オリヴァーミルマンの作品一覧
「オリヴァーミルマン」の「昆虫絶滅」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「オリヴァーミルマン」の「昆虫絶滅」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
そういえば子供の頃、家の近所でチョウ、トンボなど虫をよく見た。小学校の自由研究ではクラスの男子の約半数は昆虫採集だった。あれから約50年、大人(老人?)になった今、昆虫をすっかり見なくなってしまった…。
昆虫絶滅の危機を訴える著者。昆虫が姿を消したとき、何が起こるのか、また、その原因は何か。早く手を打たないと人類の危機が訪れると解く。
本書の冒頭の書き出し。
「激変の最初の兆候は不気味な静けさでだった。
世界中の昆虫が姿を消したというのに、人間はすぐには反応せず、最初に恐怖の叫びの声を上げたのは、奇妙なことに鳥だった。ツバメのヒナ1羽が成鳥になるには約20万匹の昆虫を必要とする。それが皆無になったのだ。」
と将来の昆虫絶滅の予想図から始まる。
地球という同じ生活空間に暮らす生き物、それは人間も昆虫も変わりない。人間の果てしない欲望のために昆虫の生息地を破壊してしまったり、農薬使用の増大により害虫以外の昆虫も巻き添えにしたりすることで、実は知らず知らずのうにち人類が滅亡の道を進んでいる。
ミツバチは地球上に2億年近く存在してきた。この間、地球の大陸塊が移動、恐竜が咆哮して滅び、人類が他の霊長類から分岐して、車両、印刷機、iPhoneを生み出してきた。だが、ほんの30年の間に、ミツバチを絶滅の縁まで追い込んだ。果物や野菜には受粉が必要だが、それはミツバチが担っている。
ミツバチと人類の歴史の長さの違いに啞然とするとともに、人類は効率的なシステムを構築したが、それは一瞬にして崩壊するほどの脆弱なものだということに気づかされる。
人間が生きていく上で昆虫が果たしている役割など知らないことが多く、とても勉強になった。人類と昆虫の共存、昆虫の存在価値について深く考えさせる1冊だった。