アンタイラーの作品一覧
「アンタイラー」の「この道の先に、いつもの赤毛」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
『マイカ・モーティマーのような男は、何を考えて生きているのかわからない。……』
という最初のセンテンスだけを思いついてこの話を書きはじめたそうだ。
一言で言えば、まあ堅物の人付き合いの上手くできない人マイカ。
アパートの管理と、パソコンなどの技術サービスをしている。
運転しているときは、『交通監視システム』に、制限速度を守り、ウィンカーを出し、静かなブレーキ操作をすることをしっかり評価されていると空想しながら。
彼女とはなにかチグハグでうまくいかず、そこに大学時代のガールフレンドの息子がやってくる…
そこから色々なことが起き、そのガールフレンドにも何か言われ…
少しずつ人の心がわかってくるのか、1人が寂しいと思うのか、ちょっとだけ進んだように話は終わる。
ふだんの話がそのまま綴られていて、それでも少し変化がある感じがアン・タイラーらしい。
やっぱりアン・タイラーはいいなと思う。もう80歳を過ぎたらしいけれど、まだまだ書いて欲しい。
Posted by ブクログ
石に刻んだように決まりきった毎日を過ごす43歳のマイカ・モーティマー。
なんだか…わりといそうだよね、こういう人、っていう感じ。「完璧」な暮らしをしていて、自分は何も悪くないと思っていて、なのになぜかうまくいかないことが多くて、人生なんてこんなものって思い込んで、暴れるでもなくヤケになるでもなく静かに暮らす中年男性。まるで自分の父親を見ているかのような気持ちにもなる。
主人公マイカの人生はよくあるごく普通の話だし、しかもこんな地味な中年男性。だけど、物語には彩りがある。なんてことはないのに、目が離せなくてどんどん読み進めたくなってしまう。
ちょっと眉をひそめてしまいそうなマイカの家族の話も、そこにはごく普通の日常と確かな愛が溢れていて、そのシーンを読み終えると愛おしいものになってしまうのだ。
特に後半部分では、マイカの行動の変化にドギマギしてしまって、これから何かが起こることを期待しつつページをめくる。
ほんの少しのことだけど、完璧だったマイカの行動を少し変えるだけで読み手を不安にさせる手腕に、すごいなぁと思った。
タイトルも素晴らしい。途中で「あ、なるほど!これがタイトルか!」と気づくのだけど、本当に全てが素晴らしいと思って感激してしまった。
他の作品も読んでみたい。