作品一覧

  • 命に国境はない 紛争地イラクで考える戦争と平和
    5.0
    1巻682円 (税込)
    「平和憲法」を掲げながらも、軍事化が進行し、戦争に加担する国へと変貌しつつある日本。それでも、国際社会で起きている戦争は他人事でよいのだろうか。イラク戦争以後、暴力の連鎖が続く現地で人道支援活動を続ける著者が、自らの体験をもとに、戦争のリアルな実態を伝え、平和をどう築くかを問う。護憲の、さらにその先へ。

    試し読み

    フォロー
  • 戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない
    3.5
    イラクで理不尽な形で消えていったすべての命に、この本を捧げます。――2004年4月7日、現地時間の午前11時頃、私はイラク北西部ファルージャ近郊で武装グループに拉致された。通算4回目のイラク入りで起きた、悪夢のような出来事だった。拘束の日々と再生への途。 ●突然、体が仰向けに引き倒された。喉元に硬い物が押しつけられる。ゴクンと生唾を飲んだ。ナイフ? 少しでも動いたら、喉を切り裂かれる……そう思った。「ノー コイズミ」の大合唱が始まり、私も「ノー コイズミ」と叫ぶ。耳元で金属の触れ合う音がする。恐怖にかられ、「ノー コイズミ」と繰り返す。ふいに喉元の圧迫感が消えたが、誰も助け起こしてはくれない。――<「第1章 拘束の9日間」より>

ユーザーレビュー

  • 命に国境はない 紛争地イラクで考える戦争と平和

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2004年、イラクのファルージャで人質となった高遠菜穂子さんの著書。イラク戦争の経緯と今に至るまでの報復の連鎖が分かりやすく語られている。高遠さんを拘束した地元の武装勢力の人々との会話を読むと、自己責任論でバッシングする日本人より遥かに人間性がある気がする。著者が語るように、武装勢力には殺されず、武器を持たない同胞に殺された、という感じ。
    全部アメリカの言いがかりが悪いんじゃないか、という気がしてくる。そしてそれに乗っかるだけで検証しない日本。情報鎖国の日本。日本人には、軍事大国となりはてた日本の姿が見えていない。報道されず、知らない人々。イラク戦争を知らない若い世代は、一昔前よりも戦争を身近

    0
    2020年05月09日
  • 命に国境はない 紛争地イラクで考える戦争と平和

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あんなに「自己責任」と責められたのに・・・
    ほんとにしっかりした思いを持ってイラクにかかわっていらっしゃる。
    「自衛隊」という言葉がなくて所詮、「軍隊」だととらえられる。
    長い間、平和の国、軍隊を持たない国と思われていた日本が一瞬でそうじゃなかったと思う絶望感、支援に入っていた人々はほんとにつらかっただろう・・・
    ISがなぜ生まれたか、そのあたりもわかりやすかったし、今も地獄にあるイラクの人々になにができるのだろうか・・・
    深く考えなければと思う。

    0
    2020年02月09日
  • 戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない

    Posted by ブクログ

    「イラク人質3人」の著作を読んだ中の最後。3人の中で一番現地に詳しく、イラク人とコミュニケーションを取れた人物だったが、当時のマスコミからは執拗なバッシングを受けた。
     3人とも人質となっている間の描写はほぼ似通っており、3人ともが誇張をせずにそれぞれの視点で目の前の出来事に驚き、絶望し、希望を捨てないように祈った日々のことを正確に理解することができるだろう。
     「人質救出」のために現地に向かった政治家と官僚、警察の人々などの発する言葉は、当時の国内の「世論」によって裏付けられた常識的な言葉だった。しかし、人質側で流れた時間とその間の感情を追体験した後ではもはや「常識」とはなりえない感じを受け

    0
    2014年09月05日
  • 戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない

    Posted by ブクログ

    僕は著者の講演会に参加して、彼女の現地での活動に大変興味を持ちました。そして、購入したのがこの本です。拉致問題の真相も語られていますが、僕は何よりもイラクでのストリートチルドレン支援の取り組みに大変感銘しました。

    0
    2009年10月04日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!