プロ入りしてからの成長過程が丁寧に記載されていて、文体もケレン味がなく素直な人柄がよく現れている。
臆することなく、先輩や周囲の人物から貪欲に技術を吸収する。ただし、「真似はしない」という言葉が繰り返されているように、すべての技術はあくまで「自分で磨いたもの」と言い切るプロフェッショナル魂が素晴らし
...続きを読むい。
「先発ローテーションを守っていく以上、エースになりたい。エースなんだから」自球団で見本とする選手はいない、自分が見本となる選手になりたい、と書かれているのは頼もしい。
具体的な投球技術や変化球の習得についても記していて、これからの彼のピッチングを見ていく楽しみや着眼点が増えた。
特に印象的だったのは、キレのある速球を投げるための「なにか」を掴んだ一球体験(2010年ヤクルト戦での、打者にとってはおそらく何気ない1球)。どんな技術職でも体験するだろう自分自身のなかでのブレークスルー体験が鮮やかに表現されている。