作品一覧

  • 地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理
    3.0
    1巻999円 (税込)
    「世界を動かす偉大なロシア」という信仰は、なぜ生まれたのか? 2022年2月に開始されたロシアによるウクライナ侵攻は世界を驚かせた。しかし、ロシアの歴史を振り返ると、モンゴル帝国、リトアニア、ポーランド、スウェーデン、オスマン帝国、ドイツなど常に四方の周辺諸国と戦争をし、国家消滅の危機にも陥りながら領土を拡大してきた。そのためロシアにとって戦争は歴史そのものであり、この国の偉大さを証明するものでもある。本書では、日本人には理解しがたいこうしたロシアの行動原理を、元駐ロシア外交官が、地政学、歴史、文化、対外政策などを複合して解説する。ロシアは何をしようとしているのか? ●序章 ロシアの行動を理解するために ●第1章 ロシア帝国の4つの地政空間 ●第2章 ロシア外交の方向性を変えた19世紀 ●第3章 ヨーロッパの地政学~世界大戦期のロシアとドイツ ●第4章 ロシアン・イデオロギー
  • ロシアの眼から見た日本 国防の条件を問いなおす
    4.5
    1巻1,078円 (税込)
    今こそ「戦争と平和」を冷静に問う 2014年、ウクライナ政変以後のロシアの行動は、我々日本人には”異様”に映る。だが逆に、「アメリカの核の傘」の下で平和を享受してきた戦後日本は、ロシアの眼からどう見えているのか? 急変する国際情勢の中で、東アジア地域の安定を生み出すために必要な、国防の論理とリアリズムとは何か。外交官としてロシアとの領土交渉などに関わってきた著者が、近視眼的に見ていては分からない日本の現在地と課題を歴史的に解き明かし、ウクライナ戦争以後の中長期的な安全保障のあり方を問う。

ユーザーレビュー

  • ロシアの眼から見た日本 国防の条件を問いなおす

    Posted by ブクログ

    ロシアから見た日本は、アメリカの「衛星国」としてしか見られておらず、交渉相手ともみられない冷徹なまなざしがあるのが現実。アジア諸国からは本来期待されている(た)はずが、その期待がしぼんでいるかも知れない。

    「シアター」として、日本の周りには北朝鮮、北方領土、尖閣地方、台湾等、リスクに囲まれており、いつ何が起こってもおかしくない。長い目で見れば、平和は戦争と戦争の間のつかの間の平和であり、大国間やアクターたちの微妙な均衡で成り立っているに過ぎない。

    このような状況で、衛星国である日本はいかにふるまうべきか。正面から切り込んだ良著と言える。著者はこの本を書くために外交官を辞めたのか?と思わせる

    0
    2024年04月04日
  • ロシアの眼から見た日本 国防の条件を問いなおす

    Posted by ブクログ

     本書は外交官の立場から、国際政治や外交を感情を入れずに実利で冷静に判断し、徹底したリアリズムで国際社会が書かれている。
     ウクライナ侵攻について、感情的にはロシアの蛮行は許せないが、一方的に我々の価値観で断じられるものでもなく、国家の関係を我々の価値観のみで考えるから間違っていると理解できた。
     日本はロシアを経済的に弱小国と捉え格下に見ているが、ロシアは戦後日本を非主権国家として一人前には見ていない。これについて、戦前からの日露関係を紐解いて合理的に論じられており、納得できた。
     戦前について自虐史観の反動なのか、最近は日本はアジア独立の盟主として振る舞ったとの史観に注目が集まっているよう

    0
    2023年07月29日
  • 地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理

    Posted by ブクログ

    ロシアのアイデンティティについて少し理解できた気がする。フランス革命やウィーン会議のあたりのナショナリズムの高揚、正教会への帰依がロシアの国民性を形作る。ヨーロッパ的なものとロシア的なもののちがいは、西ローマと東ローマの違いに起因するという考え方も、少し納得。
    本書でロシアの形成の歴史を俯瞰してみると、勢力均衡という考えが建国以来ずっとロシアにまとわりついていることがよく分かる。ウクライナ戦争でもキーとなるのは、トルコやポーランドなども含めた勢力均衡なのだろう。

    0
    2022年09月09日

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