作品一覧

  • 「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族

    「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族

    ビジネス・実用

    -
    1巻3,850円 (税込)
    核開発を牽引する「偉大な国」で,安全保障や経済発展のために犠牲にされ,環境汚染の最前線で生きるアメリカ先住民の人びと.「最大多数の幸福」を名目に,いかに彼らの存在が不可視化されてきたか.セトラー・コロニアリズムによる支配の構造と,それに対する粘り強い抵抗の歩みを,長年の調査をもとに描き出す.

    試し読み

    フォロー
  • 戦争みたいな味がする

    戦争みたいな味がする

    小説・文芸

    3.9
    1巻3,080円 (税込)
    朝鮮戦争を生き延び、在韓米軍基地周辺で働いた著者の母は、アメリカ人男性と結婚後に渡米し、差別的な眼差しの先に置かれつづける。その背景には、人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティにまつわる差別構造があった。朝鮮半島にルーツをもつ母娘の記憶を通して見える現代社会の論点、植民地主義、人種主義、精神疾患など複雑な難題が家族に及ぼす影響を、コリア系アメリカ人女性の社会学者が紡ぐ珠玉の回想録。2021年、全米図書賞ノンフィクション部門最終候補作。

ユーザーレビュー

  • 戦争みたいな味がする

    Posted by ブクログ

    コリア系アメリカ人社会学者による、
    朝鮮戦争を生き抜いた母親の生きざまのドキュメンタリー。
    すさまじい。
    恨 だ。
    なぜ韓国の小説には恨が底流にあるのか。

    著者のお母さんは朝鮮戦争時代、
    セックスワーカーをやっていた、らしい。
    大東亜戦争中に日本が残した慰安所を、
    米軍がそのまま利用し、
    朝鮮の女性を雇用して、
    米軍人の相手をさせた。

    お母さんはおそらくその相手だった米軍人と結婚、
    米軍人によってそこから脱し著者を産みアメリカに渡り、
    しばらくは普通の生活をしていた。
    食への貪欲さをもって。
    その記載が非常に印象的。キムチ、ブルーベリー、、

    しかしセックスワーカー時代のトラウマのせいか、
    いつしか精神に異常をきたす。
    統合失調症。
    ないものが見えるようになり、
    著者の生活を脅かす、、、

    これを、時代を前後させながら描くドキュメンタリーだった。

    戦争はろくなもんじゃない。やはり。
    血気盛んな軍人が現地に乗り込めば必ず女を求める。
    そしてハーフが生まれる。
    その子供たちが幸せになる確率は低いだろう。
    その意味でこの著者はよくぞ乗り越えたものだ。

    戦争を知らない子供たちである我々は、
    戦争のかっこよさ?ではなく、悲惨さを学ばねばならない。
    防衛費をGDPの3.5%にする?
    そうしたところで米中にはかないっこないのだ。
    富が国民から吸い上げられるだけ。
    重武装中立、というのならまだわかる。
    重武装アメリカ属国、には何の意味もない。

    戦争はいかんよ。
    そしてつくづくアメリカはひどい国だ。

    昔も今も。
    元はヨーロッパから逃げ出した人たちが作った国。
    良くも悪くも独特。
    凄いものも作るし、ひどいこともする。
    著者の母親もその犠牲者ということか。




    日本の読者への序文/凡例 
    プロローグ 
    第一章 戦争みたいな味がする 
    第二章 アメリカン・ドリーム 
    第三章 フレンドリー・シティ 
    第四章 オンマ 
    第五章 キムチ・ブルース 
    第六章 マダム・マッシュルーム 
    第七章 統合失調症起源 
    第八章 ブラウン 
    第九章 一月七日 
    第一〇章 クラスト・ガール 
    第一一章 いちどだけでは、愛ではない 
    第一二章 オーキー
    第一三章 クイーンズ 
    第一四章 亡霊たちをカウントする 
    第一五章 チーズバーガーの季節 
    原注/初出一覧/謝辞/訳者あとがき

    0
    2026年05月15日
  • 戦争みたいな味がする

    Posted by ブクログ

    亡き母と父、そして自身の言動や経験を何度も辿り捉え直すことで、自らの家族の在り方を歴史的社会的文脈の中で浮き彫りにしていく。何か劇的なな展開があるわけではない。しかし読後に深い感動がある。

    0
    2025年12月31日
  • 戦争みたいな味がする

    Posted by ブクログ

    訳者の方のお話を聞く機会があり、読むことができたことを感謝している。個人的なことは社会的なこと。お母様のトラウマを、直接聞き出すのではなく、多方面から調べ尽くす手法にとても説得力があった。日本の過去も関わっていることに、胸が痛む。一方、韓国料理のレシピが美味しそうで、思わずメモをした。

    0
    2025年11月29日
  • 戦争みたいな味がする

    Posted by ブクログ

    筆者のオンマが今の世の中を見たらなんと言うだろう。MAGAに対しては眉間に皺を寄せ、The summer I turned prettyの人気には「オモ!」と驚くだろうか。
    晩年(読後直ぐの今この言葉を書くのがすごく寂しくて哀しいけれど)、筆者と食事を共にした3人目の母の様子は、1人目の時のエッセンスを残しつつ2人目の時の儚さをはらんでいて切なかった。
    精神疾患におけるリカバリーは、病気になる前に戻るのではなく病気を経て新たにアップデートすることとされるけれど、その様はまさしくリカバリーで、伴走する筆者の苦慮や省察の言葉には胸に迫るものがあった。

    PTSDを抱え、命からがらどうにかたどり着いた新天地で筆者の母を待っていたのはたいていのアメリカに住む韓国系移民女性が経験する差別。かといってアメリカ人との子どもを連れて帰る母国の暮らしも悽愴なことは想像に易く、どれだけ不安で心細かっただろうか。苦難の道を強いられ続ける人生すぎる。
    そんな中、自力でコミュニティに根ざす努力をし、夏はブラックベリーレディ、秋はマダムマッシュルームとなった姿にはちょっとしたアメリカンドリームみすら感じた。かっこいい。
    1人目の母の頃の描写には、オベントウの力やサンクスギビングの翌日に残りものの七面鳥にテンジャンとキムチを添える逞しい韓国のオンマの姿がある。
    過労に近い生活リズムにあっても食べることに手を抜かないオンマの姿勢の根底には、周りの人がお腹を空かせているのを二度と見たくないという苛烈な戦争体験から来る思いが垣間見え、韓国ドラマでよく挨拶がわりのセリフとして出てくる「パンモゴッソ?」が戦争の名残であることを痛感させられた。
    私がテキサスに住んでいた時、おからを求めて何キロも車を走らせる先輩日本人の行動力に驚いたことがある。
    郷愁をおからに見出し、手に入れることに全力を注いでいた姿を著者の母のキムチのエピソードで思い出した。
    人間は食べることをエネルギーに変えることができるし、食べることでエネルギーを蓄えることができるんだと思う。

    2人目の母のターンで、当時15歳だった筆者が独学で母の疾患名に辿り着き、さらに母の様子とDSMの症例を比べる描写があり、どれだけ不安だっただろうかと悲しくなったが、ブラウン大へ進学することで地元を離れ「わたしたちは力強くて美しいかませ犬!」と仲間と笑う若者らしい姿も記されていてホッとした。ヤングケアラーではない時間が筆者にあって本当に良かった。この頃の出会いがこの本の訳者と繋がっているとあとがきで知り、胸が熱くなった。

    3人目の母と表記される晩年の闘病描写は哀しいけれど、ブラックベリーレディの頃に著者のことをクラストガールと愛を込めて呼ぶ姿がちらりと垣間見える日があり、母然としていて美しく切ない。1人目の母に戻ることはないけれど、3人目の母の中に1人目の母は確実にいる。
    「知性で働きなさい、身体ではなく!」という毅然として取り入る隙のないオンマの姿勢は、時代に翻弄され凄惨なくらしを送ってきたオンマとして、娘が性産業で生きる選択に直面する必要がないようにするためのまっすぐな愛で、筆者が読んでいた"学ぶことは、とびこえること"そのものだなと思う。
    生存と従属が隣り合わせのくらしを経て、娘の世代ではおなかいっぱい好きなものを食べられるよう愛と教養を授けたオンマの生き様に涙が止まらない。

    0
    2025年10月05日
  • 戦争みたいな味がする

    Posted by ブクログ

    手に取るかどうかを迷われているのなら是非!中身についての感想は控えますが(書ききれない)、筆者の取り上げたテーマだけではなく、むしろ痛々しいながらも温かさを失わない(失いかけながらも)家族記として読むのがいいかもしれない。親子という関係は誰にとっても避けようのないものだから、誰が読んでも痛みを感じる部分があるかも。

    0
    2025年09月01日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET