ウィンダミアの扇

    小説・文芸

    4.5
    1巻1,408円 (税込)
    夫の不倫を疑う妻の誕生日の舞踏会に、夫がその相手だと疑われている女性を招待しようとするところでこじれる『レイディ・ウィンダミアの扇』。『まじめが肝心』は、若いアルジャノン・モンクリーフとその友人ジョン・ワージングという二人の仲の良い紳士が互いに牽制しあいながら、それぞれの恋を進展させようとするが……。『まじめが肝心』は「ノーカット四幕の完全版」を、初演・初版時との異同がわかる体裁で本邦初訳。

ユーザーレビュー

  • まじめが肝心/レイディ・ウィンダミアの扇

    Posted by ブクログ

    アーネストくんには秘密があった。それは素性を偽っていること。友達のアルジャーノンにはそれでイジられるし、大好きなグウェンドリンと結婚できるかわからない…さあどうなるアーネストくん!

    元々この話を英語で読んでて大好きだったので、日本語で正しく読むとどうなるか楽しみ半分不安半分だったけど、結論としてはやっぱり面白かった!この本には削られたシーンも入ってて興味深かった。やっぱりいい物語だ!
    レイディウィンダミアも初めて読んだけど、レイディウィンダミアが可愛かった♪

    0
    2026年07月19日
  • 幸福な王子/柘榴の家

    Posted by ブクログ

    どの作品も「死を持って結末を優美に飾る」という特徴があり、他にも「王族を題材にしがち」というワイルドの傾向があるように思える。

    聖書の教訓をドラマチックに表現しているようにも見えるし、一方で、キリスト教を間接的に批判しているようにも思えてくる。

    0
    2024年11月27日
  • 幸福な王子/柘榴の家

    Posted by ブクログ

    693

    275P

    オスカーワイルド
    オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド。アイルランド出身の詩人、作家、劇作家。耽美的・退廃的・懐疑的だった19世紀末文学の旗手のように語られる。多彩な文筆活動を行ったが、男色を咎められて収監され、出獄後、失意から回復しないままに没した。

    幸福な王子/柘榴の家 (光文社古典新訳文庫)
    by ワイルド、小尾 芙佐
    だれだって耳に快いことをいって相手をよろこばせたり、お世辞をいったりすることはできるがね、真の友というものは、ずけずけと不愉快なことをいって、相手に苦痛をあたえようが気にしないものだ。いやいや、ほんとうに真の友ならば、すすんでそうするだろうよ、だって自分はよいことをしているとわかっているんだ

    おまえは下層階級の出だな。わたしのように身分の高いものは、役に立つというようなことはありえないのさ。すでに十分すぎるくらいの業績というものがあってね。どんな形であれ労働というものには、なんの共感も抱かないね、とりわけ、おまえが 薦めるらしい労働にはね。重労働とは、することがないものたちの単なる逃げ場にすぎないというのがわたしの持論

     しかしながら花たちは、蜥蜴たちの態度を、そして鳥たちの態度もたいそう忌み嫌っていた。「まったくなあ」と花たちはいった。「あんなふうにばたばた走りまわったり飛びまわったりするのは、品位をおとすだけだよ。育ちのいいものは、わたしらのように、同じところにじっとすわっているものさ。わたしたちが小道をぴょんぴょん跳ねまわったり、 蜻蛉 を追いかけて芝生を勢いよく走っているところを、見たものはあるまい。わたしたちは気分を変えたいと思えば、庭師を呼ぶ、庭師が別の花壇に連れていってくれるのさ。これこそ品位ある振る舞いで、そうあるべきなんだよ。だが鳥や蜥蜴には静寂を愛する心がない、そもそも鳥たちには、一生定まった住所というものがないのさ。やつらはロマみたいな放浪者なんだから、ロマと同じに扱われてとうぜんだね」そういうと花たちはつんと鼻先を宙に突きだし、いかにも 傲慢 そうな 面 つきになったが、しばらくして、侏儒が芝生からよたよたと起き上がり、 段庭 を横切って、宮殿のほうにいくのを見ると大よろこびだった。

     ようやく真実を悟ったとき、かれは烈しい絶望の叫びをあげ床にうちふしてすすり泣いた。できそこないの、背中がまがった、見るもおぞましい奇怪ないきものはおれだった。おれ自身が怪物だったんだ、子どもたちが嘲笑っていたのはおれだったんだ。愛してくれているとおもっていたあのかわいいインファンタ――あのひとも、おれの醜さを嘲笑っていただけ、そしてねじまがったおれの脚をからかっていただけなんだ。どうして森のなかにほうっておいてはくれなかったんだ、こんな忌まわしい姿を映しだすものなんかないところに。父さんはどうしておれを殺してはくれなかった、おれを売って恥をかかせるくらいなら? 熱い涙が頰をつたい、かれは薔薇の花をおもいきりひきちぎってやった。手足をぶざまに投げ出した怪物も同じようにして薄い花びらを宙にまきちらした。そいつは床に 這いつくばり、かれがそいつを見ると、そいつは苦痛で顔をひきつらせてかれを見た。そいつを見なくてすむように、かれは両手で目をふさいで後じさりした。傷ついたもののようにかれは影のなかへ這いこむと、そこに横たわったまま、うめき声をあげた。

     星の子はかれらにこう答えた。「ぼくは王さまの息子じゃない、貧しい女乞食の子どもですよ。それになんでぼくのことを美しいなんていうんです、こんな醜い顔をしているのに?」  黄金の花を象嵌した鎧を着て、翼をもつ獅子をいただく兜をかぶった兵士が楯を高くかかげて叫んだ。「美しくないと、わが君はなぜ仰せられるのですか?」

     現在ではハンセン病と表記しますが、作品成立当時の時代背景、及び聖書との関連で物語を設定していること等に鑑み、当時の呼称を用いました。これらの差別的表現は、当時の社会的状況と未成熟な人権意識に基づくものですが、それが今日ある人権侵害や差別問題を考える手がかりとなり、ひいては作品の歴史的・文学的価値を尊重することにつながると判断したものです。差別の助長を意図するものではないということを、ご理解ください。

    幸福な王子/柘榴の家 (光文社古典新訳文庫)
    by ワイルド、小尾 芙佐
    だれだって耳に快いことをいって相手をよろこばせたり、お世辞をいったりすることはできるがね、真の友というものは、ずけずけと不愉快なことをいって、相手に苦痛をあたえようが気にしないものだ。いやいや、ほんとうに真の友ならば、すすんでそうするだろうよ、だって自分はよいことをしているとわかっているんだ

    おまえは下層階級の出だな。わたしのように身分の高いものは、役に立つというようなことはありえないのさ。すでに十分すぎるくらいの業績というものがあってね。どんな形であれ労働というものには、なんの共感も抱かないね、とりわけ、おまえが 薦めるらしい労働にはね。重労働とは、することがないものたちの単なる逃げ場にすぎないというのがわたしの持論

     しかしながら花たちは、蜥蜴たちの態度を、そして鳥たちの態度もたいそう忌み嫌っていた。「まったくなあ」と花たちはいった。「あんなふうにばたばた走りまわったり飛びまわったりするのは、品位をおとすだけだよ。育ちのいいものは、わたしらのように、同じところにじっとすわっているものさ。わたしたちが小道をぴょんぴょん跳ねまわったり、 蜻蛉 を追いかけて芝生を勢いよく走っているところを、見たものはあるまい。わたしたちは気分を変えたいと思えば、庭師を呼ぶ、庭師が別の花壇に連れていってくれるのさ。これこそ品位ある振る舞いで、そうあるべきなんだよ。だが鳥や蜥蜴には静寂を愛する心がない、そもそも鳥たちには、一生定まった住所というものがないのさ。やつらはロマみたいな放浪者なんだから、ロマと同じに扱われてとうぜんだね」そういうと花たちはつんと鼻先を宙に突きだし、いかにも 傲慢 そうな 面 つきになったが、しばらくして、侏儒が芝生からよたよたと起き上がり、 段庭 を横切って、宮殿のほうにいくのを見ると大よろこびだった。

     ようやく真実を悟ったとき、かれは烈しい絶望の叫びをあげ床にうちふしてすすり泣いた。できそこないの、背中がまがった、見るもおぞましい奇怪ないきものはおれだった。おれ自身が怪物だったんだ、子どもたちが嘲笑っていたのはおれだったんだ。愛してくれているとおもっていたあのかわいいインファンタ――あのひとも、おれの醜さを嘲笑っていただけ、そしてねじまがったおれの脚をからかっていただけなんだ。どうして森のなかにほうっておいてはくれなかったんだ、こんな忌まわしい姿を映しだすものなんかないところに。父さんはどうしておれを殺してはくれなかった、おれを売って恥をかかせるくらいなら? 熱い涙が頰をつたい、かれは薔薇の花をおもいきりひきちぎってやった。手足をぶざまに投げ出した怪物も同じようにして薄い花びらを宙にまきちらした。そいつは床に 這いつくばり、かれがそいつを見ると、そいつは苦痛で顔をひきつらせてかれを見た。そいつを見なくてすむように、かれは両手で目をふさいで後じさりした。傷ついたもののようにかれは影のなかへ這いこむと、そこに横たわったまま、うめき声をあげた。

     星の子はかれらにこう答えた。「ぼくは王さまの息子じゃない、貧しい女乞食の子どもですよ。それになんでぼくのことを美しいなんていうんです、こんな醜い顔をしているのに?」  黄金の花を象嵌した鎧を着て、翼をもつ獅子をいただく兜をかぶった兵士が楯を高くかかげて叫んだ。「美しくないと、わが君はなぜ仰せられるのですか?」

     現在ではハンセン病と表記しますが、作品成立当時の時代背景、及び聖書との関連で物語を設定していること等に鑑み、当時の呼称を用いました。これらの差別的表現は、当時の社会的状況と未成熟な人権意識に基づくものですが、それが今日ある人権侵害や差別問題を考える手がかりとなり、ひいては作品の歴史的・文学的価値を尊重することにつながると判断したものです。差別の助長を意図するものではないということを、ご理解ください。

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    2024年10月11日
  • 幸福な王子/柘榴の家

    Posted by ブクログ

    確かに大人向けの物語ばかりだ。
    他の童話のように教訓めいていない。
    利他的に生きても決して報われることはない、唯一の救いが神の祝福を受けること。単純に道徳的でないところがワイルドらしいところかな。

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    2024年05月18日
  • 幸福な王子/柘榴の家

    Posted by ブクログ

    西村孝次訳で慣れ親しんできたワイルドの童話、今回小尾芙佐訳で読んでみたけど、なかなか良かった。
    ワイルドの童話、というより小説も含めてワイルドの文章はやたらに装飾が多い。
    その割にはゴテゴテしてなくて、モノクロの映画か影絵芝居を見ているような気にさせられる。

    0
    2017年06月21日

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