大塚啓二郎の作品一覧
「大塚啓二郎」の「「革新と発展」の開発経済学」「なぜ貧しい国はなくならないのか(第3版) 正しい開発戦略を考える」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
難解な経済理論は用いず、基本的な図表と平易な説明で世界の貧困問題について記した良い解説書/開発経済学入門書だと思う。
長期的な国の発展には、多種多様な資本——人的資本(教育)、物的資本(土地や設備)、公的資本(インフラ)、社会関係資本(信頼関係)、知的資本(イノベーション)——が偏りなく必要で、それらを"正しい戦略" のもとでバランスよく発展させる必要がある、というのが本書を通じての私の理解である。
これらの資本を増加させるために、どのような問題に注意しながら、どのような順で開発を行うべきかという戦略性が欠けている点に、現在の開発支援の問題があると著者は指摘している。
さらに、その戦略性を議論するには、先進国や中進国の歴史から学ぶべきだと強く主張している。
私も強く同意する。科学技術は問題の根本的解決には必須だが、その結晶化までに多大の努力と時間を要する未来志向のアプローチである。今現在において何をすべきかは教えてくれず、それは歴史に尋ねるほかない。その点、歴史は現実志向だと感じられるのだ。
各国が内向きになり、他国への支援に疑問が呈される現在だが、途上国の支援は自国の経済にも裨益する重要な安全保障政策である。日本の歴史的経験の価値を認識し、それを適切に輸出できるような取り組みに期待したい。