作品一覧

  • 誰もが別れる一日
    3.7
    1巻1,496円 (税込)
    韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説
  • 終わりの始まり
    -
    1巻1,650円 (税込)
    韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 恋の記憶、家族の記憶、残酷で美しい春の記憶。 ソ・ユミは、私たち自身の傷と記憶を呼び覚まし、時の流れとは何かを伝えようとする。私たちはいつだって、人生の新しい章を始められるのだ。――櫻木みわ(小説家) 1970年代生まれの韓国女性作家、チョ・ナムジュ、ファン・ジョンウンなどと並び、韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 【目次】 第一部 第二部 作家の言葉 訳者の言葉 【著者】 ソ・ユミ 1975年ソウル生まれ。2007年「ファンタスティック蟻地獄」で文学手帳作家賞、同年「クールに一歩」で第1回チャンビ長編小説賞を受賞しデビュー 都市に暮らす人々の孤独や葛藤を温かい眼差しで繊細に描く韓国を代表する女性作家。 短編集に『当分は人間』『誰もが別れる一日』『今夜は大丈夫、明日のことはわからないが』長編に『ファンタスティック蟻地獄』『クールに一歩』『あなたのモンスター』『終わりの始まり』『隙間』『ホールディング、ターン』『私たちが失ったもの』エッセイに『ひとつの体の時間』などがある。 金みんじょん ソウル生まれ東京育ち。10代で来日、KBSラジオや京郷新聞などを通して日本のニュースを紹介し日本文化を韓国に伝える活動をしている。 慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。 韓国語の著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』韓国語への訳書に『那覇の市場で古本屋』(宇田智子著)『太陽と乙女』(森見登美彦著)『海を抱いて月に眠る』(深沢潮著)など。日本語への訳書は『私は男でフェミニストです』

ユーザーレビュー

  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    人生の色々なしがらみの中を一日一日耐えるように生きる人々を、激励もせず、悲劇にもせず、ただ寄り添うように描くのが心地良かった

    0
    2025年09月21日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    「小市民階層の危機と不安、そして新しい未来を模索するためにそれから自立しようとしている存在に極めて深い愛情を持っている作家」解説より。
    そのとおりで「ザ・現代韓国文学」という感じ。読み応えはあり、読ませる力もある。現実的な重さと苦さを味わいたいときには良い本。
    絶望でも大げさな希望でもなく、ジャッジもせず、ただそこにあるがままの姿を誠実に描いている。
    が、現実が重いので、結果的に作品も重い。
    生きることに疲れている人が迂闊に読むとグッタリしてしまうかも。そこに一筋の光を見いだせるかどうかは読者の力に委ねられている、そんな作品。

    0
    2025年07月23日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    20代の姉妹の、ある夫婦の夫の、妻の、中年女性の、
    格差や貧困、差別、介護、結婚生活、子供のことなど社会問題の中で必死に生きる「普通の人々」の「平凡な」暮らし6篇。

    不穏で不安でハッピーな感じではないのに、不思議と暗さや不幸な感じはなく淡々と語られています。
    そこがかえって誰もが抱える普遍的な人生の悩みや重荷といった感じでとても自然に受け止められて、共感を覚え、励まされるような気持ちにさえなります。
    この淡々とさっぱりした感じ、韓国文学の好きなところです。

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    2025年03月12日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    서유미 씨의 단편집(ソ・ユミさんの短編集)普通の人々に目を向けた作品を発表しているソ・ユミさん。六編の小説もどれも何処にもいそうな普通の人が主人公だ。모두가 헤어지는 하루(誰もが別れる一日)そして誰でもが感じている疎外感や悲しみ、束縛感や孤立感などをこれでもかと言うように味わいさせてくれる。そして一つだけでもそれからの解放を与えてくれる。韓国でも日本でも現代の都市では生きていく辛さは同じだろうなあ。新しい仕事を見つけるためにバイトを辞めるジンー「エートル」、詩を読み始めた男ー「犬の日々」、ベンチで寝る男ー「休暇」、旅先で失踪した夫ー「うしろ姿の発見」、離婚してサウナに住み着いた男ー「その後

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    2025年01月23日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    さらりと読んだんだけれど何箇所か、すごく刺さる文章があった。子どもが生まれてずっと一緒にいて毎日を必死ですごして、そういう生活が終わって復職するときに感じた寂しさをはっきりさせてくれた文章だった。必死で気がつかなかったけど、ここは私の人生でたぶんものすごく重要な部分だった。それがどこかで分かっていたから、写真を撮ってアルバムを作って何とか保存しようともがいた。
    「同時代性を信用しない」と言っていたのは、山田詠美だったか。今なら分かる。それは本当だ。今がどんなに大切な時か、自分で分かっているつもりの時は本当には分かっていなかったんだと、その時間が終わってからやっと分かる。

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    2025年03月12日

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