前田和泉の作品一覧
「前田和泉」の「これからはじめる ロシア語入門」「緑の天幕」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「前田和泉」の「これからはじめる ロシア語入門」「緑の天幕」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
大作でした. 1953年のスターリンの死から1996年までが舞台であるが,1996年は完全に後日談であり,ほぼ全編にわたってソ連におけるフルシチョフ&ブレジネフ時代の抑圧された社会と,それに抗う人々が描かれている. 表紙には「幼なじみの3人の少年と,そこに同世代の3人の女性が交錯し,」とあるのだが,主人公たちは3人の少年たちで,彼らを軸に市井の人々(とはいっても,KGBの監視下にあるような,反体制派知識人が多いのだが)の物語が綴られる. 3人が成長して以降は時系列もバラバラになり,また,登場人物も多いので,何度も以前の章に戻って確認をしながら読み進める羽目になりました.人物一覧や相関図を作りな
Posted by ブクログ
『「死んだのよ!何寝てるの、このバカ!起きてよ!スターリンが死んだのよ!」「発表があったのか?」父は前髪が額に貼りついた大きな頭を起こした。「病気だって言ってた。でも死んだんだよ、絶対そうよ、死んだのさ!私の勘がそう言うんだよ!」それからまた訳のわからない叫び声が続き、その合間に芝居じみた問いかけが差し挟まれるのだった。「ああ、何てこと!一体これからどうなるの?私たちみんなどうなっちまうの?どうなるのさ?」父は軽く顔をしかめて乱暴に言い放った。「何叫んでるんだ、おまえバカじゃないのか?これ以上悪くなんかなりようがないだろ!」』―『プロローグ』
これまで読んだリュドミラ・ウリツカヤの「ソーネチ
Posted by ブクログ
「おまえバカじゃないのか?これ以上悪くなんかなりようがないだろ!」(P9)
1953年スターリンの死から始まって、1996年1月28日までの人間模様が描かれる。
主要な登場人物は3人の男子、イリヤ、サーシャ、ミーハ。彼らは良き先生に出会い成長していく。彼らを軸に蜘蛛の巣のように張り巡らされた人間関係が描かれる。物語は時計の針が行きつ戻りつ、閉じられた物語に違う扉が取り付けられまた開かれる。彼らの若さゆえの情熱から生じる軽率な行動は希望と絶望をもたらす。
誰がどうなるのか、というより「この国は、歴史は、どうなってしまうのだろうか?」という、時代のうねりを感じつつ読むことができました。
ロ
Posted by ブクログ
イリヤ、サーニャ、ミーハ3人の少年の生い立ち、成長を中心とした物語、その1人イリヤと学友オーリャの書き表しが多くを占めるのは、イリヤの個性が突出してソ連という時代背景から波乱万丈という生涯が輝きを放ち著者に最も訴えたからだろうか。
3人が兵役に適性を欠いた事が彼らにとって幸運だった。
3人とも家族環境やシェンゲリ先生を中心としたリュルスの活動で思春期の彼らの思想や理念、哲学が育まれ、自分に正直に生きた人生だったと思う。
登場人物が多く関係をつかむのが難しかった。
あの強権的、独裁国家の共産国ソ連という国で、そこには思想や言論、見聞、読書、広報、文化等に制限された困難な状況において、この小説は