田口一成の作品一覧
「田口一成」の「9割の社会問題はビジネスで解決できる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田口一成」の「9割の社会問題はビジネスで解決できる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
【課題から考える】誰の何を変えるために、事業をつくるのか
私がこの本で最も印象に残ったのは、事業を考える「順番」です。まず、誰が何に困っているのかを確かめる。次に、その問題を解決するために守る条件を決める。そのうえで、何を誰に売れば事業として続けられるかを考える。この順番が、具体例を通じて丁寧に書かれています。
例えば、ミャンマーの小規模農家を支えるハーブティーの事業。農家が暮らしていける価格で作物を買い、それを日本の母親たちが求める商品につなげます。助けたい人と、お金を払うお客さんは同じでなくてもよい。農家の生活を支える条件を先に置くからこそ、それを成り立たせる商品の価値や売り先を真剣に考える必要があるのだと分かります。
難民を雇用するパソコン再生事業の話も心に残りました。黒字になっても、働く難民の孤立が残っていると分かり、一緒に働く時間を確保できるよう販売方法を変える。売り上げだけでは、当初の目的を達成したことにはならない。「誰の、どんな状態を変えたかったのか」に立ち返る姿勢に、課題から事業を考えることの意味がよく表れています。
一方で、善意があれば続くという甘い話でもありません。お客さんには品質や価格で選ばれる必要があり、利益を出すことも当事者への責任になる。仲間を応援する気持ちが撤退を遅らせ、損失を膨らませた経験まで語られます。資金を使い切る前にどう撤退を判断するかは、実務ではさらに詰めたい点ですが、失敗を制度の見直しにつなげる姿勢には説得力がありました。
2021年5月の刊行から約5年が経った今、その後の公開情報も合わせると、もう一つ考えさせられます。起業家への資金提供は、会社への出資から経営者本人への寄付へ変わったと説明されています。支える相手の自立を大切にするために、支援の形そのものも変える。本書の考え方は、完成した制度を守ることより、目的に照らして仕組みを問い直すことにあるのだと、私は受け止めました。
新しいサービスを考えると、つい何をつくるか、どう売るかが先に立ちます。この本を通じて私が持ち帰りたいのは、その前に、相手の困りごとを本当に理解しているかを確かめる姿勢です。利益を生む工夫も、事業を変える判断も、その問いにつながっている。社会のためという言葉を、日々の具体的な判断にまで落とし込む本でした。
Posted by ブクログ
仕事の意義を考えていた時に出会った本
人生の半分近くを占める仕事
自分のしていることが、根本的に社会のためになっているのか、前々からモヤモヤすることがあった(なっていないとは薄々気付いてはいた)
最初の5ページ、自分が著者とドンピシャ同じ考えで引き込まれた。
今緊急で手を差し伸べて欲しい人が日本含め、世界中に多くいるが、効率を求める資本主義の日本では、ビジネスにおいてそれらにフォーカスを当てない。利益、売上こそが全てだから。
世界には栄養失調で苦しむ人がいるのに、食べられるものでも大量廃棄している現状。。
本書企業のように「社会問題だけを解決する会社」が世界中で増えれば、今と未来が非常に明るくなるだろうにと素直に感じた。
同じ地球の人間として、困窮している人に手を差し伸べ、これからの子どもたちが住む地球環境保全等に携わりたいと強く感じた。
Posted by ブクログ
純粋に田口さんがすごいと感じた。ソーシャルビジネスだけを実施する会社をいくつも作って実践しているのはすごいし、そこに至るまでのプロセス、コンセプトもしっかり構築している。色々な試行錯誤を経て今があるのだろうが、それを積み上げてきたことは賞賛に値する。
出資は一切受け付けないというコンセプトは個人的には賛同した。そして社会課題解決においては売上ではなくソーシャルインパクトで計測するということであったり、顧客のペインを徹底してヒアリングで炙り出していくことであったり、社会課題解決は人によってアプローチの仕方が違うということであったりは起業を志すものにとっては非常に参考にすべきことであろう。
一つ一つの売り上げ規模は小さくても10億1000社で1兆円という考え方も面白い。世の中に無数ある社会課題に対して社会起業家を1人でも多く輩出することが大事だとする考え方に納得した。
マイクロ起業や週末起業といいう単位でも社会課題に関わろうとする人にとっても参考になるだろう。ボーダーレスグループのフレームワークを惜しみなく教えてくれることも好感的であった。
恩送りのシステムであったり、印税を全額ハチドリ電力に寄付することであったり、どこまでも自分の私利私欲を切り離して世の中の社会課題解決に注力している人なのだと感じた。