ユーザーレビュー 江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂徠、貝原益軒、石田梅岩、本居宣長、平田篤胤、中村敬宇、中江兆民.一度は聞いたことのある名前だが、経歴や著書、さらに思想的な背景などを、これだけ詳細に読んだのは初めてだったが、非常に刺激を受けた.漢文の素読がある程度の家庭では子供たちに強制された江戸時代だとの論評もあるが、上...続きを読む記の人物ではそのようなステップに恵まれなかった人もいる.独学だ.それだけ書物が普及してい事も驚きだが、そこまでして知識を吸収していった人たちも素晴らしい.現代の学校の機能不全を「終章」で指摘しているが、非常に重要な観点だと感じた. Posted by ブクログ 江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 江戸時代の「知」は「書く」ことから始め、四書五経を素読(暗記)し、講釈・演説と出版物が「知」を広めた、とある。 その「近代の知」から現代のインターネット社会でのデータ・知の共有、AIとの関連など「未来の知」はどうなるのだろうか。教育では年齢別の授業も変化し、若い博士(10代でも)専門家が現れ、世の技...続きを読む術革新が数倍以上に加速し、人間の「知」がAIロボット支流の世になるかもしれない。 Posted by ブクログ 江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 闇斎→仁斎→徂徠→益軒→梅岩→宣長→篤胤の順で、漢籍、倫理などの学びがどのように変遷していったのかを、簡潔にわかりやすく。素読百回か、カリスマ的な師の喝を受けるか、同好の士と談論風発が良いか、という軸と、経世の学を求めるのか、魂の沈静を求めるのかという軸が、くるくる回りながら江戸時代が流れて行く。 Posted by ブクログ 江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 江戸時代の思想家の、特に教授法がよくわかる。時代のメディアとの関連で考察していることが興味深い。もちろん、各思想家の概略も説明されているが、より詳細には巻末の参考文献に頼りたい。今まで、あまり縁のなかった分野であるが、本書をきっかけに学んでいきたい。学び、そしてその身体化において、基本は、いつの時代...続きを読むにおいても読書(素読であったとしても)にあるを思う。索引があるとよかった。 Posted by ブクログ 江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 維新ものを読んでいて、改めて江戸社会における儒学者たちに興味が向いたので、知っている著者で手に取った一冊。 近世儒学者たちの思想が、論旨である学びの型という視点から分かりやすくまとめられており、詳しくないわたしにも一人一人の考えが概観できる内容だと思った。 個人的には最終章で取り上げている明六世代に...続きを読むついて、もう少し厚みがあると論旨が一層際立ったと思う。他の章で取り上げている人物たちと比べると、少し物足りなさを感じた。 しかし、近世の思想の潤沢さについて改めて気付かされたし、知の身体化という観点自体から学びを見つめ直したときに、考えさせられることは多い。 やはり、歴史を通じて生きている今を相対化するという活動は大事なのだと感じた一冊である。 Posted by ブクログ 辻本雅史のレビューをもっと見る