亀山陽司の作品一覧
「亀山陽司」の「ロシアの眼から見た日本 国防の条件を問いなおす」「地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「亀山陽司」の「ロシアの眼から見た日本 国防の条件を問いなおす」「地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
ロシアから見た日本は、アメリカの「衛星国」としてしか見られておらず、交渉相手ともみられない冷徹なまなざしがあるのが現実。アジア諸国からは本来期待されている(た)はずが、その期待がしぼんでいるかも知れない。
「シアター」として、日本の周りには北朝鮮、北方領土、尖閣地方、台湾等、リスクに囲まれており、いつ何が起こってもおかしくない。長い目で見れば、平和は戦争と戦争の間のつかの間の平和であり、大国間やアクターたちの微妙な均衡で成り立っているに過ぎない。
このような状況で、衛星国である日本はいかにふるまうべきか。正面から切り込んだ良著と言える。著者はこの本を書くために外交官を辞めたのか?と思わせるほど、持論、正論をしっかりと示して、国民が正しい危機感を持つことと外交の重要性を示していると思う。
特に後半の、日本を守る観点からの論説は、その複雑性、重要性、現実性から大変勉強になった。外交とは大変幅広い要素からなる芸術品のようなもので、単に国力や戦力をカバーして行うだけのものではないようだ。人類の英知とも言える複雑な思考とセンスが求められる。
北京で読んだことも、より現実感を感じる一因だったかも知れない。また、いまやっている仕事に厚みや意義を与えてくれる一冊でもあった。出会いに感謝。
Posted by ブクログ
ユーラシア大陸にまたがる大国ロシア。その広大な領土は17,098,242平方キロメートル。これは勿論、世界第1位の広さであり、我が国日本の大凡45倍の大きさになる。2位のカナダが約998万 km²、アメリカもほぼカナダと同サイズであるから、圧倒的と言える。また、地球サイズで見れば、全陸地面積の約11%を占めている。面積だけ見れば「超」がつく巨大国家であるが、ソビエト連邦時代にソ連の枠組みでみれば約 2240 万㎢であるから、更に大きく桁違いとはまさにこの事だ。因みにこれだけ広いと国内時間も一つの基準というわけにはいかない。11もの時間帯(標準時)がある。2026年現在人口は145,872,300で、世界第9位。日本が126,860,300で第11位だから、前述した国土面積を考えると、日本の人口過密ぶりは目立つものの、ロシアの面積に対する人口が少なくも感じる。因みに1割程度の1300万人が首都モスクワ周辺に暮らしている(モスクワ州の州都でもある)。こうした国の外郭についてはネットや書籍で幾らでも知る事は出来るが、いざどの様な国かを説明しろと言われると私自身はよく知らないところが多い。
日本との関係で言うなら、日露戦争でバルチック艦隊を破ったり、中国東北部の遼東半島南端に位置する旅順を巡って死闘を繰り広げた二百三高地での闘い。そしてノモンハン事件で領土を争ったり、その後の太平洋戦争では最後に戦線布告をしてきた国(当時はソビエト)、最終的に未だ、北方四島を占拠する国として知る程度である。勿論その後1991年のソビエト社会主義共和国連邦としての最後の崩壊を迎えた事も、一般的な歴史の側面として知る程度に過ぎない。何となくレーニン、スターリン、フルシチョフ、ゴルバチョフ、エリツィンなどの名前を思い浮かべたり、KGBなどに代表されるスパイ国家と、あまり良い印象は持たない国でもある。
そのロシア(旧ソ連)が近年最も注目されるきっかけとなったのは、(冷戦終了後で言うなら)2014年のクリミア半島の占領と、それに続くウクライナ侵攻であろう。2014年頃からいづれはウクライナへ兵を進めるものと予想はされてきたが、辛うじて国際社会は安定し、まさかロシアほどの大国、国連の常任理事国の一角でもあるロシアが他国を侵略すること、戦争を起こすことなどないのではという淡い期待が世の中を占めていた、正にそれを裏切って、ブチャへ侵攻した時は、いよいよ(核戦争による)この世の終わりが遠い未来ではないことを思い知った。この侵攻から大分年月は経過したが、有り余る資源と広大な国土を持ち、経済制裁では根を上げないロシアは未だ戦い続ける事ができている。これに関しても様々な分析や予測をする書籍、特に地政学的な分析をする内容のものも多数出ているので、慌てて(私の様に)ロシアがどういった国か、それを率いるプーチンの人となりを知ろうとする人もいるだろう。そしてそれを単純な地政学的分析に当てはめても、それでも未だよくわからないという私の様な感覚を持つ人は多いのではないだろうか。
本書は正にそのよくわからないロシアを、歴史的、地政学的、イデオロギーなども深く分析する内容となっている。特に歴史については千年以上前から復習できるので、連綿と続く諸外国との闘争の歴史、広大故に周囲に抱える火種と宗教的な流れについて、統合的に見ていく事ができる本書からの学びは多い。あれだけ広ければ敵も多いし、人も多いし、多数の民族が暮らす国。そこに流れ続けるロシア国民の共通の考え方、それが未だプーチンを指導者として仰ぎ、止められない戦争の理由にもなっている。
そろそろいい加減にウクライナから撤退すればいいのにと、短絡的に考えたくもなるが、なぜ戦争が終わらないのか、なぜ続ける事ができるのか、そしてどの様にすればこの戦争が終わるのか。自分なりに(改めて)考えてみる前に、読んでおくと、より理解が進むだろう。考えてはいけない、感じるのが一番だ。
Posted by ブクログ
本書は外交官の立場から、国際政治や外交を感情を入れずに実利で冷静に判断し、徹底したリアリズムで国際社会が書かれている。
ウクライナ侵攻について、感情的にはロシアの蛮行は許せないが、一方的に我々の価値観で断じられるものでもなく、国家の関係を我々の価値観のみで考えるから間違っていると理解できた。
日本はロシアを経済的に弱小国と捉え格下に見ているが、ロシアは戦後日本を非主権国家として一人前には見ていない。これについて、戦前からの日露関係を紐解いて合理的に論じられており、納得できた。
戦前について自虐史観の反動なのか、最近は日本はアジア独立の盟主として振る舞ったとの史観に注目が集まっているように思う。どちらの主観も一面では真実であるかもしれないが、ロシアという明治維新以来の仮想敵国の目から日本を見ることで、日本の戦前の立ち振る舞いや現代ロシアの世界観、善悪で論じられない国際社会のリアルを見られる一冊であった。