マンジート・マンの作品一覧
「マンジート・マン」の「僕たちは星屑でできている」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「マンジート・マン」の「僕たちは星屑でできている」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
岩波YAシリーズ「STAMP BOOKS」の一冊。
前に読んだ『タフィー』と同じく横書きの詩形式で書かれています。キーワードを使い物語がクロスする手法に最初は戸惑いましたが、慣れると映像が目の前に浮かんできました。
難民支援のためドーバー海峡横断泳に挑むナタリーと、独裁国家エリトリアを逃れ、命がけでイギリスをめざすサミー。引き寄せ合う双子星のような二人がどうなるのか、最後まで目が離せませんでした。
ゴムボートに乗り何日も暗い海を漂う。
やっとたどり着いた収容施設の外でアルミシートにくるまれながら真っ黒な雲を見上げる。
難民の人たちの恐怖と不安は計り知れない。
もし、難民認定されなければ母国に強制送還されることもある。希望か絶望か…波のように揺れる心情が詩で見事に表現されていました。
「THE CROSSING」の日本語訳は、
「僕たちは星屑でできている」
同じ地球にサミーのような少年、少女たちがいることを忘れないで…と祈りのような思いが伝わってきました。
僕たちは星屑でできている
どんなに闇が深くなろうとも
空には星が輝いている
夜空の星を見上げよう
僕たちみんな つながっている
僕たちみんな 同じ星屑でできている
☆4.5
Posted by ブクログ
翻訳者さんの朗読会に行く機会があり、購入&一気読み。
言葉の美しさがあり 朗読でここまで 生命力に溢れて物語が届けられるんだと感動した。
難民となった少年サミーの運命と、イギリスの高校生ナタリーの運命。
絶対的な生命の危機と尊厳の破壊に接しているサミーと、相対的なじりじりゆっくりと困窮や家族の危機に追い詰められるナタリー。
常に2人の状況は クロスしながら 読者に問いかける。
それぞれの苦しみがある。
サミーだけでは辛すぎる。クロスしながら、ナタリーの物語があることで、どこか苦しみ 一辺倒にならない物語がある。
難民の物語。その背景にある戦争や、理不尽な暴力やそこからもたらされる絶望は物語 であっても。 本来であれば、読むだけで 読者としても傷ついてしまうと思う。
しかしこのストーリーは、ナタリーの物語が 寄せては返す波のように 常にサミー の物語に寄り添っていることで読んでいてどこか慰められるような気持ちになる。
物語は クロスする。サミーの話は 別の世界の遠い世界のかわいそうな人の物語ではない。
世界はクロスしていて僕たちは同じ星の星屑で、互いの苦しみは 他人事ではなく。そのことがもたらすものの力をずっと考えさせられた。