【なぜ読むか】
SDVについてレクチャを受ける機会がありそうだった。また、私自身SDVにかかわる仕事をしていながらその必要性については懐疑的であったため、腹落ちさせるために読みたいと思った。
【感想】
読んで良かった。
ハードウェアばかりやってきた人間には理解し難いところも多く、集中が切れてしまいがちだったが、なんとか読み通せた。ただ、一度ではなく二度三度読み返しておきたい。
よかった点は学びが多かった点。以下印象に残っている学びを記す。
①SDVの見方(正体)
まず持って「SDV」の捉え方が変化した。もはやハードウェアではなく、SDVにおけるハードとしての自動車は手段であると理解した。また同時に多くのマネタイズ方法が考えられ、ビジネスチャンスであることもわかった。
自動車はハードウェア単体では最早売れなくなる(というのは法規制的にも)し、SDVを実現する基盤として大きな可能性を秘めていることがわかった。
②SDVの可能性
自動車は1日の中で移動する時に乗るものであり、存在価値は移動を提供できることである。パーソナライズや限られた移動時間の充実に(消費者が)出せる金額には限界があるのでは?と思っていた。
しかし、発想を転換した。
電池の充放電回数の技術的なブレークスルーなどが必要ではあるが、移動手段にもなり、プライベート空間にもなるという自動車が長時間を過ごす空間になったなら、そこにはカフェやシェアオフィスのような価値が生まれる。「自分だけの秘密基地」のような世界になる。これってすごい。
読みながら、こんな発想になるくらい自分の車に対するパースペクティブを変換してくれたのだから感動。
俺は読みながら、電池が必ずしも車に載らなくてもいいのでは?と思う(キャパシタとかは必要なのかもしれないが)。また、電池を載せる場合は充放電で電池劣化して車両価値を毀損させるのでは?と考えてたし、エンジンを駆動させるならガソリンも使うしエコではないなぁとか考えていたけど、自動車に直接コンセントを繋げたら?電池を劣化させないで、空間としての快適性だけを実現できる!
また、社会課題に対する解決手段にもなりうる、というところでも魅力を感じた。自動運転という技術のブレークスルーが起きたならば、自動車を取り巻く世界は一変するし、その時にはきっと「SDV」に対するパースペクティブ変革が世の中の人にも起こるのではないだろうか。
・物流の問題解決
・ラストワンマイル
などなど。きっともっといろんな課題が解決できるんだろうし、課題解決だけでなくいろんな可能性が広がるんだろう。そう考えるとトヨタのE-palletとかはそういう考えをすでに持っている人が作ってたんだね。すごい。