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「山﨑裕侍」の「償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山﨑裕侍」の「償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件。
6人の少年たちが彼女に対して何をしたか、当時、、彼女が殺されたのが昭和64年
だったというのはこの本を読んで初めて知ったが、、、ニュースである程度はわかっていたが、ここまで残虐とは。
性の対象にしただけでも卑劣だが、その興味を亡くした後の行為は酷すぎる。
それだけ読めば、少年であろうと全員死刑でも、と思ってしまう。
本人がいかに苦しかったか、遺族がいかにつらかったか、、
しかしこの本の主眼はそこにはない。
著者は、当時のニュースステーションで、加害少年たちを追った特集を何度もしてきたディレクター。
興味本位でなく、真摯に取材をしていたことが文章から伝わる。
そして、6人の少年それぞれが、複雑な家庭環境に育ち、あのような残虐な犯罪を犯してしまったことが見えてくる。
無論、家庭環境が悪かったから彼らの罪が減るわけではない。殺された彼女には何の落ち度もないのだから。
しかし、
彼らのような少年を生んでしまう社会、そして刑期を終えてもまた再販してしまう社会。
これを何とかしないと、結局また彼女のような被害者が生まれてしまうことになる。
それをなくす世の中にしなくてはいけない。
犯罪は犯罪者の問題、社会のせいにするな、というのは一つの正論。
しかし、この本を読めば、やはり社会にも問題がある。
6人全員ではないが、夫と離婚し、母子家庭で、母親は仕事に精いっぱいで、
さらに父親代わりにと厳しく育て、子供をゆがめた、という形が見える。
あるいは父親はいても無関心。というかこれも仕事に追われているのだろう。
つまり貧困がまわりまわって犯罪の引き金になる。
これも当然のことだが、貧困だから犯罪者になるのではない。
金持ちだって犯罪を犯すし、貧困だってまじめに育つ子もたくさんいる。
ただ、親の不在が子供の心をむしばむ確率は間違いなく上がるのだ。
他に見てくれる大人がいなければ。
昔の田舎なら、下町ならいざ知らず、今は隣は何をする人ぞ、
関心を持つことのほうがよくないような社会。
子供の居場所は少なく、勢い犯罪組織にからめとられやすくなる。
日本も格差社会が広がっている。
それが犯罪を助長しないと誰が言えよう。
所得の再分配は必要なのだ。努力しないから稼げない、ではないのだ。
今のとくりゅうも、闇バイト、金がひきがねだ。
先日の16歳の少年の犯罪も今回の綾瀬を思い出させた。
そして著者が訴えるのは再犯防止。
特に、少年の中には妄想を抱えている者もいた。
しかしそれを病気として治療する刑務所はなかった。
脳の病気なのだ。
昨年2025年に拘禁刑の導入が始まった。
そう、法律も変わる。学習して、進歩するのだ。
貧困と脳の問題。
これをクリアすれば犯罪が減る可能性が高いのだ。
皆が犯罪におびえる社会ではいけない。
取り組むべき課題ではないか。
この本はそういうことを訴えていた。
素晴らしい本だった。
プロローグ
第1章 少年たちのその後
第2章 見えない償い
第3章 終わりのない罰
第4章 放送が供養になるか
第5章 より善く生きる
第6章 15年後の罪
第7章 妄想と決断
第8章 斃死
第9章 虚無
第10章 懲らしめから立ち直りへ
エピローグ
Posted by ブクログ
星5を付けて良いのか迷った。
けれど、この事件は忘れてはならない、後世に伝えて同じことを繰り返すまいという気持ちで星5を付けさせてもらった。
私が生まれる前に起こった事件だが、
事件を知ったときの衝撃は今でも忘れない。
この本を読む前から何度かネットでも調べたりしていた。
そんな事件の加害者たちを取材した書籍が出版されたとのことで手に取ってみた。
途中、何度も本を閉じようかと思った。被害者のことを考えると涙が止まらなかった。
去年生まれた娘が同じようなことされたら…?
わたしは犯人をどうしてしまうのだろう。
被害者遺族の気持ちも考えると心が痛くて苦しくてページをめくる手が重い。
だが、最後まで読んで良かったと思う。
なぜかと言うと、今までは極悪犯は全員出てくるな!と視野が狭い考えをしていたことが分かったからだ。
社会から、司法から変えていかねば
少年犯罪はなくならない。
同じことを二度と繰り返さないために、
子を持つ親は特に読むべきだと思った一冊。
Posted by ブクログ
本書は報道テレビ番組のディレクターである著者が29歳から54歳までの綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件の加害者少年たちのその後を追ったルポルタージュです。凄惨な事件を起こした加害者少年たちのその後は惨憺たるもので、読んでいて重大事件の加害者の更生が現代では如何に難しいかを思い知らされました。刑期を終えて出所しても、世間の不寛容な視線に晒され隠れるようにしか生きられない加害者達、事件の詳細を知りたがる世間の目から逃れ、息を潜めてつらい記憶と闘わなければいけない被害者家族。凄惨な事件を起こすことは、被害者と被害者家族にとっても加害者にとっても悲惨な結果を生むことになるのだと改めて感じさせられました。
Posted by ブクログ
1989年。7日しかなかった昭和64年であり平成元年。社会的事件で今でも繰り返して語られるのが、「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」いわゆる宮崎勤事件と、本作の題材である「綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件」だ。個人的には新卒・社会人1年目だったこの年に、バブル狂騒の裏側で起こった、人間がどこまで悪になれるのかの見本のような事件だった。この犯人たちのその後を追いかけ、犯罪者の償いと矯正についてという、正解のない問題提起を丹念な取材に基づいて静かに語りかけるノンフィクションの傑作。事件の詳細とその後の事象を認知しても、償いと矯正に本当に正解がないことがわかるだけで、読後無力感に包まれてしまう。しかしこの答えのない問いかけを永遠に続けていくことこそが、被害者への弔いになるはずだと感じた。