山野海の作品一覧

「山野海」の「平行と垂直」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 平行と垂直

    平行と垂直

    小説・文芸

    3.9
    1巻689円 (税込)
    自閉スペクトラム症の兄・大貴と幼い頃から彼を支えてきた妹の希。母を早くに亡くし、父が再婚したため、ずっとふたりで生きてきた。几帳面でこだわりの強い大貴は、全てを平行と垂直に並べたい。週一度の希との食事の時間は19時ぴったりで、1分でも過ぎると落ち着かない。このふたりの生活がずっと続くと思っていたが、希に結婚話がもちあがり……。 本作は、同名映画の脚本家自らが書き下ろした小説。

ユーザーレビュー

  • 平行と垂直

    Posted by ブクログ

    こんなに楽しくてあたたかくて泣ける物語は久しぶりでした。わたしは多々ある小説の中の大阪弁が少し苦手ですが、この物語では、それが更にあたたかさや優しさを加えていると思いました。自閉症の兄と妹の明るく楽しいやりとりと、その2人の周りの素敵な人々。そして2人をずっと見届けている母。これから始まる映画のキャストも原作にぴったりと思います。
    ただ、映画館で見るにはハンカチが何枚必要でしょう。

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    2026年08月22日
  • 平行と垂直

    Posted by ブクログ

    自閉スペクトラム症の兄と共に歩んできた妹との物語。

    障害のある人の「きょうだい」が抱える思いや心配事は、決して特別な家庭だけにあるものではない。身の回りにも当たり前に存在していることなのだと思う。

    本作では、とりわけ妹の結婚をきっかけに、それまでの日常の中では見えにくかった問題が浮かび上がってくる。自分自身の人生を歩んでいくことと、兄とのこれからを考えること。そのどちらか一方だけを選べばよいわけではないからこその苦しさがあった。また、本人や家族が置かれている状況について、周囲からなかなか理解を得られない現実にも胸が詰まった。

    それでも、この物語を読んで最も心に残ったのは、兄妹の関係だった。

    もちろん簡単なことばかりではない。それでも二人のやり取りには、長い時間を一緒に過ごしてきたからこその距離感と愛情がある。その関係性がとても素敵で、何度か涙が出た。これから先、それぞれに新しいライフステージが訪れても、きっと二人なりの形で向き合い、乗り越えていくのだろうと思えた。

    そして改めて感じたのは、特性のある人にとって、「どんな人と出会えたか」ということの大きさである。特性そのものだけで人生が決まるわけではない。理解しようとしてくれる人、自然に関わってくれる人、必要なときに支えてくれる人との出会いによって、生きる世界の広がり方は大きく変わるのだと思う。

    題名の『平行と垂直』も、単に特性によるこだわり行動を示すだけではなく、人と人との関係を思わせる言葉としても意味が込められているように感じた。

    苦しさも描きながら、それ以上に兄妹の間に積み重なってきたものの確かさを感じる一冊だった。映画化もされるとのことで、映像ではこの兄妹がどのように描かれるのか楽しみにしたい。

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    2026年08月11日
  • 平行と垂直

    Posted by ブクログ

    ​自閉スペクトラム症を抱える兄・大貴と、彼を支える妹の希。若くして母親を亡くし、父親の再婚を経て、ずっと二人きりで肩を寄せ合うように生きてきた兄妹の物語です。そんな二人の穏やかな日常に、希の「結婚」という人生の転機が訪れたことで、これまでの生活に新たな変化が訪れ始めます。

    ​作中で自閉スペクトラム症についての描写を具体的な言葉として追うことで、これまで自分の中でどこかあやふやだった認識の解像度が上がり、ハッとさせられるような多くの学びがありました。

    ​障害を持つ家族と共に生きる日々は、決して綺麗事だけで語れるものではありません。現実的な苦労や負担、そして先の見えない未来への不安に思い悩み、立ち止まってしまうことも当然あるはずです。

    しかし、周囲に登場する人々も心優しい人物ばかりで、読み進めるうちに自然と心が温もっていきます。
    ​そして何より胸を打つのは、揺るぎない二人の兄妹愛です。自分の思いを上手く表現できない不器用な兄と、言葉がなくともその奥にある確かな愛情を全身で受け止めている妹。二人の間にだけ通じ合う確かな絆に、思わずグッとくるものがありました。

    ​厳しい現実の重みをしっかりと描きながらも、読後には「きっと彼らには明るく幸せな未来が待っている」と信じさせてくれる、希望に満ちた温かさに包まれる一冊です。

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    2026年10月07日
  • 平行と垂直

    Posted by ブクログ

    某番組で推しが原案・脚本に惚れ、企画し映画化に至ったと語っていた。
    ならば読んでみようと手に取り、そして泣いた。
    支え合う難しさ 思いやる心 理解と見守り
    社会支援を利用しながら懸命に生きるそれぞれの姿
    好みの本でした!

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    2026年10月03日
  • 平行と垂直

    Posted by ブクログ

    映画を観たあとで。脚本家によるノベライズなので忠実なのは当然だけど、ところどころに挟まる今は亡き母がずっと見守ってるよ、というモノローグが良い。自閉スペクトラム症の大貴と二人で生きてきた妹の希。平行と垂直とは几帳面な大貴がなんでもかんでも向きを揃えてしまうことだけど、それ以外にも人と人との関係のことも含んでいるような気がした。

    0
    2026年09月23日

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