福場将太の作品一覧
「福場将太」の「目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福場将太」の「目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
時々読み返したいと思えた本です。
医学部の臨床実習で、眼科の診察手技の練習中に指導医の先生から「君の眼は、いずれ完全に見えなくなるかもしれない」と告げられた著者。
その時のショックと絶望はいかほどだったことでしょう。
以前、テレビのドキュメンタリー番組で、北海道美唄市にあるメンタルクリニックで働く全盲の医師、福場将太さんの仕事や生活風景を観ました。
そして、その先生が本を出されたとのことで、今回、読んでみました。
ノンフィクション的な要素が強いのかと思いましたが、実際に読んでみると、目が見えていた人が途中から徐々に視力を失ったということによって、それまで見えなかったものが見えてきたあれこれについて語られたものでした。
目が見えないことがどういうことか、ということはもちろん語られていますが、著者は、人間の五感の中で、視力の持つ影響の大きさを良くも悪くも語っています。
見える私たちには、視力の良い点ばかりが目に付く、というか日常的に無意識に視力に大きく頼る場面が多いということに気づかされました。
彼は、見えるからこその便利さはもちろんあると話していますが、同時に、見えることにより、物事にバイアスがかかってしまい、本当の姿、ものが見えなくなってしまう、思考の邪魔になってしまうことも指摘しています。
視覚障がい者の中でも、精神科医という心を診る仕事をされているからこその発想、分析が見事です。
私たちに、見えることと見えないことの両方の影響、心の目で見ることの大切さ、視力に頼りすぎることによって失ってしまうこと、バランスを崩してしまう可能性もあることも指摘されています。
そんなことを考えたこともなかったです。
見える人にとっては当たり前にある景色、無意識のうちに見えることによってかかってしまうバイアスに気づかず生活しているのかもしれないと思いました。
何事にも、見えない部分にもスポットを当てて想像していくことが必要なのだと思います。心の眼とでも言いましょうか。
視覚障がい者という当事者で、その上に精神科医という立場で福場将太というキャラクターから発信されるあれこれは、やさしく、例えも分かりやすく、ユーモアがあり、障がいのあるなしにかかわらず、全ての人たちに、心に残るメッセージなのではないでしょうか。
日々、頑張っている人、疲れている人、ストレスや生きにくさなど感じている人、人生に迷っている人にもお薦めしたいです。心が軽くなりました。