あらすじ
自閉スペクトラム症の兄・大貴と幼い頃から彼を支えてきた妹の希。母を早くに亡くし、父が再婚したため、ずっとふたりで生きてきた。几帳面でこだわりの強い大貴は、全てを平行と垂直に並べたい。週一度の希との食事の時間は19時ぴったりで、1分でも過ぎると落ち着かない。このふたりの生活がずっと続くと思っていたが、希に結婚話がもちあがり……。 本作は、同名映画の脚本家自らが書き下ろした小説。
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Posted by ブクログ
これ映画館で見たら絶対ガチで泣くやつじゃん!あの「全米が泣いた」みたいな派手なやつじゃなくて、じわじわと涙腺が決壊するタイプのやつ。
自閉スペクトラム症の兄・大貴と、彼を支えてきた妹・希の日常を描いた物語。
「大切な人の心の声が聞きたかった」
「兄の世界をこわしたくなかった」
「兄らしくしたい、自分は一人でも大丈夫だよ」と、声なき言葉で伝えようと努力した大貴。
いつしか、お互いを思い合っているはずの
善意のルーティンが、相手を縛る残酷な呪縛になっていく……。
この誰も悪くないすれ違いが、本当に切ない。
でも、大貴の「兄らしくいたい」という必死な声なきアピールが、希の『支えてあげている』という思い込みは傲慢だったんだと気づかせてくれる。
100%分かり合えないかもしれない。
でも、だからこそ2人は支える、支えられる
ではなく、「対等な一人の人間」として向き合えたんだと思う。
そして、この兄妹愛がなんとも愛おしい。
お涙頂戴のジメジメしたトーンになりがちなテーマだけど、希の口調がカラッとしているからこそ、逆にその葛藤が胸にグサグサと刺さる。
ラストの2人の姿と「おあいこ」という言葉が心に残る。今までの2人の道のりを回想させ、『マッティニー』を楽しそうに歌う2人の姿が目に浮かんできて止まらない。
8月に安田章大さんとのんさんで映画化されるらしいけど、これ絶対映画館で見たら涙腺やられる。100%泣くだろ!公開前に原作を読めて本当に良かった。