「経営戦略論」は、ポーターがいて、バーニーがいて、ミンツバーグがいるんだね、というところで、分かった気になって、長らく放置していたジャンルなのだが、先日、沼上さんの「経営戦略の思考法」を読んで、刺激を受け、いろいろ乱読中。
というなかで、今のところ、一番面白くて、情報の凝縮度が高く、しかもわかりや
...続きを読むすかったのが本書。全くの初心者は難しいかもだが、入門書を読んだあと、2冊目か、3冊目に読むとかなり効率的に経営戦略の全貌がわかるんじゃないかと思う。
ミンツバーグが、経営戦略を10のスクールに分けたのに対して、沼上さんは、5つ、つまり、「戦略計画学派」「創発戦略学派」「ポジショニング・ビュー」「リソース・ベースト・ビュー」「ゲーム論的アプローチ」に整理して、かなりスッキリした。
この本では、さらに、「ポジショニング・アプローチ」「資源アプローチ」「ゲームアプローチ」「学習アプローチ」に整理。これが本当にスッキリですね。
個人的には、「学習アプローチ」が4つの分類の1つに位置付けられて、ちょっとうれしい。といっても、私自身は、「学習する組織」とかは、あまり戦略論とは思ってなかったんだけど、そういう観点にたてば、一種の戦略論ということもできるな。
個別の具体的な戦略オプション、つまり、コストリーダーシップとか、差別化戦略とか、垂直統合とか、国際戦略とか、そういうことの説明は、あまりない。まあ、これやり出すと本の厚みが一気に2倍以上になるだろうしね。
この本は、あくまでも経営戦略論の「考え方」の根っこをしっかり理解し、自分の頭で考え始めるためのものである。