著者については局アナで体調不良で一時期お休みしていることは知っていた。ところが、気が付いたらネットでは著者に関する正誤入り乱れた関連話題で見ない日は無い状態となっている。そして地上波までが自分で取材もしないで不確実な情報を拡散している。示談成立で正式情報が公開されない状況なのに、あたかも著者がトラブルの被害者かの様に決めつけて、著者のInstagramへの膨大な数の誹謗中傷が止まらない。
そんな中、著者がフォトエッセイを出版するという。一人の聖歌会社の不祥事が本人の手を離れ、今では一般企業、一部の国にまで飛び火する中、このタイミングで出版・イベントを行うのはセキュリティ面でとても危険と感じた。そこまでして出版する意図を知りたくて予約購入した。この本、現在では入手困難らしく、確かに書店では目にしていない。
緊張しつつ読み進めたが、あまりの悲惨な内容に言葉を失った。特に前半の第1章の内容が途轍もなく悲惨すぎる。惨過ぎる事実を著者がいくら冷静な言葉に変えて説明しても、その内容は一義的に聖歌会社の愚行と解釈される。これら愚行内容についてここで取り上げても事が改善する訳でもないので、言及は差し控える。全編に亘って重要な位置を占めるPTSDについても一部は控えたい。昔の知り合いに重度のPTSDがいることもあり、申し訳ないが口を閉ざす。
数回読み直して、2つの事が気になった。事件が起こる前に、頑張り屋の性格が裏目に出て、その内的要因と外圧で体に変調(メニエール病)を来たしている(P58~P59)。会社側はこの過重労働を把握していたのか?把握しても見ないふりをしていたのか?その問題点を助長してはいなかったのか?労働に関する基本的事項が順守されていたのか?という疑問群。この企業風土を作ったのは誰か?社員を商品として扱っていないか?過剰なエリート意識を植え付けていなかったか?これらの点については問題がうやむやになる前に、証拠が隠滅される前に、厚労省は査察を行って欲しい。そしてこの企業風土を長年に亘って維持してきたアベノトモダチの日枝への聞き取りは必至である。それまで拒むのであれば、国会に招致、証人喚問を多数派野党は行うべき。それくらいしなければ国民は納得できないし、企業が根底から反省して再生したとは見做されない。これまで長年に亘って日枝の後ろ盾となっていたアベはもうこの世にいない。従って、絶対に日枝の追及の手を緩めてはいけない。そうしないと、8というチャンネルは来年には消滅してしまうだろう。
もう1つは被害者のとある心理状況。殆ど最後に近い見出しの所「”本当のオフ”を知った日」で目を疑うような単語が出現する。P169~P170の2ページで、そのひらがな4文字の単語が5回も出てくる。しかも5回目に出てきた単語には ”〇〇〇〇” とダブルクォーテーションマークで強調していた。判らん、どうしてこの単語がこのフォトエッセイ上に存在しているのか全く判らん。この単語は、聖歌会社が旅行さん問題で事務所を退所した際に、2020年2月19日に新しく作った事務所名「〇〇〇〇〇〇〇」の最初の4文字と全く同じ。もし著者がこの聖歌会社の被害者であればあり得ない事。ならば、この単語を使った理由は?
〇 著者が聖歌会社の被害者ではない。聖歌会社は事件前後で著者とは別の社員とトラブルを起こしていた。若しくは、著者は該聖歌会社以外の人物から被害を受けていた。ただ、発生確率は極めて少ない。
〇 もし示談金で口封じをされて様々な情報提供に関して制約を受けている状況下であれば、聖歌会社を想起させる言葉を本に載せて、暗に当該聖歌会社の名前を直接世間に知らしめたい。気持ちは理解できるが、契約不履行で示談金が支払われない可能性が出てくる。でも、それも覚悟でその単語を使っているのであれば、著者は強い精神力を持っていると考えられる。
〇 P98からの「前進」に記載されている難易度の高い “持続エクスポージャー(PE)” 療法の一環で、この単語を敢えて本に載せることで、自ら十字架を背負う覚悟なのでは(現実エクスプロージャー)。強い、本当に強い。こんなにしてまで自分のPTSDを克服しようとするだなんて。この結論に気が付いた時に、自然と涙が出てなかなか止まらなかった。
アベノトモダチの日枝を抹殺、経営体制を一新したとしても著者がアベノチャンネルに出ることはないだろう。一般には知られなくとも、自分らしい生き方を取り戻してくれると思う。どん底状態で手を差し伸べてくれた仲間たちと一緒に素晴らしい未来を目指して欲しい。落ち着いたら第2弾として、現在の仲間たちと一緒に人生を切り開いた際のお話を纏めたフォトエッセイを出版して欲しい。頑張れ!