駒ヶ嶺朋子の作品一覧
「駒ヶ嶺朋子」の「死の医学(インターナショナル新書)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
駒ヶ嶺朋子(1977年~)氏は、早大第一文学部卒、獨協医科大学医学部卒、国立病院機構東京医療センターにて研修,獨協医科大学大学院卒、等を経て、獨協医科大学大学病院脳神経内科に勤務。詩人でもあり、2000年に現代詩手帖賞を受賞(駒ヶ嶺朋乎名)している。
本書は、医師であり詩人でもある著者が、最新の医学的知見と芸術に対する深い造詣をもとに、魂と死についての考えを綴ったものである。
私は50代であるが、人並に死や脳の働きについての関心を持ち、これまでに、本書にも出てくるエリザベス・キューブラー=ロスの『死の瞬間』やハーバード大学の脳外科医エベン・アレグザンダーの『プルーフ・オブ・ヘヴン』のほか、岸本英夫『死を見つめる心』、遠藤周作『死について考える』、鎌田東二『日本人は死んだらどこへ行くのか』、竹倉史人『輪廻転生』、オリヴァー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』、恩蔵絢子『脳科学者の母が、認知症になる』、坪倉優介『記憶喪失になったぼくが見た世界』、クリスティン・バーネット『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』等々、様々な本を読んできたが、本書については、帯の「臨死体験、体外離脱、金縛り、憑依」というワードがまず目に留まり(私自身、頻度高く「金縛り」にあう)、それについて現役の医師が書いているという興味から手に取った。
そして、本書の目次は、
第1章:魂はさまよう~体外離脱体験は「存在」する
第2章:「暗いトンネル」を抜けて~臨死体験はなぜ起きるのか
第3章:譲り渡される命と心~誰が「生と死のボーダーライン」を決めるのか
第4章:生と死が重なる時~「看取り」と「喪」はつながっている
第5章:カゴの中の自由な心~私たちは「幻想」の中で生きている
第6章:擬死と芸術表現~解離症と「生き抜く力」
となっており、内容は、体外離脱体験や臨死体験の医学的なメカニズムに留まらず、生と死のボーダーラインの考え方、我々は自分と(身近な)他者の死にどう向き合うべきなのか、体外離脱体験等を含む「解離症」と芸術表現(詩、舞踊、演劇等)の関係などに及び、そのスコープはかなり広くなっている。
また、それ故に、学術的というよりはエッセイに近いが、いずれにしても、医師であるだけでなく、詩人としての視点を持つ著者だからこそ書き得た、ユニークな本であることは間違いない。
様々な切り口から「魂と死」を考えてみる上で、参考となる一冊と言えるだろう。
(2022年3月了)