半導体の製造は一国で完結しない
半導体は、設計、製造装置、材料、前工程、後工程、検査、実装までを1社・1国で全部まかなう産業ではありません。たとえば、回路設計は米国企業が強く、前工程の受託製造は台湾や韓国が強く、製造装置や素材は日本・米国・欧州の比重が高い、というように国際分業で成り立っています。SIAも、半導体は設計から製造まで多段階のサプライチェーンで成り立つと説明しています。
日本の2nm・Rapidus計画
Rapidusは、日本で2nm世代の先端ロジック半導体の量産を目指している企業です。北海道千歳市に拠点を整備し、設計支援から前工程・後工程までを一体で提供する新しいファウンドリーモデルを打ち出しています。公式発表では、2027年に2nmロジック半導体の量産を目指すとされています。なので、「日本2Nmのラビダス計画」は、より自然には 『日本で2nm世代先端ロジック半導体の量産を目指すRapidus計画』 と書くと伝わりやすいです。
ダイオード
ダイオードは、電流を基本的に一方向に流しやすい性質を持つ、最も基本的な半導体素子の一つです。整流、保護、検波、発光などに使われます。たとえば電源回路では交流を直流に変える整流用途、LEDでは発光用途に使われます。分類としては、ダイオードはICではなく、ディスクリート半導体に入れるのが一般的です。
トランジスタ
トランジスタは、電気信号を増幅したり、オン・オフのスイッチとして動作したりする素子です。現代の電子機器では、CPUやメモリの中にも膨大な数のトランジスタが入っていますが、単体部品として売られるトランジスタ自体は、ダイオードと同様にディスクリート半導体に分類されます。説明資料では、「増幅」「スイッチング」 の2語を押さえておけば十分です。
IC(集積回路)
ICは、トランジスタなどの多数の素子を1つのチップ上に集積した回路です。代表例は、ロジックIC、メモリIC、マイクロプロセッサ、アナログICなどです。ロジックICは演算や制御、メモリICはデータ保存を担います。つまり、ダイオードやトランジスタが“部品単体”寄りなのに対して、ICは複数の機能をまとめて持つ高機能な回路部品です。
非IC
ここは「非IC」とだけ書くより、ディスクリート、センサ、オプトエレクトロニクス と分けた方が分かりやすいです。ディスクリートにはダイオードやトランジスタ、オプトエレクトロニクスにはLEDや受光素子などが入ります。センサは、光・温度・圧力・加速度などを電気信号に変換する用途で使われます。つまり非ICとは、集積回路以外の半導体デバイス全般をざっくり指す言い方ですが、資料では中身を分けて書いた方が親切です。
設計
半導体は、まず何を実現するチップなのかを決め、回路やレイアウトを設計するところから始まります。性能、消費電力、面積、コスト、用途を考えながら設計し、その設計データをもとに製造へ進みます。半導体産業では、この設計段階自体が大きな付加価値を持ちます。
前工程
前工程は、シリコンウェハ上に微細な回路を作り込む工程です。成膜、露光、エッチング、イオン注入、洗浄などを何度も繰り返して、ウェハ上に膨大な数のトランジスタや配線を形成します。いわば、半導体の“中身”を作る工程です。前工程は特に設備投資額が大きく、技術的な難易度も高い領域です。
後工程
後工程は、前工程で回路を形成したウェハをチップごとに切り出し、パッケージ化し、検査する工程です。ダイシング、実装、封止、最終テストなどが含まれます。ここで製品として使える形に仕上げます。近年は、チップレットや先端パッケージングの重要性が上がっており、後工程の価値も大きくなっています。
資料にそのまま載せるなら、次の形がきれいです。
半導体の概要
半導体の製造は一国で完結せず、設計・材料・装置・前工程・後工程が国際分業で成り立っている。日本ではRapidusが、2nm世代の先端ロジック半導体の量産を2027年に目指している。
半導体の主な種類
ダイオード:電流を一方向に流す素子
トランジスタ:増幅やオン・オフ制御を行う素子
IC:多数の素子を1チップに集積した回路。ロジックIC、メモリICなど
非IC:ディスクリート半導体、センサ、オプトエレクトロニクスなど
主な工程
設計
↓
前工程(ウェハ上に回路形成)
↓
後工程(切断・実装・封止・検査)