村上晃一の作品一覧
「村上晃一」の「評伝 平尾誠二」「仲間を信じて ラグビーが教えてくれたもの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「村上晃一」の「評伝 平尾誠二」「仲間を信じて ラグビーが教えてくれたもの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「評伝 平尾誠二」は全部で9章で、構成されていて、私は「第4章 ありえない勝利」を特に興味深く、読ませていただきました。
この第4章は、平尾誠二さんが神戸製鋼入社から、8連覇ならず現役引退するまでのことが、書かれていました。
その中でも、全国社会人大会の3連覇のかかった決勝戦の対三洋電機戦が、印象に残ってます。
この試合は、中学生の時に観て、とても興奮し、感動した試合として、35年以上たった今でもはっきり覚えています。
そのシーンを本文から、自分なりにアレンジして要約してみた。
12ー16でロスタイムの時間帯に入った。
1トライ、1ゴールの6点で逆転できる点差。
神戸製鋼陣に10メートルほど入った右中間の、神戸製鋼ボールスクラム。
トライラインまで約60メートル。プレーが途切れたら即ノーサイド。
ラストワンプレーだった。
平尾誠二の出したサインプレーは、スクラムからフィールドを横切るように、大きく左へパスを繋ぐものだった。
リスクのあるプレー選択だった。
ボールを受けた左ウィングの綾城は、三洋電機のタックラーに捕まりながらボールを生かした。
直後、密集の左サイドをナンバー8の大西一平が突進した。
シナリ・ラトゥーを巻き込むためだ。
ラトゥーは、最強のディフェンダーで日本代表では守護神と呼ばれていた。
上手く巻き込めれば、ラトゥーは次のディフェンスには走れない。
ここから広くなった右サイドに、ボールを大きく展開した。
SOの藪木から平尾へのパスは、ワンバウンドした。
これを平尾は難なくすくいあげる。平尾はこういうときのために、日ごろからワンバウンドのパスを受ける練習をしていたのだ。
パスをすくいあげた平尾は、少し前に出ながら、ウィリアムズをマークしていたナモアとすれ違いざまに、パスを送る。
少し後ろにそれたボールを、ウィリアムズは難なくボールをキャッチした。
スローフォワードぎりぎりの、ここしかないという絶妙なパスだった。
ウィリアムズはそのまま加速した。
試合の最後で、疲れていたはずだが、前傾姿勢は崩れなかった。
練習で前傾姿勢を保って走り抜くインターバル走を繰り返した成果だった。
ナモアを振りきって、インゴール中央に走り込んでトライ。
その直後のコンバージョンゴールを、細川隆弘が決めて、18ー16と逆転。
劇的な大逆転勝利だった。
神戸製鋼はこれで3連覇を達成した。
この場面を解説した、村上晃一氏の本文を抜粋して紹介したい。
平尾はよく「実際の試合の前に試合は終わっている」と話していた。
全ての情報を頭に入れて、あらゆるシュミレーションを終えた上で試合に臨むからだ。
平尾の頭の中では、試合は後追いで、想定した現象が起こるものなのだ。
最後のトライも、イアン・ウィリアムズがトライを取るために、いったん左オープンを攻めて右側に大きなスペースを作り、ウィリアムズのスピードでトライを取るイメージがあったのだろう。
平尾誠二さんが、顔が格好良くて、華麗なステップで魅了することは、前からわかっていたが、その上試合の先を読み取るキレる頭まで持っていたとは知らなかった。
もし才能を差配する神がいたとするならば、この人に才能を集め過ぎだろ!!
不公平にも程があると、感じた「評伝 平尾誠二」だった。
Posted by ブクログ
ラグビージャーナリスト「村上晃一」が6人のラグビープレーヤ… 「大畑大介」、「菊谷崇」、「大東和美」、「井口剛志」、「林敏之」、「神谷考柄」のエピソードを綴ったノンフィクション作品『仲間を信じて――ラグビーが教えてくれたもの』を読みました。
『ハルのゆく道』に続き「村上晃一」作品です、、、
ワールドカップ開幕が1か月後に迫っていますからねぇ… ついついラグビー関係の作品になっちゃいますね。
-----story-------------
身体を激しくぶつけ合う熱きスポーツ・ラグビー。
仲間を信じ、協力しなければトライは生まれない。
真剣勝負の中で得るのは、勇気とフェアな精神、そして生涯の友だ。中学高校時代にラグビーに出会い、その後の人生を豊かにしていった人びとがいる。
それはなぜか。
6人のラガーマンの成長する姿を追う。
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本書で紹介されている6人のうち、現役時代を知っているのは「大畑大介」、「菊谷崇」、「林敏之」の3人でしたが… その他の方も含め、6人のエピソードには、それぞれ心に訴えてくるものがありましたね、、、
ラグビーの素晴らしさを一人ひとりのプレーヤの成長を通じて紹介している作品… 岩波ジュニア新書なので、小学校高学年~中学生くらいの世代が対象なのでしょうが、大人が読むに堪えるレベルの内容になっていると感じました。
■はじめに
2019年のワールドカップは日本開催/どちら側でもないノーサイド精神/
一人ひとりに与えられる役割/真剣勝負だからこそ芽生えるフェアな心
■1 努力する天才――大畑大介
見つかった居場所/練習の虫/日本代表の片鱗/
一気に3トライを畳みかけた世界記録の瞬間/
怪我からの復帰,そして引退のとき
■2 一所懸命を楽しむ――菊谷崇
やんちゃな野球少年/御所工業高校監督の挑戦/恐怖感が一体に/
全国大会への道/夢を求めて/心の支えは御所実業ラグビー部
■3 苦を乗り越えて得た自信――大東和美
ラグビーとの出会い/身体を張るスクラム/縁の下の力持ち/
伝統の早稲田ラグビー蹴球部/社会人,そして海外遠征
■4 信じられる師と出会って――井口剛志
京都イチ怖い先生との出会い/胸に刻んだ恩師の言葉/二人目の恩師/
大切なのは,チームがひとつになること/白熱の攻防,全国大会決勝戦/
信頼を失った大学一年生時代
■5 ONE FOR ALL,ALL FOR ONE ――林敏之
ぶつかるのが面白い/人生を変えた松山遠征/オーストラリア遠征と涙/
初のテストマッチ/オックスフォード大学留学/七連覇の前に苦しんだ日々/
涙の理由
■6 夢みるちから――神谷考柄
ひどい頭痛で入院/ラグビー部入部/仲間との出会い/
一つひとつ,できることが増えた/信頼できる仲間たち/メールに綴った想い
■あとがき
ラグビーを知らない人、観戦初心者の人でも読みやすい内容になっており、読んでいくうちに、少しずつラグビーに詳しくなっていく… そんな作品でした、、、
その中でも印象に残ったのは、
「大畑大介」が父親「孝」から言われたという「迷ったときは、しんどいほうを選べ」という言葉、
「菊谷崇」の母校である「御所工業」のジャージが全身黒なのは、練習中の不慮の事故で亡くなった選手への弔意であること、
「林敏之」が母校「同志社大学」の「岡仁詩監督」から言われたという「いまできることだけしても力は伸びない。できないことをしようとするから、力は伸びるのだ」という言葉、
ですかね。
ラグビーというスポーツは、人格形成に大きく影響すると思うんですよね… 仲間を信じること、敵味方なく友情を温めること、こうした経験をする中で、人間的に大きく成長できると思うんですよね、、、
ラグビーってイイなぁ… と改めて感じることができる作品でした。