作品一覧

  • 吸血鬼ハンターたちの読書会

    吸血鬼ハンターたちの読書会

    小説・文芸

    4.0
    1巻3,190円 (税込)
    アメリカ南部の高級住宅街に住むパトリシア。彼女の忙しい毎日の息抜きは、主婦仲間との連続殺人ノンフィクションの読書会だ。だがある晩、近所の嫌味な老婦人が血まみれでアライグマの死骸をむさぼっているのに遭遇し――不安と興奮に満ちた傑作吸血鬼ホラー
  • ファイナルガール・サポート・グループ

    ファイナルガール・サポート・グループ

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,430円 (税込)
    ファイナルガール(名詞)――ホラー映画で最後にただひとり生き残る者 『13日の金曜日』最初の〝ファイナルガール〟も推薦! 「警告しておきます。 本書は、深刻な不安を引き起こす可能性があります。 私を1980年代に引き戻した、クレイジーでエモーショナルな ジェットコースターのような作品」 ――エイドリアン・キング 『13日の金曜日』『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『エルム街の悪夢』『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』『スクリーム』 ーー名作ホラー/スラッシャー映画へのオマージュが満載。 シャーリーズ・セロン+アンディ・ムスキエティ監督(『IT イット』)で、 HBO MAXにてドラマシリーズ企画が進行中! 〈あらすじ〉 〝ファイナルガール〟とはーー ホラー映画でクレジットロールが流れるラストまで生き残った者のこと。 殺人鬼に反撃し、打ち負かし、友人たちの仇を討つ者。血まみれになりながらも勝利をおさめる者。 だが、サイレンが遠ざかり、観客が立ち去ったあと、彼女はどうなるのか? リネット・ターキントンは22年前の大殺戮を生き延びた現実のファイナルガール。 その経験は以後の彼女の生きる日々を決定づけた。 彼女はひとりではない。 想像を絶する殺人事件で生き残った女性のためのサポート・グループに10年以上にわたって参加。 ほかの5人のファイナルガールたちとセラピストとともに、壊されてしまった人生をひとつひとつ組み立て直そうとしている。 ところが、ひとりのメンバーがグループを欠席したとき、リネットの最大の危惧が現実のものとなる――。 グループの存在を知った何者かが彼女たちの人生を破壊しようと決意したのだ。 そして最初の犠牲者が……。 犯人は誰か? 真の目的は? そして〝ファイナルガール〟たちは、生き残ることが出来るのかーー。

ユーザーレビュー

  • ファイナルガール・サポート・グループ

    Posted by ブクログ

     様々なホラー/スラッシャー映画への愛情、小ネタに溢れていて、いきなり急ハンドルをきるような展開……読んでいて楽しかった。物語中盤以降の加速っぷりがたまらなかった。
     作者の別作品(吸血鬼ハンターたちの読書会)を読んでおり、そして今作。改めて、この作者は痛みや不快なものだとかそういう“嫌な描写”がうまいなと思った(両作品の翻訳者さんたちも!)。読み手が想像できて「うわっ」となってしまうような。

     置かれた状況は全く違い、一つとして経験したことはないものの、自分が同性なのもあってか、ファイナルガール達には不思議な共感を覚えた。特にリネット。もがき続けるあの姿は痛々しく、哀れみを感じたりや滑稽に見えたりもするのだけど、とても力強いなと思った。

     ホラー映画は好きでよく観ており、元ネタになっている作品は大体観たことがある。これまで「楽しんで」観ていたわけだけれど、今作を読んで(特にp.444)、ホラー映画を楽しむということについてちょっと立ち止まって考えてみる機会が持てた。(こういうことを書いたり言ったりすると真面目すぎとか何か色々言われたりするかもだけど)
    ホラー映画における様々な非対称性について。性別、人種、年齢、自身の感覚(現実では嫌だし憎むべき行為なのに、映画は楽しんでしまうというような)。



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    2025年07月26日
  • 吸血鬼ハンターたちの読書会

    Posted by ブクログ

    主婦 Housewife(名詞)ー軽薄で役に立たない女性または少女ーオックスフォード英語辞典 小型版 一九七一年

    この物語の舞台は、1988年〜1997年のアメリカ南部。主人公で主婦のパトリシアは、格式ばった読書会の参加をやめ、数人ほどの主婦たちの、犯罪実録書やホラー小説などを読む読書会に参加していた。
    ある日パトリシアは自宅の庭で、アライグマの死体を屠っていた隣人老婦に片耳を食いちぎられてしまう。
    そして謝罪に来たその老婦の大甥であるという男ジェームズを快く家に招き入れてしまう。
    しかしジェームズはなんと吸血鬼だったのだ!
    そしてそのことを知っているのは、パトリシアを始めとした読書会の主婦たちだけ…

    いやジェームズが吸血鬼って書いちゃうなんて重大なネタバレじゃないか!と思われそうだが(実際ジェームズが吸血鬼であると本文で断言されるまでかなりのページ数を要する)、これ本書のあらすじに書かれてるんですよ。
    それに、本書を楽しく(?)読み進めるうえで、この程度のネタバレは全然問題ないのである。
    (でも以下からはネタバレを多少含むのでご注意ください。)

    展開として、気づいた時にはジェームズは3年の月日をかけて地域全体を巻き込んで完全に地域に溶け込み、主人公たちの夫である白人男性たちの信頼を勝ち取ってしまっていた…という状況から、いかにしてジェームズを排除するのかが本題である。
    ジェームズは完全に地域に溶け込み切るまでに、既に黒人居住区の子どもたちを多く屠り死なせている。この居住区にはパトリシアの家の家事サポートや義母の介護サポートをしてくれているミセス・グリーンの家族もあり、ミセス・グリーンはパトリシアたちに助けを求めていた。
    しかしその時点で、パトリシアたちは黒人の子どもたちを助けることができず、いや、自己保身のために助けることを諦め見捨ててしまった。
    今度こそは自分たちの子どもたちを守りたい…!
    しかし状況はパトリシアの孤軍奮闘状態。
    1人じゃどうしようもない…
    どうすれば子どもたちを守れるだろう…?

    本書は手に汗握る、(そしてパトリシアの孤軍奮闘ぶりに冷や汗ダラダラ胃がキリキリする)ホラーエンターテイメントでありながら、主婦としての女性の立場、黒人の立場、白人男性の優位的な立場にスポットを当て、弱き者を弱き者として扱い続けてたまるかといった熱いメッセージを持っている。
    感想冒頭に引用した「主婦」の言葉の意味は、本書冒頭に書かれているものだ。
    また作者は、親たちの物語を書きたかった、自分の母親たちに吸血鬼と闘って欲しかった、と言っている。
    そしてこの物語における戦いは、「公正なものではない」、とも。

    直接的には吸血鬼と主婦たちの闘いであるが、実際的には優位にある白人男性たちと、地位の低い主婦や黒人たちとの闘いである、と感じた。
    物語で、ジェームズの危険性を訴えたパトリシアに対する、夫カーター(職業精神科医)による妻の扱いは侮蔑的なものだった。子どもたちの目の前で母親としての権威を失墜させ、精神病院に入院させママは異常なのだと見せつけた。それでいて自分は理想的な良き父親像を演じ、実際そうなのだと思い込んでいる。
    下手するとジェームズよりよっぽど「敵」ではないかと思ってしまった。鼻持ちならないキャラクターである(そしてそれらの行動は現在ではDVと認識されるものだろう)。この物語の時代柄、妻へのこういった扱いが認められていたのだろうが…
    またジェームズ自身も見た目は白人男性であり、自分の白人男性としての優位性と、世界で唯一存在する吸血鬼としての自尊心を過大に持ち備え、パトリシアたち主婦をかなり見下した暴言を吐いている。

    ホラーエンターテイメントであるが、これらの要素も加わり、かなり読み応えのある作品となっている。
    現在日本でも、主婦の立場は弱い。主婦の家の仕事の多さと忙しさを知りもしないで、主婦は気楽でいいなどと言われるのだから憤慨ものである。
    本書でも、パトリシアの誰にも(夫にも)助けられず育児家事にと目の回るような忙しさに追われている描写が細かくされている。
    それらの努力や愛情が、子どもになかなか伝わらないもどかしさも。
    ジェームズと対する時の主婦たちの連帯感と奮闘ぶりも見どころである。彼女たちの誰1人が欠けてもこの展開にはならない。

    ぜひたくさんの人に読んでほしい。

    また本書にはたくさんの実在するホラー小説や犯罪実録本が登場し、すべてではないがほとんどの章題がそれらの作品のタイトルから付けられている(「マディソン郡の橋」「冷血」「テッド・バンディー「アメリカの模範青年」の血塗られた闇」など)。
    参考文献もそれだけ膨大である。
    残念ながら、章題に使われた書物は私はどれも読んだことがないので、なぜこの章にこのタイトルが選ばれたのか、といった理由は分からない。
    面白そうなものがあれば、いくつか読んでみたいと思う。

    最後に、作者の著作は、本作が初邦訳だそうだ。
    面白い題材のホラー作品を書く方だと本作を読んで思ったので、ぜひ他の著作も邦訳・出版されてほしいものである。

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    2022年07月03日
  • ファイナルガール・サポート・グループ

    Posted by ブクログ

    あの映画やあの映画で、最後まで生き残った女性、ファイナル・ガールたち。映画が終わっても彼女たちの人生は続く。

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    2025年07月28日
  • ファイナルガール・サポート・グループ

    Posted by ブクログ

    昔のサイコ系スプラッタ映画好きはより楽しめる作品。
    主人公が統合失調オチだけはやめてくれ!とハラハラしながら読んだけど、大丈夫だった。
    スプラッタ系映画で生き残った人のその後ってどうなるのか確かに考えることはあんまりない、というかシリーズ化されてまた狙われるって事が多い。
    間に挟まれた映画の批評がリアル過ぎて現と区別が付かなくなってくるけど全部フィクションです。
    というかオマージュだったんですね、最後の解説で元ネタ映画全部見てて笑いました、エド・ゲイン(悪魔のいけにえ)元ネタはなんとなくわかったけどそれ以外は言われてああって感じ。

    犯人は予想と大ハズレで、いやまぁ言われてみたらそうかもって感じだけど相方は無理やりすぎる気もする?
    シリアルキラー好きってのは日本にも結構いるけど、信者がいて崇拝の対象で…っていうのはフィクションじゃないんでしょうか。
    銃社会というかアメリカの犯罪事情があんまりわからないのでその辺がファンタジー。

    気になったのは、性的虐待受けた的な匂わせがあるけどそういう描写は無いので、犯人の願望が絵になっただけなのだろうか?
    幼少期に何かあったのかそこの所は言及されてないのがちょっとモヤっとしたけど単純に構ってちゃん?

    一気読みしたのでもう一度読み返してみたいと思います。

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    2023年04月19日
  • ファイナルガール・サポート・グループ

    Posted by ブクログ

    殺人鬼による殺戮事件で最後に1人だけ生き残った女性=ファイナルガールたちを主人公にしたサスペンス小説。

    作中のスプラッター映画は現実に起きた事件を基に製作されており、その事件のファイナルガール本人も現実世界で有名になっているという設定。

    ただでさえややこしい設定の上に、語り手となる主人公が事件の影響から強迫性障害を発症していて、不安定な感情の地の文をひたすら読まされるため、序盤は小説の世界に入り込むのにちょっと苦労した。けれど世界観を把握してからは主人公のイカれ具合も含めてかなり面白くなってくる。

    ファイナルガールの1人が殺されたことから、ファイナルガール全員が狙われていると主人公が"確信"して行動を始めるも、誰も耳を貸してくれない。普通ならモヤモヤする展開だけど、この主人公も本当のことを言ってなかったりするので誰を信用していいのか読者も分からないまま進行するのが良かった。

    作中で登場する映画には元ネタがあったりするものの、同じくファイナルガールを題材にした映画『ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ』ほどメタネタに満ちた映画オタク向けの作品ではなく、サスペンススリラーとしてしっかり成立していて、ちょっと長かったものの後半は夢中になって読んだ。

    主人公のやり過ぎな言動も段々クセになってきて、一つの魅力になってた。

    0
    2023年01月15日

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