小倉金之助の作品一覧
「小倉金之助」の「初等数学史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「小倉金之助」の「初等数学史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
近世編はヨーロッパを中心として進んでいく。中世において三角関数が登場したにも関わらず、ルネサンスを迎えるまではただ金勘定のための技術でしかなく、しかも卑しい物として扱われていたためむしろ衰退してしまっていたというのには驚かされる。その一方で17,18世紀には負数、虚数、複素数、無限級数などが一度に開花したのも驚きである。残念ながらなぜこのように急激な発展をしたのかについては直接触れられていないが、一つには数学という学問が広く学ばれるようになったことが原因だろうこと思う。近代教育の祖であるペスタロッチの名が度々登場し、教育制度についての考察にかなりのページを割いていることから著者もそのように考
Posted by ブクログ
数の数え方から始まるこの本。最終章では三角関数が登場している。ここまで紀元前1600年頃から1300年頃と3000年ほどかかっている。しかもまだ割り算のやり方が定式化されていないだけでなく、ヨーロッパではようやく位取りが使われる、つまりやっと0が用いられるようになったという状況である。この先、微積分が発明されるまでまだ数世紀かかることを考えると、非常にゆっくりと発展してきたことがわかる。また、いずれの地域においても、古い時代では定理に対する証明がほとんどされておらず、問題と結果のみが記されているというのはおもしろい。古代の社会のあり方からすると、数学が宗教的な側面を持っていたのではないかと思