道木美晴の作品一覧
「道木美晴」の「涙を食べて生きた日々 摂食障害――体重28.4kgからの生還」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「道木美晴」の「涙を食べて生きた日々 摂食障害――体重28.4kgからの生還」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
摂食障害
こころの奥にある対処困難な行き詰まりを、食や体系のこだわりにすり替え、食生活の異常と心身の不調を引き起こす病気。
食べないと自分が危ないとわかっていても、食べられない。その生活をやめたいのに、怖くてやめられない。
摂食障害独特の考えが痛いほど分かる。共感しすぎて辛かった。
そのうえで、著者が自分の内面と向きあいながら、進んでいく姿が強く心に響いた。
摂食障害が「治る」って、何なんだろうとあらためて考えてしまう。
以下メモ
・自分の食事へのこだわりを守り続ければ、心の平穏を保っていられるのかもしれない。けれど、そこには誰もいない。私は一生、狭い部屋の中で、窓ガラス越しに外の世界を眺めながら死んでいくのだ。
・もし〈元に戻る〉ことが、病気になる前と同じ状態になることだとしたら、それはカロリーを全く気にせず一日三回食事できるようになったり、低体重でなくなったりすることなのだろうか。
摂食障害を克服するということが、依然と同じ食生活に戻ることだとはどうしても思えない。変えるべきは食事ではなく、自分自身ではないだろうか。
・私は子どもの頃からずっと、〈自分の価値を分かってくれる誰か〉を待っている。救世主のような存在が、膝を抱えた自分の手をひいてくれやしないかと、願っている。誰かが完璧な形を与えてくれると。
・摂食障害だった私にとって、食事は食べる以上の特別な意味があった。拒食も過食も、大切な何かを満たすための代償行為だ。だからそれを害されるのが心配で不安になるし、四六時中食べ物のことを考える。
私が満たそうとしてきたのは、きっと子どもの頃から感じてきた虚しさだ。
周りより劣等な生き物だと自分に言い聞かせながら、心の奥底では価値のある人間だといってほしくて仕方がなかった。
・摂食障害になったこの十数年の間に、他人の存在、行為の痕跡である作品、人が生きてきた時間の流れなど、様々な価値を身体で感じる経験をしてきた。長い時間をかけ、それらすべての現象に価値があるのだと実感することができて初めて、自分自身にも価値があるのだと心から思えるようになった。
価値は他人に承認を求めるものじゃない。存在自体が価値なのだ。
自分の心の中の空白は、自分でしか満たせない。
食べることで自分の心を満たしたりしない。それよりずっと素晴らしい方法を手に入れたから。