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「山﨑裕侍」の「償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山﨑裕侍」の「償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
1989年に綾瀬で起きた凄惨な事件。史上最悪の少年犯罪ともいわれる。
この本は事件そのものについてはあまり触れていない。事件後の加害者たちがどんな人生を送っているのか、彼らは更生したのか、加害者が被害者に償うというのはいかなることなのか──そういうことが書かれている。
この事件を起こした元少年たちは高校に行かず、自宅にも帰らず、仲間の家に入り浸り、日常的に窃盗や強姦を行っていた。やんちゃなんてレベルじゃない。凶悪な犯罪者が野放しになっていたようなものだ。だからこの事件は起きるべくして起きたものという気がする。監禁場所となったCの家では母親が被害者の存在を知っていながら、救助も通報もしなかった。加害者らが通う高校でも少女を監禁しているらしいと噂になりながら誰も通報していない。
加害者らはみな困難な家庭環境で育っている。『令和元年のテロリズム』に出てきた三人も過酷な環境で育っていたのが思い出される。もちろん、困難な家庭環境で育っても犯罪と無縁に生きていく人が大多数だとわかってはいるけれど、生育環境がその後の人生に与える影響は大きい。とくに準主犯格Bの母親は、出所してIT企業で働き始めた彼に暴力団関係者を紹介して更生を妨げたり、著者のインタビューにも噛み合わない受け答えしかできないなど問題が多く、読んでいて空しい気持ちになった。
現在では彼らも50代。6人のうち3人が再犯し、1人は引きこもり、2人はすでに死んでいる。主犯格のAは2013年に振り込め詐欺に関わったとして逮捕されて以降の消息は不明。
言うまでもなく被害者と遺族がもっともひどい目に遭ったが、加害者たち自身とその家族も人生を台無しにした。ある親族の言葉が重い。「でも刑期が終わったあとが、本当の懲役なんですよ。世の中は受け入れてくれない。ということは行動もある程度制限されてしまうわけですよね。きちんとした職に就けないとか、いろんな社会的制裁があるんです。出所したあとっていうのは、なんか事件があれば、ウチのは大丈夫かなというのが、ずーっとついてまわるんですよね」
あんな凶悪な犯罪をした奴らがどうなろうが自業自得、知ったことじゃない、というのも一つの(当然な)意見だと思うけど、社会全体で考えると、犯罪者をただ刑務所送りにするだけじゃなく、どう更生させるかに取り組まないと、結局出所してから再犯して社会に損害を与える、の繰り返しになりかねない。かといって、本書で示すように「善く生きる」ことが本当に償いになるのか。そう思う被害者遺族もいるだろうが、人の命を奪った以上死んで償えと思う被害者遺族もいるだろう。たぶん償いに正解はない。ケースバイケースなのだ。いや、そもそも殺人の償いなんて可能なのか、とすら思う。ただ、罪に、被害者に、真摯に向き合え、ということは共通するだろうと思った。
Posted by ブクログ
山崎さん、長い間本当にお疲れ様でした。彼の信念と想いが力強く乗った、素晴らしい一冊でした。
犯罪者の起因から司法、在り方の今後の課題まで、しっかり伝わってきます。
「人殺しは全て死刑にしたらいい」
「再犯するに決まってる」
「野放しなんかにするからこうなる」
「犯罪者が家庭を作るなんてあり得ない」
そんな単純は話でもなければ、それを言ったとて解決しないんですよね…。
このような凄惨な事件が今後ひとつでも減りますように、加害者たちにもより善い未来がありますように。
個人的に本書の中で一番絶句というか、絶望したのは
BとCの母親の言動と行動でした。
子供達が卑劣なのは言わずもがなだけど…キツイですね色々。ちょっと言葉にならなかったです。
Posted by ブクログ
綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件。
6人の少年たちが彼女に対して何をしたか、当時、、彼女が殺されたのが昭和64年
だったというのはこの本を読んで初めて知ったが、、、ニュースである程度はわかっていたが、ここまで残虐とは。
性の対象にしただけでも卑劣だが、その興味を亡くした後の行為は酷すぎる。
それだけ読めば、少年であろうと全員死刑でも、と思ってしまう。
本人がいかに苦しかったか、遺族がいかにつらかったか、、
しかしこの本の主眼はそこにはない。
著者は、当時のニュースステーションで、加害少年たちを追った特集を何度もしてきたディレクター。
興味本位でなく、真摯に取材をしていたことが文章から伝わる。
そして、6人の少年それぞれが、複雑な家庭環境に育ち、あのような残虐な犯罪を犯してしまったことが見えてくる。
無論、家庭環境が悪かったから彼らの罪が減るわけではない。殺された彼女には何の落ち度もないのだから。
しかし、
彼らのような少年を生んでしまう社会、そして刑期を終えてもまた再販してしまう社会。
これを何とかしないと、結局また彼女のような被害者が生まれてしまうことになる。
それをなくす世の中にしなくてはいけない。
犯罪は犯罪者の問題、社会のせいにするな、というのは一つの正論。
しかし、この本を読めば、やはり社会にも問題がある。
6人全員ではないが、夫と離婚し、母子家庭で、母親は仕事に精いっぱいで、
さらに父親代わりにと厳しく育て、子供をゆがめた、という形が見える。
あるいは父親はいても無関心。というかこれも仕事に追われているのだろう。
つまり貧困がまわりまわって犯罪の引き金になる。
これも当然のことだが、貧困だから犯罪者になるのではない。
金持ちだって犯罪を犯すし、貧困だってまじめに育つ子もたくさんいる。
ただ、親の不在が子供の心をむしばむ確率は間違いなく上がるのだ。
他に見てくれる大人がいなければ。
昔の田舎なら、下町ならいざ知らず、今は隣は何をする人ぞ、
関心を持つことのほうがよくないような社会。
子供の居場所は少なく、勢い犯罪組織にからめとられやすくなる。
日本も格差社会が広がっている。
それが犯罪を助長しないと誰が言えよう。
所得の再分配は必要なのだ。努力しないから稼げない、ではないのだ。
今のとくりゅうも、闇バイト、金がひきがねだ。
先日の16歳の少年の犯罪も今回の綾瀬を思い出させた。
そして著者が訴えるのは再犯防止。
特に、少年の中には妄想を抱えている者もいた。
しかしそれを病気として治療する刑務所はなかった。
脳の病気なのだ。
昨年2025年に拘禁刑の導入が始まった。
そう、法律も変わる。学習して、進歩するのだ。
貧困と脳の問題。
これをクリアすれば犯罪が減る可能性が高いのだ。
皆が犯罪におびえる社会ではいけない。
取り組むべき課題ではないか。
この本はそういうことを訴えていた。
素晴らしい本だった。
プロローグ
第1章 少年たちのその後
第2章 見えない償い
第3章 終わりのない罰
第4章 放送が供養になるか
第5章 より善く生きる
第6章 15年後の罪
第7章 妄想と決断
第8章 斃死
第9章 虚無
第10章 懲らしめから立ち直りへ
エピローグ
Posted by ブクログ
星5を付けて良いのか迷った。
けれど、この事件は忘れてはならない、後世に伝えて同じことを繰り返すまいという気持ちで星5を付けさせてもらった。
私が生まれる前に起こった事件だが、
事件を知ったときの衝撃は今でも忘れない。
この本を読む前から何度かネットでも調べたりしていた。
そんな事件の加害者たちを取材した書籍が出版されたとのことで手に取ってみた。
途中、何度も本を閉じようかと思った。被害者のことを考えると涙が止まらなかった。
去年生まれた娘が同じようなことされたら…?
わたしは犯人をどうしてしまうのだろう。
被害者遺族の気持ちも考えると心が痛くて苦しくてページをめくる手が重い。
だが、最後まで読んで良かったと思う。
なぜかと言うと、今までは極悪犯は全員出てくるな!と視野が狭い考えをしていたことが分かったからだ。
社会から、司法から変えていかねば
少年犯罪はなくならない。
同じことを二度と繰り返さないために、
子を持つ親は特に読むべきだと思った一冊。