吉村昭彦の作品一覧
「吉村昭彦」の「免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「吉村昭彦」の「免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
『免疫超入門』は、免疫を「病気を防ぐ仕組み」ではなく、全身を維持する巨大な管理システムとして捉え直す一冊だった。抗体やB細胞の仕組みだけでも十分驚きが多いが、読み進めるほどに免疫が、感染症・アレルギー・がん・老化・脳や精神疾患にまで関わることが見えてくる。特に印象的だったのは、免疫は頼もしい防御機構である一方、暴走すれば自らを傷つける危うさも持っているという点だ。新型コロナでのサイトカインストーム、関節リウマチ、アレルギー、免疫チェックポイント阻害薬の副作用など、すべてが「強力すぎる免疫」をどう制御するかという問題につながっていた。
また、老化細胞を若いうちは免疫が除去していることや、アルツハイマー病でアミロイドβを除去するミクログリアの機能低下など、「掃除しきれなくなることで老化や病気が進む」という構図も興味深かった。個体の老化と免疫老化が互いを加速させるという話には、老化は直線的ではなく、ある時点から加速度的に進むのではないかという印象を持った。
免疫学は「敵を倒す学問」というより、「炎症や免疫反応という危険な力をどう使い、どう止めるか」を扱う学問なのだと感じた。コロナ禍では感染者数やワクチン接種率ばかりを見ていたが、本書を通じて、その背後で身体の中で何が起きているのかを初めて具体的に理解できた気がする。日本人研究者の名前も多く登場し、日本の基礎研究の積み重ねの大きさも感じられる一冊だった。