作品一覧

  • わたしはあなたの涙になりたい

    わたしはあなたの涙になりたい

    ラノベ

    4.7
    1巻704円 (税込)
    これは、涙で始まり、涙で終わる物語。 全身が塩に変わって崩れていく奇病「塩化病」。その病で母親を亡くした少年・三枝八雲は、小学校の音楽室でひとりの少女と出会った。 美しく天才的なピアノ奏者であるその少女の名は、五十嵐揺月。鍵盤に触れる繊細なその指でいじめっ子の鼻を掴みひねり上げ、母親の過剰な期待に応えるべく人知れず努力する。さまざまな揺月の姿を誰よりも近いところから見ていた八雲は、我知らず彼女に心惹かれていく。 小学校を卒業し、ますます美しく魅力的に成長した揺月は、人々の崇拝と恋慕の対象となっていった。高校に進学する頃、すでにプロのピアニストとして活躍していた揺月はイタリアへと留学してしまう。世界を舞台にする揺月と、何者でもない自分との間にある圧倒的な差を痛感した八雲は、やがて小説を書き始める。 揺月との再会はある日唐突に訪れた――その再会が、自分の運命を大きく変えるものになることをその時の彼は知る由もなかった。 これは、涙で始まり、涙で終わる物語。 第16回小学館ライトノベル大賞にて、最高賞である大賞を受賞。 ゲスト審査員を務めたアニメ監督・磯光雄氏は、「審査なんかとんでもない。美しい物語をありがとう」と、本作へ最大級の賛辞を送った。 ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
  • バスタブで暮らす

    バスタブで暮らす

    ラノベ

    4.5
    1巻814円 (税込)
    22歳女子、実家のバスタブで暮らし始める。 「人間は、テンションが高すぎる」ーー 磯原めだかは、人とはちょっと違う感性を持つ女の子。 ちいさく生まれてちいさく育ち、欲望らしい欲望もほとんどない。物欲がない、食欲がない、恋愛に興味がない、将来は何者にもなりたくない。できれば二十歳で死にたい……。 オナラばかりする父、二度のがんを克服した母、いたずら好きでクリエイティブな兄、ゆかいな家族に支えられて、それなりに楽しく暮らしてきたけれど、就職のために実家を離れると、事件は起こった。上司のパワハラに耐えかね、心を病み、たった一ヶ月で実家にとんぼ返りしてしまったのだ。 逃げ込むように、こころ落ち着くバスタブのなかで暮らし始めることに。マットレスを敷き、ぬいぐるみを梱包材みたいに詰め、パソコンや小型冷蔵庫、電気ケトルを持ち込み……。さらには防音設備や冷暖房が完備され、バスルームが快適空間へと変貌を遂げていく。 けれど、磯原家もずっとそのままというわけにはいかなくて……。 「このライトノベルがすごい!2023」総合新作部門 第1位『わたしはあなたの涙になりたい』の【四季大雅×柳すえ】のコンビで贈る、笑って泣ける、新しい家族の物語。 ※「ガ報」付き! ※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

ユーザーレビュー

  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    1年で1〜2回、ラノベを読みたくなる時がある。それは一般文芸から少し離れて、ライトな文章を適当に読みたい時だ
    本作は、本当にたまたま無人の古書店で、たまたま目に入り、何の気なしに手に取り、なんとなく買った本だった。だが、読んでみてどうだ、このラノベの範疇を超える勢いは
    タイトルからすでに結末は見えている。にも関わらず、設定や構成、言葉のチョイス、キャラクターの魅力が物語の奥行きを重層的に形作っている。ジャンルは間違いなくラノベなのに、軽くなくて、読み応えがあった。帯にも絶賛の声、レビュー、評価も高かったので、同じように思っている人が多いのでしょう。数少ない、心に残るラノベでした。

    0
    2026年09月22日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    ただの感動モノで終わらないところが良かった。
    初見では意味の分からないプロローグのカットもしっかり回収されて、自分の中でのライトノベルのイメージがいい意味で変わった1作だった。
    もっと世に知られて欲しい。
    映像化したらもっと面白くなりそうだなと思いました。

    0
    2026年04月07日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初は難病もののお涙頂戴系悲恋小説かなと思いましたが、
    読み進めるとヒロイン揺月の魅せる屈託のない表情ひとつひとつが想像できる程愛着が湧き、
    最後は必ず別れが来てしまうと分かっていたとしても、
    主人公の八雲と揺月二人の逢瀬をずっと観ていたかったと思わせる気持ちと、
    揺月のいなくなった後喪失感に苛まれ引き籠る八雲でしたが、
    揺月のラストメッセージ
    そして彼の周りの人々の温かい支え
    その一つ一つが喪失から彼を立ち直らせ
    前を向いてもう一度歩いていこうする描写は、
    何回読み返しても涙が止まりませんでした…

    0
    2026年02月08日
  • わたしはあなたの涙になりたい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めっちゃ泣けました。
    東日本大震災に対する著者の考えが、揺月によって散りばめられていることが印象的。被災地出身ではあるが震災を経験していない身であり、自分を被災地の復興に利用していいのか。「物語化」され、それが消費されることは良いことなのか。
    安全地帯にいる人間が、憶測で福島は危険ということが許されるのか。福島県出身の著者の考えとして、こちらも改めて考えさせられる所があった。

    物語は王道展開ではある。が、「王道」だからこそ我々読者を引き付ける魅力があるように感じる。小学三年生での出会い(ここでは年齢に対して会話が高度すぎる気もした)から、大人になるまでの二人が描かれる。
    「塩化病」という確実に死に向かう病気で物語を進めるからこそ、切なさと儚さ、底に垣間見える愛情がより伝わってきた。

    「わたしはあなたの涙になりたい」 この題名の意味を知った時、思わず涙します。
    「美しい物語」という言葉を具現化している作品でした。とても大好きな作品になりました。

    0
    2026年01月20日
  • バスタブで暮らす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    四季大雅に弱いのかもしれない。泣いた。何者にもなりたくないめだかにモラトリアムを感じた。バスタブが魔改造されていくのが秘密基地のようで半ば羨望をおぼえつつ。能面や漬物石などが所謂妄想、鏡側の世界なのか現実で起こっているのかが曖昧なのが難しいと思ったが面白くもあった。世界の見え方に新鮮さを感じたり他の作品で似たような表現を見たことがあったりしたので。家族や友人に恵まれていたのがめだかの良かったところだなあと。強くて良い人だと思っていたので病気によって変貌する母に能面がついたのはショックだった。たまに父が翁になるのも心がざわざわした。その後神様、というので合点がいった。くじらを釣り上げる、っていうのが母と父に重なって感動した。兄いさきがずっと良い人。蒼も空回りする良い人。いさきのような兄が欲しいと思ったけど、めだかはただ心を病んでモラトリアムを延長させたんじゃなくて元から持ってる繊細さや魅力があったからなんだよな。あの兄弟はあの2人でなければ。顔も知らない人のために極めたASMRを母のためにして、恥ずかしくてできなかった鼓動もできたっていう。母が生きている間に成長したのとバスタブからの脱出ができたのは大きいと思う。母が息を引き取る瞬間はこの上なく美しく感じた。静かな日常ものに非日常を見る綺麗な話だった。これ映像化したらどうなるんだろう? というのは気になる。

    0
    2025年12月28日

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