【感想・ネタバレ】評伝 平尾誠二のレビュー

あらすじ

2016年10月20日に53歳の若さで天国に旅立った「ミスターラグビー」。自由自在に生き、走り去った彼の軌跡を、ラグビージャーナリストの村上晃一が、多くの関係者への取材により、知られざる事実も発掘しながら描きつくした。
感動のノンフィクション誕生。

・彼の思想を形作った15歳差の「友人」の存在
・「アマチュア規定違反」の真相
・英国留学で学んだこと
・神戸製鋼V7の秘密
・代表監督辞任の真実
・「勝ち目がない」と言われたコンペで勝利を引き寄せたプレゼン
・スポーツから社会を変えようとしたSCIX
・最期まで家族と闘った日々

──山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所名誉所長)
「平尾さんが旅立ってから10年。なぜ今も、これほど多くの人が彼に惹かれるのか、
本書を読み、その理由を改めて知ることが出来ました」

──本木雅弘氏(俳優)
「そのオーラに直接触れてみたかった! 新たなエピソードで深まる『型にはまらない創造性』と『果てしない優しさ』
平尾さんは人々の心に何度でも甦る!」

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Posted by ブクログ

「評伝 平尾誠二」は全部で9章で、構成されていて、私は「第4章 ありえない勝利」を特に興味深く、読ませていただきました。

この第4章は、平尾誠二さんが神戸製鋼入社から、8連覇ならず現役引退するまでのことが、書かれていました。

その中でも、全国社会人大会の3連覇のかかった決勝戦の対三洋電機戦が、印象に残ってます。

この試合は、中学生の時に観て、とても興奮し、感動した試合として、35年以上たった今でもはっきり覚えています。

そのシーンを本文から、自分なりにアレンジして要約してみた。

12ー16でロスタイムの時間帯に入った。

1トライ、1ゴールの6点で逆転できる点差。
 
神戸製鋼陣に10メートルほど入った右中間の、神戸製鋼ボールスクラム。

トライラインまで約60メートル。プレーが途切れたら即ノーサイド。

ラストワンプレーだった。

平尾誠二の出したサインプレーは、スクラムからフィールドを横切るように、大きく左へパスを繋ぐものだった。

リスクのあるプレー選択だった。

ボールを受けた左ウィングの綾城は、三洋電機のタックラーに捕まりながらボールを生かした。

直後、密集の左サイドをナンバー8の大西一平が突進した。

シナリ・ラトゥーを巻き込むためだ。

ラトゥーは、最強のディフェンダーで日本代表では守護神と呼ばれていた。

上手く巻き込めれば、ラトゥーは次のディフェンスには走れない。
  
ここから広くなった右サイドに、ボールを大きく展開した。

SOの藪木から平尾へのパスは、ワンバウンドした。

これを平尾は難なくすくいあげる。平尾はこういうときのために、日ごろからワンバウンドのパスを受ける練習をしていたのだ。
 
パスをすくいあげた平尾は、少し前に出ながら、ウィリアムズをマークしていたナモアとすれ違いざまに、パスを送る。

少し後ろにそれたボールを、ウィリアムズは難なくボールをキャッチした。

スローフォワードぎりぎりの、ここしかないという絶妙なパスだった。

ウィリアムズはそのまま加速した。

試合の最後で、疲れていたはずだが、前傾姿勢は崩れなかった。

練習で前傾姿勢を保って走り抜くインターバル走を繰り返した成果だった。

ナモアを振りきって、インゴール中央に走り込んでトライ。

その直後のコンバージョンゴールを、細川隆弘が決めて、18ー16と逆転。

劇的な大逆転勝利だった。

神戸製鋼はこれで3連覇を達成した。

この場面を解説した、村上晃一氏の本文を抜粋して紹介したい。

平尾はよく「実際の試合の前に試合は終わっている」と話していた。

全ての情報を頭に入れて、あらゆるシュミレーションを終えた上で試合に臨むからだ。

平尾の頭の中では、試合は後追いで、想定した現象が起こるものなのだ。

最後のトライも、イアン・ウィリアムズがトライを取るために、いったん左オープンを攻めて右側に大きなスペースを作り、ウィリアムズのスピードでトライを取るイメージがあったのだろう。
 
平尾誠二さんが、顔が格好良くて、華麗なステップで魅了することは、前からわかっていたが、その上試合の先を読み取るキレる頭まで持っていたとは知らなかった。

もし才能を差配する神がいたとするならば、この人に才能を集め過ぎだろ!!

不公平にも程があると、感じた「評伝 平尾誠二」だった。

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2026年10月16日

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