デイヴィッド・J・チャーマーズの作品一覧

「デイヴィッド・J・チャーマーズ」の「リアリティ+(プラス)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • リアリティ+(プラス) 上 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦
    4.0
    1~2巻2,530~2,640円 (税込)
    この世界は本物か? 現代の代表的哲学者によるテクノロジーと「心の哲学」探求の最先端 私たちがいるこの世界は本物なのだろうか? それが「確か」だとなぜわかるのか? テクノロジーが急速な発展を遂げるなか、古くて新しい哲学的難問があらためて問い直されている―― 現実(リアリティ)とは何か、どのようにしてそれを知ることができるのか。「シミュレーション仮説」「可能世界」「水槽の中の脳」など、さまざまな思考実験を通じ、見えてくるものとは。 現代哲学の第一人者チャーマーズが、哲学とテクノロジーを大胆に融合させ、新しい現実(リアリティ)、新しい世界観を提示する。 【内容】 序章 テクノフィロソフィーの冒険 第1部 バーチャル世界に関する重要な問い  第1章 これは実在するのか?  第2章 シミュレーション説とは何か? 第2部 知識を疑う  第3章 私たちに知識はあるのか?  第4章 外部世界は本当にあるのか?  第5章 私たちはシミュレーションの中にいるのだろうか? 第3部 リアリティの定義  第6章 リアリティとは何か?  第7章 神はひとつ上の階層にいるハッカーなのか?  第8章 宇宙は情報でできているのか?  第9章 シミュレーションがビットからイット説をつくったのか? 第4部 VRテクノロジーがつくる現実世界  第10章 VRヘッドセットは現実をつくり出すのか?  第11章 VR機器は錯覚を生む機械なのか?  第12章 ARは真の実在なのか?  第13章 ディープフェイクにだまされないためには

ユーザーレビュー

  • リアリティ+(プラス) 下 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

    Posted by ブクログ

    (上巻より)
     第5部はいよいよ本書の核心とも言える「心と意識」の問題に分け入っていく。まず著者は、VRではデカルト二元論が成立する可能性を指摘する。VR環境下のユーザーはバーチャルな身体を持つが、その脳は身体とは分離されVRの外にある。つまりVRでは事物を支配する物理学と、行動を支配する心理学の2つのプロセスが並走しているのだ。エリザベト女王はデカルトに宛てた書簡の中で、「物質でない心がどうやって物体を動かすことができるのか」という素朴だが厄介な質問をぶつけているが、無論、神経科学による究明が進んだ今日では唯物論がこの疑問を解消する。しかし、バーチャル世界を前提とすると様相が異なる。バーチャ

    0
    2023年08月20日
  • リアリティ+(プラス) 上 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

    Posted by ブクログ

     バーチャルリアリティ(VR)に関する本となるといかにも自然科学主義・還元主義的なものを連想してしまうが、本書のテーマはなんと〈形而上学〉である。「この世界には我々に現前してくる以上のものが備わっている」という形而上学的テーマに、科学革命以降のパラダイムを存分に適用しながら丁寧に取り組んでいく。〈テクノフィロソフィー〉(哲学はテクノロジーに関する新しい問いに光を当てるのを助け、テクノロジーは哲学に関する古い問いに光を当てるのを助ける)の理念のもと、VRを題材に昨今の思想界が敬して遠ざけてきた形而上学に真正面から取り組んだ意欲作と言える。

     本書のメインテーマが形而上学であるということは、議論

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    2023年08月20日
  • リアリティ+(プラス) 下 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

    Posted by ブクログ

    下巻は、より形而上学的に思考を深めていく。著者は「哲学的ゾンビ」でも有名なデイヴィッド・J・チャーマーズ。意識の学究が専門だ。「哲学的ゾンビ」とは、肉体に意識を持たない人間という思考実験。アバターやVR世界をヒントとして、意識の探索は続く。

    ― 哲学者のモーガン・ラックは2009年の論文「ゲーマーのジレンマ」で、ほとんどの人は、バーチャルの殺人(ノンプレイヤー・キャラクターを殺すこと)は道徳的に許せるのに、バーチャルの小児性愛は許せないと指摘している。性的暴力も同じだ。1982年に発売されたカスターズ・リベンジアタリ社のアダルトゲーム「Custer's Revenge』では、ネイテ

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    2024年09月25日
  • リアリティ+(プラス) 上 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

    Posted by ブクログ

    我々が生きているこの世界は、実在する世界なのだろうか。誰かの夢の中、あるいは、データ世界のシムピープルなのではないだろうか。そんな問いに挑戦するのが本書。「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という世界5分前仮説を唱えたのはバートランド・ラッセル。しかし、それに対して反論できない我々は、確かに虚構の中の虚像なのかもしれない。

    ― SFと哲学において強烈な思考実験は、シミュレートされた宇宙というアイデアだ。もしも私たちのいるこの宇宙がシミュレーションだとしたらどうか?何が起きるだろうか?
    ジェームズ・E・ガンの1955年の小説「裸の空(The Naked Sty)」は、ヘドニクス社の話(

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    2024年09月24日
  • リアリティ+(プラス) 下 バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

    Posted by ブクログ

    トロッコ問題などやっと誰でもがわかる問題がでてきた。ミルグラムなどの実験も出てきたので少し心理関係のことが説明されている。
     ただ、学部生が読んで卒論に仕えるか、ということでは不明。

    0
    2023年09月09日

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