小西甚一の作品一覧

「小西甚一」の「日本文学史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 日本文学史
    4.4
    文藝作品の内なる表現理念=「雅・俗」の交錯によって時代を区分したところに本書の不滅の独創がある。健康で溌溂とした「俗」を本性とする古代文藝、端正・繊細な「雅」を重んずる中世、また古代とは別種の新奇な「俗」を本質とする近代。加えて著者は、日本文学を「世界」の場に引き出し、比較文学の視点からも全体的理解に努める。長く盛名のみ高く入手困難だった「幻の名著」の待望の復刊。(解説=ドナルド・キーン)

ユーザーレビュー

  • 日本文学史

    Posted by ブクログ

    文化史は「暗記もの」だった。作品名・作者・成立年代・粗筋を押さえて通過だった。歴史の背景が教科書以上の深みを持って現れた。これまで何となく覚えていた点同士が線となって輪郭が出てきた。知識が使えて楽しい。

    時代区分には意味がある。社会や政治、経済の変遷と共に文芸も変化していく。流行り廃りは当然あっても、低俗・高尚も時代と共に変容する。

    最も感銘を受けたのは「既に存在する表現」という概念だ。古の貴族的な要素のリスペクトであり、それが新しい文芸の品を高めたり、足を引っ張ったりする。

    「型」というのも大事な概念だ。パクリとはまた違う。「お約束」に近いのかも。『水戸黄門』とか『忠臣蔵』とかドリフと

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    2026年05月29日
  • 日本文学史

    Posted by ブクログ

    通っている大学の文学部の教授たちが押し並べて絶賛していたのを覚えていて、なんだか教科書的な堅苦しさを感じてなかなか食指がのびなかったのだけれど、いざ読んでみると、この小西甚一という碩学は意外とロマンチストで、チャーミングな部分がありおもしろい。この本における基本的な文学史における分類方法である「雅」と「俗」についての説明の部分(15-18頁)など、人文書でこのような詩的な文章があるのかと驚くほどにポエジーに満ちている。他にも、思わずなるほど!と膝を打つような記述が満載で、すぐにページが鉛筆で引いた線で埋まってしまう。

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    2024年08月13日
  • 日本文学史

    Posted by ブクログ

    日本文学の歴史を雅と俗を中心とした区分に分類。古代=俗、中近世=雅、近代以降=別種の俗。古代における俗なる表現は純粋に日本的表現。文芸の流れがどのように変転しても、根底が変わることがない。普段は表面上にあがらないが、上層文芸が動脈硬化を起こすとき、そこからわき上がって新生の契機となる。という説。単なる概説ではなく、日本文学の本質を独自の視点で指摘した好著。

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    2019年01月27日
  • 日本文学史

    Posted by ブクログ

    これは名著。
    ドナルド・キーンの本著との出会いを喜ぶ解説の気持ちがよくわかる。今の日本人に日本文化をここまでドライに突き放せるだろうか。日本大好き、日本ってほんとに凄い、ってばっかり根拠もなく言ってるバカテレビが作った自覚のないレイシストから百億光年くらい遠いところにある。
    日本の雅は、本居宣長風に言えば、漢意によって形成されてる。国風文化すら、ものすごく中国的だ、ということ。
    つまり、「中国を真似てる時代」と、日本風に戻るのではなく、「自分たちなりの中国発想で自分たちなりに発想する時代」が続いていく。
    OSはあくまで中国で、日本はソフトウェアだけ変えてきたのだろう。
    そのOSは本居宣長にもや

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    2018年11月18日
  • 日本文学史

    Posted by ブクログ

    ドナルド・キーン氏が絶賛していたので手に取りました。60年以上前の著作とは思えないみずみずしさを保っていることに驚きました。柿本人麻呂の歌が天武天皇の壬申の乱での英雄的行動を目の当たりにしたことから生まれたとか、源氏物語の登場人物は「行為」としての罪よりキリスト教の原罪めいた意識の中にいるとか、西行の歌は白楽天を思わせる、などなど、刺激的な目を見開かされるような私見が盛りだくさん。推理小説もしくは現代社会論を読んでいるような文学史でした。
    そうそう、先日読んだ西山厚先生の「仏教発見!」でも印象に残った道元の「正法眼蔵」が空前絶後の表現力と称賛されていました。これはいつか読まなくちゃ。

    0
    2015年05月05日

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