作品一覧

  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか
    3.2
    1巻858円 (税込)
    現在、世界は未曾有の繁栄を享受する一方で、歴史上かつてない膨大な飢餓人口をかかえている。しかも、第一次産業への就業率の高い国ほど食糧事情が悪化し、都市化した国ほど飽食するという傾向は顕著である。食糧を消費する側の都市より生産する側の農村が飢えに苦しむというパラドックスはなぜ生じるのか。本書は、食糧という人類の根源的課題を軸に、権力の鏡としての都市の可能性と役割を斬新な視角から問い直す試みである。
  • 都市と権力(現代自由学芸叢書) 飢餓と飽食の歴史社会学
    値引きあり
    -
    1巻2,612円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 都市は食糧生産を行なわないにもかかわらず、農村よりも飢餓が少ないのはなぜか? この大胆な仮説から、都市の成立根拠を権力に求め、複雑きわまりない都市現象のなかから、都市の理念型を描きだし、都市の理論を根本から重層的に構想する本書は、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人々がより安全で快適な生活を営むために生み出されてきたはずの権力は、人々の生活を保障すると共に支配するという二つの働きを合わせもつものである。権力によって作り出される多種多様なルールから、古今東西の数千年にわたる都市の歴史を読みとって、雄大な〈飢餓と飽食〉に歴史社会学を展開する著者は、その豊かな想像力によって既存の社会科学を突破して、21世紀の魁然たる社会理論を提唱する。 【目次より】 まえがき 第一章 都市と文明 第一節 人類の発展と都市 第一項 都市の表情 第二項 歴史の都市・現代の都市 第二節 都市と農村のバラドックス 第一項 飽食と飢餓 第二項 パラドックスとしての都市と農村 第二章 都市の概念と論理 第一節 都市の概念 第一項 さまざまな都市概念 第二項 都市概念の二重性 第二節 都市の論理 第一項 都市と食糧 第二項 権力と統合機関 第三節 都市とコミュニケーション 第一項 権力と支配 第二項 都市と交通 第三章 都市と国家 第一節 都市の権力と国家 第一項 政治権力と都市 第二項 国家権力の形態と展開 第三項 政治権力の重層性と都市 第二節 権力と正統性 第一項 社会と秩序 第二項 国家と宗教 第三項 正統性と犠牲 第三節 都市と民衆 第一項 権力と秩序 第二項 食糧の生産と分配 第三項 国家と食糧 第四節 都市の論理と国家の論理 第一項 首都と国家 第二項 都市と民衆 第三項 首都の警備 第四章 都市と文化 第一節 文化と支配 第一項 権力と文化 第二項 文化と管理 第二節 象徴としての都市 第一項 意味世界と都市 第二項 都市とシンボル 第三節 劇場都市・劇場国家 第一項 みせびらかしの権力 第二項 秩序と無秩序 第三項 都市と犠牲 第四節 文化の頗廃と都市 第一項 都市の病理 第二項 分離と集権 第五章 人間と都市 第一節 都市の論理と国家 第一項 中心と周辺 第二項 国家と〈都市 農村〉 第二節 都市と人間 第一項 文化と交換 第二項 都市の論理と人間 注 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 藤田 弘夫 1947~2009年。社会学者。慶應義塾大学文学部教授。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科博士課程修了社会学博士。専門は、都市社会学、地域社会学、社会学史。 著書に、『日本都市の社会学的特質』『都市と国家』『都市と権力『都市の論理』『人間は、なぜ都市を作るのか』『奥井復太郎 都市社会学と生活論の創始者』『都市と文明の比較社会学』『路上の国柄 ゆらぐ「官尊民卑」』『社会学の学び方・活かし方』(共著)など、 訳書に、E・ミンジオーネ『都市と社会紛争』などがある。

ユーザーレビュー

  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    現在、世界は未曾有の繁栄を享受する一方で、歴史上かつてない膨大な飢餓人口をかかえている。
    しかも、第一次産業への就業率の高い国ほど食糧事情が悪化し、都市化した国ほど飽食するという傾向は顕著である。
    食糧を消費する側の都市より生産する側の農村が飢えに苦しむというパラドックスはなぜ生じるのか。
    本書は、食糧という人類の根源的課題を軸に、権力の鏡としての都市の可能性と役割を斬新な視覚から問い直す試みである。

    [ 目次 ]
    序章 都市と人類の発展―人間の鏡としての都市
    第1章 都市とは何か―都市と権力の概念と論理
    第2章 都市の建設―都市形成の論理と権力
    第3章 都市の威容―舞台として

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    2011年04月06日
  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか

    Posted by ブクログ

    都市に関する一般向けの書としてはそれほど新しいわけではないが、権力の網の目と我々が生活しそれに依存し享受している都市との関係を、多様なエッセンス、雑学を交えながら考察して行く一冊。
    主題は、都市が、都市への食糧供給を可能にし、また未来にも安全と生活を保証しうるもの、つまり権力によって成り立っているということである。
    切り口は面白いが、話があっちゃこっちゃいく。著者は話し上手なんだろう、なんの話をしてるのかわからないような論の進め方でも、楽しく読める。

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    2012年11月12日
  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか

    Posted by ブクログ

    都市の対極は農村である。それは農業従事者とそれ以外の民の境界線でもある。歴史的に農村は飢えることはあっても、都市は飢えることがない。単純には農村が食料を生産し、都市は生産しないのであるから、先に飢えるのは都市であると考える。しかし、都市はただの家屋や商業の集積場ではない。それは権力の集積場である。

     政治権力(軍隊)、宗教権力(寺社)、商業権力(問屋)などは、権力の拠り所として都市を必要とし、都市は権力を拠り所にして存在が可能になる。権力の集積場である都市は農村に対してさえ、その食料を政治的宗教的商業的に強制して徴収することが可能になる。

     世界レベルでも、第一次産業従事者の割合が高い国ほ

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    2012年04月29日
  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか

    Posted by ブクログ

    かつて城壁によって都市が守られていた時代から、現代における国境が作り上げられる時代に至るまでの変遷や、都市と農村との関係についてダイレクトな表現によって書かれている部分が興味深い。

    また都市において農村で作られた野菜などが、どのように人々によって処理されていくのかといった流れについても、都市の悲しい実情が記されている。

    しかし読む人の立場によっては、非常に辛い内容の箇所がいくつか見られるかもしれない。

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    2012年01月08日
  • 都市の論理 権力はなぜ都市を必要とするか

    Posted by ブクログ

    都市と農村の関係は切っても切れない。

    都市では食物を生産していないにもかかわらず、飢餓が生じないのはなぜか。それは、農村で生産されたものが都市へと流れてきているためである。農村からそのように都市へと流通しているのは、農村が都市によって形成されたものであることに要因がある。農村が農村足りえるのは、都市という存在がある為である。

    都市は農村から食物を搾取するものであり、そうした面で権力を有しているといえる。ただ、権力論で見るように、権力にも様々な形が存在する。都市が有している権力は、暴力的側面ではなく、同意の側面のものである。農村は、都市に搾取されることに同意しているのである。都市有する権力の

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    2010年05月27日

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