作品一覧

  • 流れゆく日々 サイデンステッカー自伝
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    1巻2,464円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫など文豪たちの素顔!日本文学の翻訳・研究者として著名な筆者は、語学将校として第二次大戦を体験、日本の戦後処理にもあたった。のち日本文学研究に没頭する。その半生、そして文豪たちとの交流を描く。

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  • 谷中、花と墓地
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    「どの国においても、墓地は美しい。東京の墓地も例に漏れない。しかし、私の見た限りでは、ほかの国では見られない特色がいくつかある。第一は、花の季節になると町中でもっとも賑やかな場所となることである。まるで盛り場。死者と生者が交流して花を楽しんでいるといった感じである。日本人ではないから、これは神道の影響であるといった差し出がましいことは言えないのであるが、なにかそういう関連があるような気がする。アメリカの開拓時代にも、亡くなった者を裏庭に埋葬する習慣があった。幾分似ているような気がする。とにかく桜の花の満開の時は、賑やかな谷中墓地は独り歩きに理想的な場所であった。…………町を散歩するとき、昔から金のたっぷりある界隈よりあまり裕福でない所の方が好きである。谷中の墓地の中でもっとも惨めな墓は、高橋お伝のものであろう。墓地の端っこの公衆便所のそばで今にも滑ってなくなりそうな感じである。私はここが大好きで、側に立ってお伝の顔を想像して、ご苦労さまと言いたくなる」東京は湯島に住みなして、三社祭の見世物化を憂い、四季の桜・藤・朝顔を愛でながら、浮世を眺め暮らす。古今の日本文化を味得したアメリカ生まれの文人による極上の随筆34篇。

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ユーザーレビュー

  • 谷中、花と墓地

    Posted by ブクログ

     親しい人からは「サイデンさん」と呼ばれていたそうだ。通常は英語で書かれた文章を日本語に翻訳依頼していた原稿も、このエッセーは身辺雑記でありタウン誌に連続掲載されるものなので、サイデンさんの日本語文章なのだ。そのたっぷりとした成熟した文体は魅力的。川端先生、三島先生と丁寧な言葉使い。そして最も尊敬するのは紫式部先生で愛しているのは荷風先生だとか。
     東京の下町に暮らし隅田川を好み、日本の春から夏に至る梅・桜・藤・菖蒲を愛でた人。谷中墓地や上野の忍ばすの池を散歩し喫茶店で読書、夕方には一杯やる。
    なんだか粋な下町の紳士ぶりが眼に浮かぶ。愛猫花子の描写も楽しい。日本文化の紹介者として多大な功績のあ

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    2009年10月07日

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