インハウスデザイナーが当たり前ではなかった銀行において、2016年に1人目デザイナーが入社した時から、デザイン文化を社内浸透させ、組織拡大にあたって試行錯誤したことが具体的内容をもって解像度高く説明されている。
打ち合わせに何でも顔を出す、やれることは何でもやることにより社内の信頼を確保。縦割りのプ
...続きを読むロジェクトが多い中、上記ステップを踏まえながら表層の見た目だけではない全体を横串で見た提案を行うなど、デザイナーのプレゼンス獲得にあたってのマインドセットとプロセスショウ
外部パートナーのデザイナー とは役割の違いを認識しつつ、場合によってはいい意味で垣根を作らなくするなど、柔軟かつ連携のとりやすい関係性を作っていった。
上流工程からデザイナーが関わるために、リサーチ文化醸成のために、重複プロジェクトを出来るだけなくして横断的かつ全社的な開発体制とするために、ワークショップや社外を含めた発信は積極的に
・2016年はじめてのインハウスデザイナーが入社
・ネット銀行などが交流してきており、スマホを使う若者にとって使いやすいUI/UXが銀行選びのポイントになっていた
・外部デザイナーとやりとりをしてデザインの有用性を認知、会社の内側から変えるために社員として採用することを推進
・デザイナーへの理解がまだまだの中、以下のことを実践した。
①とにかく顔を出す(何でも会議に出席)
②できることはなんでもやる(パワポのリデザイン)
③ちょっとした相談が増える
④領域が増える
⑤全体の動きが見える
⑥横串でデザイン提案もできる
①…
・少し抽象化すると以下の4ステップ
①デザイナーとしての信頼を積みあげる
②ユーザーにとって価値あるサービスを作る
③複数チャンネルのデザインを統一して、シームレスにつなぐ
④価値あるサービスを生むための仕組みを作る
・表面的なデザインだけではなく、企画スタートの初期から参入、UXから良くしていきたい旨を伝える
・地道に信頼を勝ち取っていくことで、人脈も拡がり、上流に加わるチャンスも生まれてくる
・経験豊富なデザイナーにアドバイスを求め、以下を賜る
【よくない点】
・他のデザイナーが何をやってるか把握してない
・各自が業務でいっぱいいっぱい
・将来の見通しがたたず、このままでよいか不安なまま業務してる
・どんなに頑張っても何も変えられないと思ってる
【やるべきこと】
・インハウスと受託デザイナーの違いの認識合わせ
・デザインチームの連帯感強化
・チーム一体化のためのミッション策定
・ミッション策定のためワークショップ実施
①各デザイナーが考える理想の状態を書きだす
②理想とのギャップを課題として洗い出す
③課題を分類する
(operation, management, process, culture)
・デザインチームとしての方向性を決定
・デザインチームのミッションを策定
・デザイナーのプレゼンス向上のため、デザイナーが入ったことによる効果(before, after)をわかりやすく提示 ※数値実績があるとなおよし
・企画担当者にUXデザインの重要性を理解してもらう(お客様にとっての理想の体験とは何か、お客様のゴールは何かを自然と考えられる)ために、社内で課題発見ワークショップを何度か行った。具体的には↓
①ペルソナになりきってサービス体験をするウォークスルーを実施
②社内のサービスを俯瞰するワークショップを実施。サービスブループリントを作ってお互いの認識合わせをした。 ※似たサービスが複数存在するときに共通点の洗い出し&一本化するために有効
・社外へのプレゼンス向上、人材獲得のためデザイナー向けイベントに登壇、note発信
・国内外のアプリベンチマーク(○×表作り)
・デザイナー自身がサービスを体験する
・迷わないための軸設定
①なぜこの色?→トンマナで悩む→ガイドラインに立ち返る
②なぜこの使い方?→機能の方向性で迷う→コンセプトに立ち返る
③使いやすい?→画面設計で迷う→ユーザーテストの結果を振り返る
・オンラインのロビーがコンセプト
・リニューアルプロジェクトの進め方
①スコープを決める
特に全体の構造に影響するヘッダー&ナビゲーションについて
②ステークホルダーを明確にする
③古いページで、削除できるものは削除する
④リサーチの実施
定量調査、ユーザーテスト、デプスインタビュー、カルチャーコードの調査
⑤コンセプト策定
⑥古いページのブラッシュアップ
・改善のポイント
①文字量の削減&図解の併用
②イメージの被りがちなストックフォトは使用せずにオリジナルイメージを使う
③スマホ、タブレット、PCが個別に作られてる(レスポンシブ対応していない)ならそれを見直す
④手続き中にさまざまなリンクが置かれていて別ページに遷移できてしまう(離脱しやすい)→文脈と関係ない動線は極力省く
⑤ボタンにはレベル(6レベル)を持たせて優先順位づけ
・プロジェクトごとに縦割りで見えにくいユーザー体験→一連の流れを可視化するストーリーボードをみんなで作るワークショップを実際
・ストーリーボードのイラストレベルはある程度イメージがしやすく、でも描き込みすぎないレベル
・デザインシステムの作成
①OKNG例の記載
②UIの用途説明
③近しい用途のUI同士を比較してのメリットデメリットの記載
④エラー&エンプティステートでは理由、解決策までわかるよう記載
※ショックや不安を煽らないようなライティングルールも定義
⑤アクセシビリティはWCAGに準拠したカラーコントラストで担保
・デザインシステム作るまでの段取り
①いつまでにどんなシステムを作るかの認識合わせ
②コンセプトを決めて、社内を巻き込んで問題提起
③デザインシステム浸透後の未来説明
④デザインシステムを企画担当に使ってもらう
・企画担当者をデザイナー化するとりくみ
①ワイヤーフレームやライティングの勉強会
②デザイナー以外も参加できるレビュー会
・過去プロジェクトのプロセス洗い出し
→理想のプロセスと照らし合わせ、何が必要だったかを確認する
・カスタマージャーニーマップマネジメント
→全社横断的なマップを作ることで重複案件を避ける、プロジェクト間の連携を強化する
・ライティングのポイント
→無駄な言葉を省く
→長すぎる分は分ける
→抽象的な装飾語ではなく、具体的な訴求ポイントとして書き出す
→専門用語、社内用語を避ける
→過剰な丁寧語は避ける
→結論は最初に伝える
→主語を明確にする