名奉行「遠山の金さん」の実像に迫る。新史料が明かす幕臣一家の日常生活とは。複雑な親子関係、桜吹雪の入れ墨、遠山裁き、持病、水野忠邦・鳥居耀蔵との対立、晩年の暮らし。(2008年刊)
・序 章 二人の金さん
・第一章 監察官遠山景晋
・第二章 複雑な親子関係
・第三章 裁判官遠山景元
・第四章 晩年の
...続きを読む金さん
・終 章 金さんの名声
桜吹雪で有名な名奉行遠山の金さんですが、その実像はあまり知られていません。本書は新史料により金さんの実像に迫ったものです。その「急流勇退」(能吏でありながら引き際が鮮やか)の人生は現代のサラリーマンも見習うべき事が多いと思います。また、旗本の生活がうかがえて面白いです。本書を読めば時代劇を観るときにより一層楽しめます。
【平成27年9月6日 再読】
意外と忘れているものだなーと実感する。あるいは、初読以降の読書の結果、これまで気付かなかった点に気付いたということか。
藤田著を読んで、将軍家慶の信任が厚いと感じたのだが、西丸小納戸を振り出しに、小納戸頭取まで約10年勤め、世子であった家慶に近侍していたことがわかる。また、奉行所与力などの下僚からの信任が厚いこともわかる。第1章では、父景晋の事績について、詳しく解説されている。