作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ梨木香歩さんのエッセイに何度も出てきたので、懐かしくなって再読。
私は北方民族の物語への興味から、北方民族の人たちの文化や生活を学び始めたので、麻子が時に現実に直面して、怯える姿がわかるような気がした。自分も北方へ行ってこんな現実に出逢ったら恐ろしいと思う。ましてや小学生の麻子には。
物語も北方の少年たちを描いた「ちびっこカムのぼうけん」や「ヌーチェのぼうけん」のような明るい基調はなく、麻子の視点で当時の生活がリアルに描かれていく。
「つつみ」に巻き込まれて命を落としたり、氷の穴に吸い込まれて行方不明になる幼い子供。タコと呼ばれる人たちが奴隷のように扱われる様や、結核など病魔に侵されること。恐 -
Posted by ブクログ
再読。祖母の蔵書を譲り受けたもの、1976年発行、初版。
レビューというか、物語の本質とは関係無いところばかりの自分語りになっちゃいます。長くなりそうな予感。
私の父は終戦を樺太で迎えました。当時4歳。玉音放送の記憶があるそうです。
主人公の麻子のお父さんが働いている三井鉱山が掘っている石炭や「つつみ」で流される木材は、敷香の街に送られます。
昭和22年に亡くなった祖父は、王子製紙の社員だったそうなので、作中の人絹パルプ工場とは祖父の働いていたところなのでしょう。
樺太での生活(恐らくは厳しい自然との闘いでもあった)や、それでも祖父が生きており幸せだった頃のことを思い出しながら祖母はこの本を -
Posted by ブクログ
イギリス(アイルランドを含まない)の昔話、木下順二訳。
話自体は全部知っているものだったが、それだけに 翻訳が違うとここまで違うということに驚かされた。個人的な好みからすると、本書は訳者の色が出過ぎであると思う。昔話は本来おもしろいものなので、そのままさしだしてくれるだけでいいのだが。
また、声に出して読むための文章でないのも意外だった。劇作家なのに。『かにむかし』のリズミカルな響きとはずいぶん違う。このままでは、素話のテキストとしては使えないだろう。
さらに、「訳者の流儀」ではすまされない重大な違いがいくつかあってすごく気になった…。(だが原典に当たるほどの気はしない。)
知らない話だったら