ドラゴンや龍、もしくは、竜人が登場する作品の数は、ここ最近、増えてはいるけど、ここまで、竜人と人間の距離が近い作品も無いのでは?
竜人(♂)と人間のヒロインの異種恋愛系も、私は大好物だけど、こういう同性(・・・だよな?)のお隣さんって設定も結構、アリ。ジャンルこそ違うけど、『氷属性男子とクールな同僚女子』(殿ヶ谷美由紀)が好みな人なら、楽しめる内容になっている、と私は感じた。
竜人のホンさんが、思った以上に、竜の要素が多目ってのも推せる。作中でも、ちょいちょい描かれてはいるけど、やはり、この見た目だと、人間基準で設計されている建造物などで苦労するんだろう。その辺りの、妙なリアルも推せる理由の一つだ。
また、そんなド天然なホンさんに振り回されそうになりながらも、何気に、我の強さを時おり、見せてくる人間の塔子ちゃんも良い味が出まくっている。彼女くらい、度量がデカくないと、人じゃない存在が自分の隣人って現実を、すんなり受け入れるのは簡単じゃないだろうな。
この(1)では、ホンさん以外に、ルーイさんって竜人も登場している。彼も彼で、これまた、個性が強め。ツンケンしちゃいるものの、何だかんだで、悪ぶれない奴で憎めない。と言うか、この作中一の奇人と言っても差し支えない小金井さんにお気に入り認定されちゃっているので、頑張れ、と言いたくなる。次巻でも、種族関係なしに、個性濃い目のキャラが出ると、実に嬉しい。
この台詞を引用に選んだのは、ホンさん、好きだなぁ、と強く思ったので。
こうやって、ストレートに、何の意識もなく、相手の良い所を褒めるのって難しいですよね。
いや、難しい、と考えている時点、既にダメか?
何にせよ、ホンさんに「良い」と言われたら、劣等感なんて、簡単に吹っ飛んでくれそう。
やる気が空回りしちゃう時もあるっちゃあるけど、ホンさんは、ぜひ、このまま、気の好い竜人さんでいてほしいもんである。
「あのお野菜たちガ、こんナにおいしクなるなんテ・・・トーコさんは天才!デすネ!」
「おばあちゃんから習っただけですよ。むしろ地味な料理しか作れなくて・・・」
「ジミ?」
「ええと、目立たない、というか・・・・・・」
「オオ!確かニそうですネ!」
「えっ」
「トーコサンのお料理ハ、味や匂いや切りかた・・・・・・目立たないところカラ、優しイ気持ちが伝わってきマス。トテモ、スゴいことでス」
「~~~~っ」
「それニ・・・・・・目立つノガ、よくなイことモありますシ・・・・・・」
(妙に実感のこもった言いかた)(byホンさん、塔子さん)