緑の天幕

緑の天幕

いつも文学だけが拠りどころだった――。スターリンが死んだ一九五〇年代初めに出会い、ソ連崩壊までの激動の時代を駆け抜けた三人の幼なじみを描く群像劇。近年ではノーベル文学賞候補にも目される女性作家が、名もなき人々の成長のドラマを描き、強大なシステムに飲み込まれることに抗する精神を謳いあげた新たな代表作。

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緑の天幕 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大作でした.
1953年のスターリンの死から1996年までが舞台であるが,1996年は完全に後日談であり,ほぼ全編にわたってソ連におけるフルシチョフ&ブレジネフ時代の抑圧された社会と,それに抗う人々が描かれている.
表紙には「幼なじみの3人の少年と,そこに同世代の3人の女性が交錯し,」とあるのだが,

    0
    2022年07月17日

    Posted by ブクログ

    『「死んだのよ!何寝てるの、このバカ!起きてよ!スターリンが死んだのよ!」「発表があったのか?」父は前髪が額に貼りついた大きな頭を起こした。「病気だって言ってた。でも死んだんだよ、絶対そうよ、死んだのさ!私の勘がそう言うんだよ!」それからまた訳のわからない叫び声が続き、その合間に芝居じみた問いかけが

    0
    2022年05月16日

    Posted by ブクログ

    イリヤ、サーニャ、ミーハ3人の少年の生い立ち、成長を中心とした物語、その1人イリヤと学友オーリャの書き表しが多くを占めるのは、イリヤの個性が突出してソ連という時代背景から波乱万丈という生涯が輝きを放ち著者に最も訴えたからだろうか。
    3人が兵役に適性を欠いた事が彼らにとって幸運だった。
    3人とも家族環

    0
    2022年02月05日

    Posted by ブクログ

    ソ連からロシアへ。人も時間も目まぐるしく入れ替わり語られる壮大なサーガ。

    小さな町々、そこでは真実を教えてもらえない。
    いや、真実など必要あるまい?どのみちそれは昨日のことなのだから•••

    0
    2024年09月25日

    Posted by ブクログ

    スターリンの死から始まり、ソ連崩壊後の90年代まで、毒舌で行動的なイリヤ、音楽的才能に恵まれたサーニャ、読書好きで赤毛のユダヤ系ロシア人 ミーハの3人の少年と彼らを取り巻くたくさんの人たち、ソ連という国のシステムに取り込まれ、ある人は抗い、ある人は心が折れてしまう、そういう群像劇を、実在した人物や事

    0
    2022年10月09日

    Posted by ブクログ

    ソ連70年。
    そこに暮らした市井の人々が織りなすタペストリー。

    美しい少年時代から、苦悩をはらむ青年時代を経て、
    重苦しい抑圧に怯え抗う大人たちへ。

    ロシアの広大さ、深さ、そして長い冬がまるで目の前にあるようなぶ厚い700ページ。
    人物関係図を乗せなかった新潮社は、きっと「悔しかったら自分で作れ

    0
    2022年01月18日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一貫して非常に面白い小説でした。
    文学や音楽、絵画が多数引用され、文化的な豊かさを感じました。
    シェンゲリ先生が、”人間がどのような通過儀礼を持ってして文化的で道徳的な成熟した人間になるのか”と考察しているところは私も興味あるテーマだったので、カーチャとの結婚後のシェンゲリ先生があまり登場せず語られ

    0
    2023年05月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「おまえバカじゃないのか?これ以上悪くなんかなりようがないだろ!」(P9)

    1953年スターリンの死から始まって、1996年1月28日までの人間模様が描かれる。

    主要な登場人物は3人の男子、イリヤ、サーシャ、ミーハ。彼らは良き先生に出会い成長していく。彼らを軸に蜘蛛の巣のように張り巡らされた人間

    0
    2022年03月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    辞書みたいに厚い本だった。
    GWの課題にした。

    3にんの幼馴染と3にんの女性。
    ソヴィエトからロシアへ。
    時間の流れとともに物語が進行していく。

    一生ってわけではなかった。
    オーリャとイリヤが中心だったような。
    非合法文書に,関わるとはどういうことだったのか。
    反体制派の本を今は出版してもいい時

    0
    2022年05月08日

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