奥村隆の作品一覧
「奥村隆」の「他者といる技法 ――コミュニケーションの社会学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「奥村隆」の「他者といる技法 ――コミュニケーションの社会学」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
レインやゴフマン、ベイトソンやブルデューなどを引用しつつ、コミュニケーションの素晴らしさと苦しさが論じられる。社会というのは素晴らしくもあり、困難を抱えているものでもある。他者とは、わかりあえることもあり、わかりあえないこともある。無理に十全にわかりあおうとすると、それは他者に対し、自分と完全に一致する人格であることを求めることになり、容易に差別や暴力へと転じる。けっしてわかりあえない他者とともに過ごすことが、すなわち生きるということだ。親本が出たのは一九九八年だが、第5章「非難の語彙、あるいは市民社会の境界‐自己啓発セミナーにかんする雑誌記事の分析‐」(pp195-252)は今でもよくみる
Posted by ブクログ
傑作だと思う
私達が日常的に行っている「技法」を言語化することで、それだけでは対処しきれない「異質なまま他者と共存する技法」へと議論を開かせていく
人間は「わかる」部分に着地しがちだが、「わからない」まま過ごすのも悪くないのかもしれない
1章で提起されてそれ以降全章を貫く概念として著者独自の〈承認と葛藤の体系としての社会〉があり、その社会の元である〈力〉を持った他者を適切に制御するノウハウとして「技法」が存在するという
何処から読んでも良いらしいが、個人的には1章を初めに読んで欲しい
弱い立場にいる他者の心象とその構造をゴフマンやレインなどの文献を引いて淡々と、しかし彼らに寄り添った描き口
Posted by ブクログ
思いやりやかげぐち、他者による承認や否定といった日常的なコミュニケーションの背後にある力関係の構造やそれに対処する私たちの様々な「技法」について思考したり、外国人や自己啓発セミナーなどの理解が難しいものへの理解の枠組みの作られ方をメディア報道から考えたり、複数の観点から他者を理解することや理解されることについて考察されていく。「わからないままでともにいる」ことの模索が提示されるというひとまずの結論は最近ではネガティブケイパビリティなどの概念としても重要性が認められるようになっている態度だと思うが、本書の単行本は1998年刊行ということでかなり時期が早い。今読むべきものということで2024年に文