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  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか
    3.8
    1巻2,750円 (税込)
    ピエロの父、曲芸師の母、踊り子のわたし。祖国を逃れ放浪生活を送る、サーカス一家末娘の無垢の物語。39歳で非業の死を遂げた伝説の作家による自伝的傑作。シャミッソー賞・ベルリン芸術賞受賞。 「地獄は天国の裏にある。」 祖国ルーマニアの圧政を逃れ、サーカス団を転々としながら放浪生活を送る、一家の末っ子であるわたし。ピエロの父さんに叩かれながら、曲芸師の母さんが演技中に転落死してしまうのではないかといつも心配している。そんな時に姉さんが話してくれるのが、「おかゆのなかで煮えている子ども」のメルヒェン。やがて優しいシュナイダーおじさんがやってきて、わたしと姉さんは山奥の施設へと連れて行かれるのだったが――。 世界16カ国で翻訳、伝説の作家が唯一残した自伝的傑作が、ついに邦訳! ドイツ文学史上最も強烈な個性。ーー南ドイツ新聞 まさに綱渡り芸を、息をのんで下から見守っているかのよう。ーーペーター・ビクセル

ユーザーレビュー

  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

    Posted by ブクログ

    独裁者によって生活ができなくなった主人公の家族が、国外へ脱出しサーカスの団員として生活をする半生を書いたもの。
    社会的な弾圧と家族の中での個々との共存、サーカスという世界、信仰によって造らせた精神がとても危ういと感じる。
    子どもという狭い世界での知識による外と内との折り合いの付け方がアンバランスすぎて、環境のせいではあるものの崩れることをこんなにも予感させることはない。
    家族をものとして扱う父親や、恐怖で支配し自分で作った世界に押し込める母親、対になる姉、存在することで自分の価値だと思い込むペット、今でいう毒親に育てられ大きく育った主人公の、願いなどなくやっぱりねとなる終わりに向けて読むことを

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    2025年01月06日
  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

    Posted by ブクログ

    残酷な環境を少女の純粋で明るい語りで伝えられるので心をグサグサ刺される。

    物語の終わはあまりすっきりしない。何故かというと、本当のラストはあとがきで伝えられる作者の早すぎる最期だから。

    「地獄の裏に天国がある」

    生まれる国が違うだけでここまで境遇の違いがあっていいのだろうか。

    文字数も少なく読みやすいのに、読後に色々考えさせられる。この作品に出会えてよかった。

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    2025年11月23日
  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

    Posted by ブクログ

    ふしぎな書物。まるでわたしが主人公になったみたい。
    父さんと母さんと姉さんと、ほかの人たち。
    ところどころ、絶叫したり、余白をもたせたり、繰り返したり。
    少女の肉声が絶えず語りかけてくるようだった。

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    2025年11月12日
  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

    Posted by ブクログ

    どれが実体験でどれが小説なのかは分からないけれど、小説であって欲しいところが全て実体験のような気がする。両親がルーマニアを出たことは良かったのかも知れない。ずっと不幸の霧の中を生き抜いていくわけだけど、一度も食べるものがないとか衣服靴がないなどの描写はない。とはいえ食料や衣服があれば幸せかといえば、おおむねそうではあるけれど絶対ではない。
    ルーマニアからの避難民、サーカスで各国を転々とする毎日。これだけでも子供にとって安心出来る場所はない。その上に母親が死と隣り合わせの曲芸を毎日やっているとなると子供が不安定な精神状態になるのは当たり前。その様子はロリコンだけでなく全ての男達にとって好都合だっ

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    2025年10月26日
  • その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか

    Posted by ブクログ

    サーカス団に入って移動している移民家族。その娘のどこか危うい成長。ゆるやかに、あるいは突然に崩れる文体が彼女の精神状態のようで目が離せなせずひりひりする。

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    2025年07月19日

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