2023年8月刊行
個人的に受験競争、学歴主義、資本主義の渦中からはリタイアした身で、我が家族に対しても飛び込んでほしい、勝ち抜いてほしい、とは思わないが、新刊のリストの中で父子物語をテーマにした本が珍しく、目について読んでみた。
受験数年前からのスケジューリングや受験、塾システムの話もあるが、
...続きを読む個人的には一人っ子として愛情を父母から全面的に受け、小学6年生なのにわざわざ父(母)と塾の帰りの電車一時間かかるにも関わらず一緒に帰りたがり、父もそれに応えて毎日塾の最寄り駅まで迎えに行くほど、12歳でも親との愛情と信頼関係が成り立っていることが私自身の体験とは隔絶の感があり、一人っ子の特権?世代の違い?と興味深かった。私が5、6年生の頃は親と一緒の姿を友達に見られることさえ抵抗があったものだが…。愛情に対して素直だし、信頼関係がある。
所々、「恋人かっ!」とツッコみたくなるような愛情確認作業がある。
私の子が成長して興味ある進路を目指す上で、ただ「合格する」「プロになる」宣言に対して「ああ、いいね、頑張って」と口先で応援するだけでなく一度、実際にトップのグループや、大人のプロも見せることは大事であろう、と参考になった。
現代社会では一般的に会社に忠誠を尽くし、家族のため身を粉にして頑張る父は哀しいかな、家族からは空白に近い存在になりがちな中、息子第一に父子物語は貴重でいい本だった。