思春期を迎えた男子中学生のように力をもてあましている中国。経済成長の影で、貧富の格差などアンバランスな一面が見えるなど話題には事欠かない。そんな中国の現代を「解体」して見せているのがこの1冊。
貧富の格差で、お金持ちの家に生まれた「富二代(フアルダイ)」、高級官僚を親に持つ「官二代(ブォンアル
...続きを読むダイ)」と、「貧二代(ピンアルダイ)」という貧しさを受け継いだ2代目が出てきた。日本とは違って想像を絶する差がある。北京オリンピックの時に貧困層が住んでいるところを外国のメディアが取材できないようにしたり、住人を強制退去させたりしている映像を見ると本当に同じ中国とは思えなかった。まさに弱肉強食の世界が繰り広げられている。
中国でも「婚活」があり、「婚活族」がいる。元をたどると、「婚活時代」という山田昌弘と白河桃子が書いた著書が中国語で翻訳されて出版されて、「婚活」が知られるようになったところから来ている。結婚することが目的と言う人は日中問わず多い。しかし、結婚することがゴールだとするとその後はどうなるのかとはてなマークが浮かんでくる。受験を終えて志望校に入学した学生のように燃え尽き症候群になるのではないかと心配だ。
モクモク羊の場合「婚活」よりも、「豚活」と「シュー活」の方がいい。「豚活」はもちろん、豚肉を食べる活動で、「シュー活」はシュークリームを食べる活動だ。「婚活」よりも甘く、食べても安全だからなあ。猛女という毒にあたる確率が低い。
中国では、愛人として囲っている妾のことをアルナイ(漢字では二奶)と呼ぶ。中国の愛人は、アルバイト感覚なのかと思ってしまう。中国の男性にとって愛人を持つことはステータスシンボルだそうだ。愛人村(アルナイツォン、漢字では二奶村)まであるとは驚き。隣近所で「あの人は何々さんの愛人よ」なんて噂話に花を咲かせているのかな。とはいっても愛人稼業も楽ではないだろうなあ。
言葉から見えてくる現代中国。色々な事が垣間見えて面白いなあ。語学好きのモクモク羊としてはなかなか興味深い1冊であった。