元エコノミストが出家して僧侶に。その後、スウェーデンに戻り普通の生活へ。上手くいかず、鬱に。その後、人生が好転しだすも難しい病に。
帯には、[山奥で隠遁生活を送った経済人の最も感動的な人生体験]とある。
啓蒙書の類だが、偏屈な自分でも驚くほど心にスッと入ってきた。著者はスウェーデン人だが、仏教の考え方が元になっており、日本人である私たちも受け取めやすい。
まず、この本をよく表しているのが、題名にもなっている「私が間違っているかもしれない」という言葉だ。
私たちは無意識のうちに、心のどこかで自分のことを全知全能の存在だと思い込んでいる。と作者は言う。
◯他人がどうあるべきかを知り尽くしていると信じているので、もし誰かがそれに従わなかったら辛くなってしまう。つまり、私たちは他人のことを考えているようでいて、実際には自分のことしか考えていないのだ。
凝り固まった思い込みや傲慢さを振り返り、「私が間違っているかもしれない。」と柔軟に物事を捉え直すことは、なかなか難しいけれど、確かに自分に必要だと感じた。
◯この言葉は、思い出したとき私を謙虚で建設的な方向に導いてくれる。
他に、物事を自分の思い通りにしようとすることを減らし、何かを信頼することを増やす大切さも書かれている。
そして、一番心に響いたのが次の文章。
◯10歳の子供でも、多かれ少なかれ、人間の心の美しさとは、何かを知っているだろう。忍耐力や寛大さ、親切さ、(略)。私はこれらの価値を訴えたい。背筋を伸ばして自分の中にある最も美しい特性を引き出すことを意識して生きる。今世界がこれ以上必要としているものがあるだろうか?
◯世界は、私たちが何を考え、どんな行動をしたかに敏感に反応する。私たちが発信したものは、結局は自分に戻ってくる。世界はただ存在しているのではない。世界はあなたの写し鏡なのだ。294
今、恐ろしくなるほど、日毎に世の中が壊れていっている感覚がある。一昔前の日本の良識に基づいた秩序が、目に見えて壊れていっている。日本人の中だけでさえ良識が通用しなくなって来ていた中、移民関連で崩壊してしまってきた。でも、その流れに惑わされたくない。この本は、今まさに人間に必要な一冊だと強くお勧めする。
拙い紹介文で、この本の素晴らしさを全然伝えきれないのが悔しい。他にも沢山の知恵が書かれているので、私も繰り返し読みたいと思う。
以下、備忘録
・あらゆる摩擦や争い事は「自分が正しい」と言う前提に立ってしまっていることに由来する。
・「拳を強く握り、力を抜いて、手のひらを広げる。」物事や感情、考えなど、自分が強くしがみついているものを手放す
・私たちは静寂の中で学ぶ嵐が来たときに、それを思い出せるように
・人生で進むべき道を見つけようとしている時、「信頼」と「瞬間の知性」の2つが私にとっての羅針盤になる。
・これもまた過ぎ去る
・肉体は自分という意識を包み込む宇宙服のようなものだ。
・誰も見ていなくても、自分が見ているという意識で、自分の言動に責任を持ちたい。