古今亭菊之丞の作品一覧

「古今亭菊之丞」の「小説 真景累ヶ淵」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 小説 真景累ヶ淵
    3.3
    1巻1,430円 (税込)
    執念いヤツらめ 一人の人間が堕ちてゆく 死出の旅 圓朝の大作を濃厚に煮つめ、小説へと昇華した作品である/古今亭菊之丞 ――この後女房を持てば 七人まではきっととり殺すからそう思え。 父を旗本に殺されたまま解決もできず、妹も奉公先で惨殺されてしまったお志賀。それから十七年、音曲の師匠豊志賀として生きてきた。稽古はにぎわっていたが、子ほども歳の離れた新吉と男女の仲になり、あまりの入れ揚げぶりに弟子たちも次第に離れていってしまう。そんな中でも通い続けていたお久に嫉妬したためか、顔に腫物ができてしまう。悪化する腫物とともに憎悪ももつのらせ、ついには呪詛の言葉を遺して死んでしまう。新吉は恐れおののきながらお久と下総に駆け落ちをするのだが―― 松浦シオリ・装画 名作落語にあらたな命を吹き込む、シリーズ第一弾! 古典落語の大名跡・三遊亭圓朝が創作した代表的作品のひとつ『真景累ヶ淵』を、時代小説の名手奥山景布子が小説化。人間の業の深さ、血縁と因縁が複雑に絡み合った愛憎劇を、時代小説として再編。人物関係図、解題を付す。本作には古今亭菊之丞が監修を行う。

ユーザーレビュー

  • 小説 真景累ヶ淵

    Posted by ブクログ

    三遊亭圓朝の芝居噺、真景累ヶ淵の時代小説版。

    宗悦殺しを以前神田松之丞さんがやっていたので、続きが気になっていました。
    多少、物足りなさはあるんですが、それでも十分に、たっぷりと聴くことができました。先に『圓朝』を読んでいたので、併せてたのしめたのもよかった。

    江戸時代現代よりドロドロしすぎ。女の嫉妬は死んで呪ってやる、男の嫉妬は殺してやるってどっちにしてもみんなヤキモチ焼きだったんだね。

    0
    2020年10月29日
  • 小説 真景累ヶ淵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めくるめく因縁が紡ぐ怪談。
    親同士から続く怨恨の間柄とも知らず、十以上の年の差を超えて惹かれ合う新吉と豊志賀。しかし仇の息子に溺れていく娘を戒めるかのように豊志賀の顔にできた瘍は、新吉の気持ちを急速に遠ざけていく。
    不誠実な年下の男への“この後妻を持てばきっととり殺す”という年上の女の執念は恐ろしくもどこか切ないな。二人の愛憎の行方も見所だが、お隅の悲壮な決意の仇討ちの決着を見届けたくなる後半もなかなか劇的。
    複雑に縺れ入り組んで繋がる登場人物の因果な系図に殺人という業の罪深さを思わずにはいられない。

    0
    2021年07月22日
  • 小説 真景累ヶ淵

    Posted by ブクログ

    累物の怪談と仇討物の物語。自分の男に関わる女は七代までも憑り殺すと書き残した連れ合いの執念。
    落語は、場面を細切りに演じるようで、全体の終局を迎えるように構成するため、場面ごとの詳細が掻い摘まんで噺されるようだが、小説だと端折ることなく、物語が進んでいくので良い。
    いつか落語も聞いてみたい。羽生山法蔵寺にて

    0
    2020年12月28日

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